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かんたんチキンブイヨン

西洋のだしである、ブイヨン。コンソメキューブではなく、自分で作るとすごくおいしいのですが、時間もかかるし、なにより材料を揃えるのが、なかなかたいへんです。

何回も作っているうちに

●なるべく低単価で
●簡単に
●何にでも使えて
●結構おいしく

と、いうところで落ち着いたのが、この超シンプルなチキンブイヨン
まずは材料から見てみましょう。

材料(ブイヨン700mL分)

鶏手羽先…6~8本(400~500g)
塩…ふたつまみ
長ねぎの青いところ…10cmぐらい

よくブイヨンに入れる、めんどうな香味野菜は、ほとんどなし。簡単にすると同時に、和洋中どんな料理にでも合うよう、なるべくニュートラルなものに仕上げます。

作り方も、いたってシンプルです。

1鶏肉を湯通しする(軽く煮て湯を捨てる)
2水と塩と長ネギを加えてゆっくり煮出す。

これだけです。もう少しくわしく、解説をしますね。

用意するのは鶏の手羽先です。6本から8本使います。

鶏のだし、というと鶏ガラが思い浮かびます。でも、骨だけではなかなか味が出にくいし、洗ったりする下処理もめんどう。そこで骨付き肉の中でも安価な手羽先を使います。

おなじみ、手羽先。昔は「く」の字の先のところを切りおとして手羽中の部分だけ売っていることが多かった気がしますが、今は先っちょつきのが多いですね。ゼラチン質のある部分で、スープにはうってつけ。
6本から8本で4~500gほど使います。時間もかかるものなのである程度まとめて作りたいところです。

さて、この手羽先を鍋に入れ、ひたひたに水を加えて中火にかけます。まずは、鶏の下ごしらえをします。

ひたひた、は具材がちょうどかぶるぐらい。沸騰して、鶏肉の表面が白っぽくなるまで、鍋から離れないでください。

白いアクがさーっと浮いてくるので、そのタイミングで火から下してしまいます。一度ここで手羽先を取り出して、お湯をすべて捨てます。肉に完全に火が通っている必要はありません。

ひと手間に見えますが、アクも少なく、匂いの少ないスープをとることができます。

さて、あらためて、鶏肉を鍋に入れ、水1000mLを注いで、火にかけます。塩ふたつまみぐらい加えましょう。そして、長ねぎの青いところも鍋に入れます。肉の臭み消しになります。

長ねぎのかわりに、にんじんを半本ぐらい、もしくはにんにくを切らずに丸のまま、入れてもよいでしょう。これらの野菜は、さほど主張せず、肉の臭みを消してくれます。
セロリやローリエ、しょうがなどのハーブを入れるレシピが多く、もちろん入れた方がおいしいのですが、ブイヨンに個性が出るので、使いみちが限られます。ニュートラルに作れば、和洋中いろいろな料理に使いまわせます。

中火で沸騰させたら、弱火に切り替えて、そのまま40~50分、コトコト煮ましょう。一度、湯通ししているのでアクは出にくくなっていますが、もし出るようならおたまですくいます。強火すぎるとスープは濁ります(それはそれでおいしいです)

表面がゆらゆら動くぐらいの火加減で。

さて、時間がたって手羽先とねぎを引き上げると、スープができています。1000mLからスタートして、約600~700mL になりました。煮込み時間が少ないので、色はそれほど出ていないです。

黄色い脂が気になる人は、一度鍋ごとスープを冷蔵庫で冷やすと、表面で固まります。スープの表面にキッチンペーパーをそっとのせ、そうっとはがすと、脂がとれます。

細かい汚れをとりたかったら、漉してもいいでしょう。でも、そのままでもOKです。

鶏ブイヨンはゼラチン質がとけているので、冷やすとプルプルのゼリー状になりますが、あたためるとまた溶けます。ブイヨンにほとんど味はついていないので、小皿にとってぱらっと塩を振って、味見してみてください。鶏の味が出ていると思います。
正直な話、これだけだとすこし物足りないと感じるかもしれません。このブイヨンはそのまま飲むよりは「だし」として使うことを目的としています。とくに、単品野菜のスープなどに使うのに向いています。

今週公開のcakesの『スープ・レッスン』は、コンソメキューブを使ったきゅうりのスープです。コンソメキューブのかわりに、このブイヨンで作ってみてください。きゅうり、しょうが、塩、ブイヨン。これだけで十分においしく食べられます。

サッとゆでた小松菜を入れたり、もやしを煮てもおいしい。味噌汁にしたらリッチです。また、ラーメンを作ったりするときにスープをお湯ではなくこのブイヨンで作るのもいいと思います。作るスープにもよりますが、1.5倍ぐらいまではうすめて大丈夫です。

日持ちはあんまりしません。作った日を含めて3日ぐらいで使いきりたいです。最初からジップロックなんかに入れて冷凍しちゃいましょう。

自分でブイヨンをとることは、忙しい毎日の中ではそうできることではないかもしれません。でも、休日などにやってみると、とても心も食卓も豊かになります。ぜひ試してみてくださいね!

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そうそう、出しがらの手羽先は捨てないでください。軽く冷ましたら水、醤油、砂糖で煮込みます。生姜やネギなんかも入れて。ごはんが進む手羽先の甘辛煮です。

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ブイヨンについては、こんな記事も以前書いています。ご興味ある方はどうぞ。

cakes『スープ・レッスン』も、あわせてどうぞ。






読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。