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教師はなぜ休むことに強い罪悪感を抱くのか?(先生も休んでいい)

こんにちは。
元教員で現ヒラ社員のかおるこです。

今回は「教師は休むことに強い罪悪感を抱くのは、休む=悪だという自己暗示にかかっているからではないか」ということと、「しんどいなら、先生も休んでいい」という話をします。

(ちょっと長いけど最後までお付き合いをば。)

【目次】
・はじめに
・教師が休むことに罪悪感を抱くのはなぜか?
・あなたは自己暗示にかかっている?
・休むことは悪なのか?
・先生も休んでいい
・最後に

では、さっそくはじめましょう。

■はじめに

あなたは休むことに罪悪感を感じていませんか?

学校の先生は、忙しい。平日はもちろん、土日や長期休暇でさえ業務で潰れてしまうことも多々あり、ゆっくり休めるということがほぼありません。

しかし、こういう生活をしていると、当然疲れが出て体調を崩してしまうこともあります。その際、仕事を休んだことに対して「あー休んでしまった…」と強い罪悪感を抱いてしまう先生が多くいると感じています。

あなたもその一人ではないでしょうか?


■教師が仕事を休むことに強い罪悪感を抱くのはなぜか?

普段の指導があなたを苦しめている

私は、現在会社員として働いていますが、仕事を休むことへの罪悪感は、教師時代の方がかなり強かったと感じています。

それはなぜか?

私は、教師一人が背負っている責任が重いからという理由もさることながら、
それとは別に、
・「休まず、学校にくることは善いことだ」という指導を、普段教師が生徒にしている
・その指導が自らに跳ね返ってくることで、教師自身が「学校を休む=悪」だという自己暗示にかかってしまっている(毎日自分に言い聞かせているのと同じ状態にある)
からではないかと思うのです。

どういうことか?1つずつ見ていきましょう。

教師の仕事の一部が「休まない=善」という指導になっている

毎朝クラスで出席を取り、休んでいる子がいれば心配して電話をし、翌日の登校を促す…このような指導は教師としての基本的な仕事の一つです。私も教員時代、全員出席の日は「今日はみんな揃って嬉しい」といった声かけをしていました。

このように、「生徒たちが休まず出席すること=善いこと」とする行動を、教師は時に無意識的に、時に仕事上の責任として行っているように思うのです。

・そもそも学校が「休まない=善」とする理由
学校という場は、将来的に「毎日会社のリズムに合わせて、元気に働ける人」を育てたいと思っています。現在の一般的な勤め先のリズムは週5日8時間勤務であり、生徒たちもそのリズムに合わせる練習を学校でしていると言っていい。ですから、教師も成績の善し悪し以前に、「毎日元気で学校に通っている」という点を評価するのです。

しかし、この「休まない=善」という指導は、「休む=悪」という価値観を植えつけてしまう危険性があると今は感じています。


■あなたは自己暗示にかかっている?

生徒に発言したことは自分に跳ね返ってくる

おそらくあなたも、「学校のリズムに合わせて出席すること=善」というメッセージを、特に疑うことなく、生徒に対して日々発信しているのではないでしょうか。

ただ、問題は、このメッセージが、生徒だけではなく、それを発した教師であるあなた自身にも跳ね返ってくるということです。

生徒に普段「休まず、来てえらいね」と言っているあなたは、「休まないことは善である」と自分に言っているのと同じです。
休んだ生徒に「どうして休んだの?」と聞くあなたは、「休むには理由がいる」と自分に言っているのと同じです。

つまり、あなたは、

教師としての仕事の一部である「生徒に出席を促す」という指導を通して、

「学校のリズムに合わせて休まず出席することは善であり、その対極にある休むということは悪である。そして、その休む行為にはそれ相応の理由がいるのだ」

ということを無意識的に、自分自身にも繰り返し言い聞かせているのと同じ状態にある、つまり、「休む=悪」だと自己暗示をかけてしまっているのではないかと思うのです。

そして、これが
「普段生徒に休まず学校に来なさいと言っているのに、自分はちょっと体調が悪いというだけで休んでしまった。」
「休んでしまって、生徒に申し訳が立たない」
という罪悪感につながってしまうのではないかと私は感じています。

※「自分が休んだことで他の先生に迷惑をかけてしまった」という罪悪感も同じ構造だと考えます。つまり「人に迷惑をかける=悪」という指導をしていると、自己暗示にかかってしまいます。


■休むことは悪なのか?

体力には個人差がある

しかし、そもそも休むことは悪なのでしょうか?
もちろん、毎日元気で働けるなら、それに越したことはないでしょう。

しかし、実際は、体力には個人差があります。体調の変化にも個人差があります。

そういう「自分の身体のリズム」を大切にしないと、長い目で見たとき働き続けることは不可能になります。言い換えれば、働き続けるためにどれくらい休む必要があるのかは個人差があるということ。

つまり、自分のリズムを無視し、勤め先のリズムに合わせすぎると必ず身体や心を壊すことにつながると言えるのです。(これは大人も子どもも同じ。)

だから、私は、働き続けるためには休むことは絶対に必要であり、休む=悪ではないと感じています。

学校では生徒になるべく休まないよう、画一的に指導しますが、それは単にその方が効率がいいからです。(学校の集団主義の話は前回しました)


■先生も休んでいい

身体はあなたに休めと言っている

教師という仕事は、非常に体力も精神力も使うハードな仕事です。教師だって人間ですから、どうしようもなく布団から出られない日もあります。

そういう日は、休んでいいと思うのです。

身体は、心より正直です。
あなたの身体は「これ以上無理したら壊れちゃうよ」と体調不良という形でメッセージを送ってくれます。本来は、このタイミングで休まなければいけないのです。

もちろん、休んだ日は他の先生や生徒に迷惑をかけてしまうでしょう。
ただ、身体の疲れは1日寝ていれば回復するもの。一方、無理を続けて、心が壊れてしまうと回復には相当の時間がかかります。そうなれば、余計に自分も周りも長期にわたって苦しんでしまうことになります。

だから、先生方も「自分の身体のリズム」を大切にし、不調のサインを感じた時は休んでいいのです。


・最後に

あなたの身体と心を大事にしてほしい

今回は「先生が休むことに強い罪悪感を感じるのは、休む=悪だという自己暗示にかかっているからではないか」ということ
そして、「先生もしんどい時は休んでいい」という話をしました。

計画的に休めるのが一番いいとは思いますが、体調不良は突然起こるものです。

自分にも、他の先生にも、生徒にも、「しんどい時は休んでいいんだよ」という日々メッセージを送ることは、お互いの心身の健康を保つために大切なことであると私は思っています。

この記事を読んだあなたが、休むことへの罪悪感を少しでも手放してくれること、そしてゆっくり休んだ後はまた元気に学校に行けるようにと願っています。

長い記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

では、また。


こちらもおすすめ>>>学校に行きたくない、それは先生も同じ。(だって人間だもの


前回の記事はこちら>>>教師ってなんでこんなに苦しいの?(自己矛盾が生まれる背景)


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