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音の無い柔らかな空間の中で時を刻みながら・・・

生徒さんが作品に取りかかる前に何を描くのかを
話し合う時間を設けています。
・こんなに素敵な風景を、こんなにかわいいペットを絵にしたい。
・こんなに哀しかった思いを、絵に残しておきたい。
・こんなに嬉しい事を、みんなに伝える為に絵にしたい。
それぞれの想いや感動や想像があって、モチーフは決まって来ます。
そんな想いのこもった生徒さんの作品を、
ご紹介していきたいと思います。           若林 薫



北の地で   F4(33.3×24.2)㎝   アクリル画  YSさん



アメリカ北部の農家の納屋を描いた作品です。
広い敷地に大きな建物が建っています。
酪農家の牛小屋の様にも見えます。
手前の広い土地は牧草や放牧の為の
土地なのかもしれません。
 
この作品の特徴は
アクリル画で描かれているにも関わらず
日本画を思わせる表現になっている事です。
 
アクリル絵の具は通常キャンバスや画用紙に描かれて
いるのが一般的ですが
この作品は日本画で使用する
麻紙ボードに描いています。

ゆるく溶いたアクリル絵の具を
黒・紺・緑・黄土・白の順に
塗っては自然乾燥させ
次々とこの作業を繰り返して背景創りをします。

程良い色味が出た所でこの作業を止め
描画彩色に移ります。
彩色もゆるく溶いたアクリル絵の具を
静かに画面に置くような気持で描きます。
 
音の無い柔らかな空間の中で時を刻みながら
ゆっくりと描いていく作品は
とても優雅で奥深い感じがします。
色調も落ち着いた色合いです。

背景の紅葉がアクセントになっていて
大変良い効果を生んでいると思います。
   
                 絵画講師 若林薫 評







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