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文章・言葉について

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言葉、文章についてのつぶやきです。
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#添削屋

添削屋「ミサキさん」の考察|4|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた④

添削屋「ミサキさん」の考察|4|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた④

|3|からつづく

3⃣ワンセンテンス・ワンメッセージ

ここでは、紹介されている「悪い例」「良い例」を見てみましょう。

良い例では、①開始時間②場所③議題 の3要素をそれぞれ別の文におさめています。
これはビジネス文書、というより通知やメールの場合ですよね。

たとえばそれ以外の小説や記事、論文などではここまで細かく割る必要はないと思います。小説などでは特に、単調になって味やリズムが損なわれて

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添削屋「ミサキさん」の考察|3|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた③

添削屋「ミサキさん」の考察|3|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた③

|2|からつづく

もう少し私の独断でチョイスした例文を見てみましょう。

大岡昇平『俘虜記』の一節です。大岡昇平というと、日本文学には珍しい極めて硬質で端正な文体が印象的です。
引用の一段落目は1文のみです。96文字ありました。
現代に比べ昭和中期くらいまでの文章は長めの印象がありますよね。
読者層が少数のインテリを想定していたことと関係があるのかもしれません(この辺りは私の勝手な推測です)。

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添削屋「ミサキさん」の考察|2|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた②

添削屋「ミサキさん」の考察|2|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた②

|1|からつづく

2⃣1文の長さの目安は、「60文字」以内

論者によってばらつきはあるようですが、本書の著者が精査した結果「1文の長さは『60文字以内』が好ましい」そうです。
同時に、「80文字だと長すぎる」というのが多くの論者の意見だったといいます。

劇作家の井上ひさしさんは「分けて分けて分けて、単純にして、それをつないでいけばいいんです。それが基本です」(『井上ひさしと141人の仲間たち

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添削屋「ミサキさん」の考察|1|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた①

添削屋「ミサキさん」の考察|1|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた①

私は「添削屋」の観点から普遍性を持つ部分を注意して読みました!私がこの本に関心を抱き読み始めたきっかけは、もちろん「添削屋」稼業の勉強のためです。
そういう意味では、さすが100冊の文章術から抽出しただけあって、文章の普遍的ともいえるルールが簡潔にまとめられていて便利な本です。
その中でも頻出ランキング1~7位をまとめたPart1は、ほぼどのような種類の・どのような性格の文章にも適用することができ

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