添削屋「ミサキさん」の考察|8|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑧
例文をあげはじめるときりがないので、そろそろ「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」に戻ります。
3⃣見た目を良くすると、文章のリズムも良くなる
◇リズムの悪さ=読みづらさ
少しはた、と考えてしまいました。
「見た目」と「リズム」をほぼイコールでいうのはどうなのかな? と。
わかりやすいようにこう説明しているのかな?
ただ、私も先に紹介したように、「漢字をできるだけひらがなにすることによってリズムが損なわれるのを避ける」という意見は賛成です。
ともあれ、「音読したときに読みやすい文章」というのは一般的に言えることでしょう。
余談ですが、私は小説投稿サイトで小説を発表し、サイト内の友人ともやりとりしますが、自分の作品を音読して推敲する、という方が多くて驚きました。私自身はやったことがないのですが(恥ずかしい)、音読の効果というのはとても大きいそうです。
参考までに、|7|でご紹介した太宰治『ヴィヨンの妻』、文庫本のページを見てみます。
見栄えも確かによいですね。
リズミカルな文章を書く作家は多いですが、私見で思い浮かぶのは村上春樹さんでしょうか。デビュー作『風の歌を聴け』から引用してみます。
当該ページの画像です。実に読みやすそうです(笑)。でも、見栄えだけでなく実際音読しやすい文章ですよね。人によって好き嫌いはあるとは思いますが。
『ヴィヨンの妻』も『風の歌を聴け』も、いずれも新潮文庫で、字体、文字の大きさ、行間の空き方は同じでした。
(余談ですが、文庫でいちばん読みやすいのはやはり新潮文庫かなぁなどと私見ですが、思ってます。)
では、川端康成の実際の小説の文章はどうでしょうか? それから、はっきりいって「リズムがない」と評価されがちな、川端康成につづいて2人目の日本のノーベル文学賞作家、大江健三郎さんの文章を見ていきたいと思います。
|9|につづく
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