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添削屋「ミサキさん」の考察|10|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑩
|9|からつづく
第4位 文章は必ず「推敲」する
[Point]
1⃣時間を置いて読み直す
2⃣あえてプリントアウトして読み直す
3⃣声に出して読み直す
4⃣他人に読んでもらう
この章に関しましては、本エッセイの趣旨と離れますので、割愛させていただきます。
第5位 「わかりやすい言葉」を選ぶ
[Point]
1⃣「難しい言葉」を「簡単な言葉」に置き換える
2⃣専門用語を使うときは、解説を加える
3⃣「簡単な言葉」を雑に扱わない
この章は、とりわけ「不特定多数に向けて」文章を書く場合を念頭においているようです。
したがって、文章の性格によっては必ずしも守らなければならないことではないと私は考えます。
ただ、「新聞の世界では、『中学生でもわかるように書く』というのが一応の目標になっている」(『書く力』竹内政明(読売新聞論説委員)著/朝日新聞出版)ということは、念頭においておいた方がよいでしょう。
以上のような項目で、それぞれ例文が書かれていますが、ここでは省略させていただきます。
(大切なところですので、気になる方はぜひ本書のほうでご確認ください。)
第6位 比喩・たとえ話を積極的に使う
[Point]
1⃣使いやすいのは「直喩」「隠喩」「擬人法」の3つ
2⃣より強い印象を与えたいときは「隠喩」
3⃣知らないことは「知っていること」にたとえる
ここは、実際に書く場合に難しいところでもあり、かつ上手に使えるとすばらしい効果を発揮する領域の話ですので、私見を交え、例文も上げて詳しく述べていきます。
比喩とは、
「他のものにたとえて表現する」
ことです。「喩」には、「たとえて、意味・内容を理解させる」
という意味があります。
比喩は、書き手の主張や大切なことを読み手に印象付ける役割を担っています。比喩を使うと、理解しにくい物事がわかりやすくなったり、イメージしやすくなったりします。
◇比喩の4つの効果
(1)ショートカットできる
「比喩とは、三行費やさなければ説明できないことを一行で説明できる、非常に有効なショートカットの手段です」(大沢在昌『売れる作家の全技術』/KADOKAWA/作家)
「内容をいちいち説明せずに、『一撃のもとに』仕とめてしまう」(野口悠紀雄『「超」文章法』/中央公論新社/経済学者)
(2)難解な内容、複雑な内容、未知の内容をわかりやすく伝える
「Aは、あなたがすでに知っているBと同じ」
「これから私が話すのは、あなたも知っているあの例と同じ」
と説明することで、伝わりやすくなります。
(3)読み手がイメージしやすくなる
「新しい商品の大きさは、縦15センチ、横10センチです」と表現するより、
「新しい商品は、葉書と同じくらいの大きさです」と表現したほうが、サイズ感をイメージしやすくなります。
(4)意味を強調できる
「明るい女性」と書くよりも、「太陽のように明るい女性」と書いたほうが、明るさや健全さが強調されます。
(2)と(3)は実質上同じ意味合いかな、という気がします。(3)は(2)に含めてしまってもよいのではないでしょうか。
ともあれ、私見では、とくに比喩で意識した方がよいのは(1)の「ショートカットとしての役割」かと考えています(理由は後述します)。
小説書きには、この大沢さんの本は基本的なことを押さえるのでわりと役に立ちます(私見)。かならずしもエンタメ小説に限ってというわけではないので、純文学的な小説を書く方も一読してみるのもいいかもしれません。
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