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草の根広告社/父子手帖(ニコニコチャンネル復旧までの臨時更新)

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「子供に見せたくないもの」

 東京の街を歩く。至るところで都知事選の掲示板を目にする。事務所のある高輪の町もそうだった。歩いていたのは小学校の通学路でもある。ちょうど下校の時間帯だったのでランドセルを背負った小学生の姿もあった。「子供に見せたくない」という保護者の声を数多く目にした猥褻なポスターこそなかったものの、選挙とは無関係のメッセージを携えた掲示物も数多く貼られていた。

 責めるつもりはない。ぼくも「子供に見せたくない」と言われるテレビ番組を90年代に数多く手掛けてきた。少年による猟奇殺人が起きたタイミングで連続猟奇殺人を題材にした連続ドラマを書いていたことで「日本をダメにする脚本家のひとり」と顔写真入りで批判されたこともある。傷つくといううよりも、むしろ光栄だった。世界中で「パブリックエネミー(大衆の敵)」と批判された炎上商法の先駆者セックスピストルズが好きだったせいだ。自分の反社会性には今更ながら呆れるばかりだ。

 当時自分が手掛けていた映像作品を今年8歳になる自分の娘に見せられるかと訊かれたら「まだ見せません」と答えるだろう。ぼくにも親になって「子供に見せたくないもの」が幾つもできた。当時ぼくが携わっていた番組を「子供に見せたくない」と言っていた保護者の方々の気持ちも分かるようになった。本当に勝手なものだと自分でも思う。

 そんな身勝手さを承知で言わせて貰うと、ぼくが選挙ポスター以上に子供に見せたくないのはその選挙で選ばれた人たちの独善と欺瞞だ。彼らは気づいているだろうか。猥褻な選挙ポスターを掲示することと同じくらい恥ずかしくて子供に見せたくない行為を自分たちが当たり前のようにやっていることに。

 若者は時代を映す鏡だ。子供は大人の真似をする。子供が赤信号を渡ろうとするのは大人が赤信号を渡るのを見ているからだ。こうして政治腐敗という負の連鎖はいつまでも続いていく。その結果はぼくらの生活に直接的に帰ってくる。

 そういう連鎖を断ち切ってくれる人がひとりでも多く選ばれて欲しいと思う。

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