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若き女性教師の悩み(社会的・身体的ハンデを抱えて)

こんにちは。
元教員で現ヒラ社員のかおるこです。

今回は、若い女性教師は社会的・身体的ハンデを抱えながら仕事をしており、その分苦労も多いという話をしたいと思います。

普段気づかないこともあるかもしれませんので、この記事は女性だけでなく、ぜひ男性にも読んで頂きたいです。

【目次】
・はじめに
・そもそも若い女性は社会的に弱い立場にある
・身体的ハンデがある中での集団指導の難しさ
・女性教師にできること
・最後に

※私は、男とは女とはこうあるべきで~みたいな話は嫌いです。この記事で言いたいことはそういうことではありません。


・はじめに

きっと男性教員と女性教員では悩みの種類は違う

先日、男性教員の方が「女子生徒の対応をするときは、2人きりにならないように非常に気を遣っている」という趣旨のブログを書いていらっしゃいました。
それを見た時に、私自身はそういうことに気を遣ったことはなかったので、女性教師と男性教師で抱えている悩みは少し違うのではないかと思い、今回、女性教師の視点から特有の悩みを書いてみようと思った次第です。


・そもそも、若い女性は弱い立場にある

「若い」こと、そして「女性」であることの、ダブルパンチ

この記事では、若い=20~30代を想定して書いていきます。

さて、若い女性というのは、美しく、価値があるというメッセージをメディアから受け取る機会は多いですが、こと「働く」という社会的活動においては、非常に不利な立場に置かれると私は思っています。
その要素を1つずつ見ていきます。

【若いこと】
日本社会は儒教の影響もあり、いまだに年功序列が強い社会です。「年配者」はそれだけで敬われるべき存在となりますが、「若輩者」は若いという理由だけで目下の存在になる。また、仕事上では、その人の適正や能力に関係なく、しんどい仕事は若手に振り分けられることも多い。これは男性・女性に関わらず、身に覚えのある読者の方も多いのではないでしょうか。
【女性であること】
さらに、日本は、先進国の中でも、著しく男女格差の大きい国です。
2019年末に発表された世界のジェンダーギャップ(男女格差)指数では、日本は153か国中121位(もちろん先進国の中では最低)。特に政治や経済面での男女の格差は解消のきざしは見えず、思想的にも社会的にも女性差別は日本社会に色濃く残っていると言えます。
これは、当事者である女性の方が男性より敏感に感じ取っていると思います。

そして、若い女性の働き手というのは、この「若いこと」「女性であること」の社会的差別のダブルパンチを受けながら、毎日「年配の」「男性」と同じフィールドで働いているのです。

正直、これだけでも結構大変なことなんですね。


・身体的ハンデがある中での集団指導の難しさ

生徒は本能的に女性の非力を感じ取っている

さて、ここからは、教員の特有の話をしてみましょう。
以前の記事(教師ってなんでこんなに苦しいの?(自己矛盾が生まれる背景))にも書きましたが、教師という仕事をまっとうするためには、必ず軍国主語的・集団主義的なふるまいの指導をする必要が出てきます。

つまり、勝手なことをする生徒に対し、強制的に座らせたり、黙らせたり、何かの作業をさせたりする必要が出てくるのです。

その際、男性教員であれば、「こらぁああ!!(大声)」という一喝で、生徒はびっくりして言うことを聞いたりする。この時生徒はたぶん、「このままこの人を怒らせては身の危険が及ぶ」ということを本能的に察しているように思うのです。

しかし、女性教員が同じことをやっても、生徒は言うことを聞かないことが多い。しかも、彼らはおっかないと感じるどころか、女性教師のそれを、なんだか滑稽にさえ感じているように思うのです。
それはたぶん、女性が生来的に抱えている身体的ハンデ(男性に比べて身体が小さい・筋肉が少ない・声が高い等)を彼らが無意識的に感じており、女性教師の脅しは見せかけだけであって、身の危険を感じるほどのことではないと、本能的に察知しているのではないかと思うのです。

つまり、女性教員は、「恐怖」というわかりやすい武器を生徒に対して使うことが出来ず、集団的指導を行う際は、非常に難しいかじ取りを迫られているのです。

もしかしたら、優しい系の男性教員も「自分にもそんな武器はない」と言うかもしれませんが、大声を出すかどうかは別として、やはり男女の身体的ハンデは埋めがたい差であると私は思うのです


・女性教師にできること

工夫して、得意を活かして、やっていくしかない

ここまでで、社会的にも身体的にも若き女性教師は特有の悩みや難しさを抱えていることはご理解いただけたでしょうか。

正直、私自身も「自分が屈強な男性教員だったらなぁ」と羨ましく思ったことは何度もあります。

しかし、女性教師にも、男性教師にはない武器があるはずです。
おそらくそれは、男性教師が苦手とする思春期の女生徒への対応であり、日常のささいな生徒の変化をキャッチするアンテナであり、共感に基づく生徒との関係づくりであると思うのです。

そういう細やかな一つ一つを積み重ねていくことで、生徒との信頼関係をつくり、現場で活躍されている女性の先生はたくさんいる。

だからこそ、女性教師であるあなたにも、あなたにしか出来ない指導があるはずです。それを信じて、工夫して、自分の良さは何かということを探していってほしいと思っています。

※ちなみに私は「静かにキレる」という技を身につけました。


・最後に

女性教員も男性教員も助け合ってほしい

今回は、若い女性教師は社会的・身体的ハンデを抱えながら仕事をしており、その分苦労も多いという話をしてきました。

「先生が怖いから言うこと聞いておこう」という、手っ取り早く、しかも効果の高い手段を持つことができない女性の先生は、日々生徒の指導にご苦労されているかと思います。
「恐怖」だけで生徒を動かすのは良くないというのは正論ですが、どうしても生徒が言うことを聞かない時、男性教員のことが羨ましくなることもあるでしょう。

しかし、そういう男性教師にも得意・不得意の分野があり、女性教師にも得意・不得意があります。
だからこそ、「あなただから出来る指導」をそれぞれが見つけ、互いに補いあい、生徒の成長につなげていってほしいと願っています。


長い記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

では、また。


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