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本屋と私

明日から、全国の書店で「有賀薫フェア」がスタートします。今日はそのお知らせがメインなのですが、書店について私が感じていることも、少し書きたいと思います。

まず、フェアの概要

フェアは参加店舗のみで行われます。フェア用の帯が書籍に巻かれているお店です。参加店のリストはこちらですので、お近くのお店をお探しください。
https://data.magazineworld.jp/shoten/ariga_soup_fair.pdf

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フェア実施店でお買い上げの方への全員プレゼントとして、このフェアのために作った春らしいスープのオリジナルレシピを差し上げます。さらに、フェアオリジナルの帯に抽選権がついていて、抽選で景品がもらえます。

ひとつは私がとても信頼しているおいしい野菜を茨城で作られている、久松農園さんの野菜です。箱の中に入った野菜で作れるスープレシピを畑の野菜に合わせて私が作っていきます。どんな野菜とどんなスープが箱の中に入っているかは、お楽しみに。もうひとつのスープジャーは、サーモスさんにお願いしたら、気前よくプレゼントに応じてくださいました!

フェアは今日から順次始まります。期間は3月いっぱいぐらいですが、フェア用の帯は増刷しないので売り切れごめんなさいとなります。

もう本持ってるし…という方も、お友達やご家族へのプレゼントにいかがでしょうか。

本屋は世間

子供の頃から本が好きで、本屋が大好きでした。紙とインクの匂い、静かな空気、本のタイトルがぎゅっと並ぶ本棚は、お菓子売り場やおもちゃ売り場より私にとっては魅力でした。今、本を出す側になってその売り場の一角を作る側に参加できることは、幸せでしかありません。

本を編集する私たちは、本当にいろいろなことを考えます。中身だけでなく、書店で見える部分にもとても気を使います。タイトルはどうするか、表紙の色は、写真やイラストは、デザインは、文字の大きさは、オビに何を書くか、ケースやカバーは……たとえ本を開かなくても、そうやって考え抜かれた結果が、本のたたずまいとなって現れます。
最近ではひとめでわかるように表紙周りに情報を詰め込む傾向にありますが、昔は少し質感のある紙にスッとしたフォントでタイトルと著者名だけという、雰囲気のある本も多かった気がします。

そうやって情報が見えるところにもぎっちり詰まっているから、書店は本を買いに行くという目的だけでなく、ただ歩き回るだけでも、新しい知識やデザイン、みんなが今どんなことに感心を持っているか、世間に存在するジャンルなどを、ざっくりとつかむための場所になりえます。

情報収集はインターネットのほうが得意な気もしますが、実は自分の関心のあるものばかりが集まる仕組みになっていて、無為の情報が流れてくる場所ではありません。ネットでは驚くような出会いや、全体の俯瞰が案外できないなというのが私の感想。個性ある選書をしている店もいいのですが、ベストセラーを置いてあるようなごくふつうの書店には、やはり世の中が反映されていると思います。目的買いじゃなく、ふらふら書店を歩き回るの、おすすめです。「書店は世間」なのです。

なかでも、写真が多い料理本は、立ち読みが楽しいコーナーのひとつ。普段買ったりしない専門書などをぱらっとめくるのも面白いし、今どんな食材が流行っているのかな、料理や盛り付けのヒントをもらえます。

フェアに関わってくださる方々へ

今回のフェアは『朝10分でできるスープ弁当』のマガジンハウスの『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』の文響社、『スープ・レッスン』のプレジデント社、そして『おつかれさまスープ』の学研プラス。私の本を出してくださっている4つの出版社が敷居を超えて力を合わせた、合同企画によって生まれました。
また、こうしたフェアは、忙しい書店員さんたちに大きな負担をかけるものですが、その中で手間や時間をかけて売り場づくりしてくださり、ありがとうございます。
あらためて、出版社の皆様と書店様に深くお礼申し上げます。

この期間は私もテレビ、ラジオ出演など販促活動をなるべくたくさんやり、フェアを開いてくださる書店と一緒に本をみなさんの手に届けたいと思います。「日本をスープの国にする」という野望を胸に、多くの方の手に本を届け、簡単でおいしいスープを作ってもらえたら嬉しいです!

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左上『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』(文響社)
右上『スープ弁当』(マガジンハウス)
左下『スープ・レッスン』(プレジデント社)
右下『おつかれさまスープ』(学研プラス)


読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。