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旗揚げ公演CHOICE のお話(作曲編)

前回の記事から丁度1週間空いてしまいました。
年末に向けてテレビの仕事がとても忙しい…。
3つの番組をかけ持っていて、気が休まりません…
コロナ第三波が来ているのにこんなに働いていていいのか…
(ちなみに明日はロケにいきます)
さて、前回はCHOICEのあらすじが出来た所までお話しましたので
今回は曲について書いていきたいと思います!

1日で出来た”Run Through The SEASONS”のデモ

旗揚げ公演の内容がCHOICEに決まった後、
劇団員3人でプロットを仕上げていきました。
3人の中ではある程度役割が決まっており、
①企画・プロデュース②脚本③作曲という分担で、僕は3を担当。
脚本のプロットが上がってくる毎に、感じた事を伝えていました。
そして、プロットがある程度固まってきたとき、ある曲の歌詞が上がってきました。その曲こそが、”Run Through The SEASONS”。

脚本には、「この曲がCHOICEのイメージソングになる」と言われました。
登場人物3人のうちの1人が、1年を通して己の限界と闘っていく曲。
「マラソン」「スポーツ」「かけぬける」…そんなイメージをもって、
ひとまずキーボードの前に座り、歌詞を口ずさんでみました。
「今をかける 春をかける…」
最初に口ずさんだメロディが、そのまま今残っているAメロです。
そこから1~2時間くらいだったでしょうか。
1サビ終わりまでデモが出来上がっていました。
最後まで思いっきり作って、劇団員にあてて「ちがう」と言われるのが
一番怖かったので、1サビまでのデモをひとまず形にし、
「こういう事かな?」と恐る恐る当ててみました。
すると、2人からは「これ!!!」という反応。
あの時のうれしさは忘れられませんね…。
一番身近な人に自分を認められる事があんなにうれしいものなんですね。
あぁ、CHOICEはこの方向で曲を作ればいいんだ、
これならやっていける!と自信がもてた瞬間でした。
この曲は、同じメロディが繰り返される中で、オケのアレンジで
四季を表現
しています。ぜひ注目して聴いてみてくださいね!

CHOICEの曲の作り方

とはいえ、”Run Through The SEASONS”のように
全ての曲が1日でできてしまう、ということではありません。
(Run Through~に関しても、サビは後日変わりました
1日でなんとなく出来た曲もあれば、数日、数週間、1か月以上揉んだ曲も
ありました。

1番最後に出来た曲はM1CHOICEだったかな…これは試行錯誤しました。

タイトル曲なのに最後にできたんかい!というご指摘もあるかと思います。
いや、勿論取り掛かってはいたんですよ!
でも、結果として14曲あった全曲を効率的に作ろうと思うと、
アイディアが出てくるものから先に取り掛かっちゃったほうが良いと思ったんです。1曲1曲アレンジ変えようとしてたのでそれで首がしまっていたのもありましたが…。
さて、どうやってCHOICEの曲を作っていたのか。具体的には、
①歌詞制作
②3人で曲のイメージを共有(議論)
③デモを作る
④3人でデモを聴いて意見交換(議論)
⑤本格的に制作

という流れを、1つ1つの曲に対して行っていました。
脚本やプロデューサーとイメージを合わせるのも凄く大変です。
②のイメージの共有がとても難しく、これは既存の曲を使って
「こういうジャンルなんじゃない?」「こういうアレンジはどう?」という議論をしていました。
過去の偉大なアーティストの方々、大変お世話になりました!
勿論作曲家に口を一切出さないという約束の仕方もあるとは思いますが、
僕たちはあくまで”共作”していくスタイルだったので、1曲1曲デモを確認しながら作っていきました
僕の中でも、「あの作品のあの曲のあの部分の感じにしてみたらどうか…」
という作り方を部分的にしたところもたくさんあるので、
何回も聴いて下さったり、僕と好きなアーティストが重なる方は
「もしかして…?」と思った部分もあるかもしれません!
きっとその通りです!よかったら確認してくださいね!
(ちなみに編曲以降の作業もたっ~ぷりあります。
  これについては、また後日。)

聴いてほしい”リプライズ”

「リプライズ」ってご存じですか?
僕はミュージカルを本格的に始めた大学時代まで全く知りませんでした。
そもそも高校までは、そこそこ見に行くくらいでミュージカルヲタクとかでは全くなかったので…。
直訳すると、繰り返し。ミュージカルでは、同じメロディを使った曲が
もう一度登場することがあり、その2曲目がリプライズ
と呼ばれます。
このリプライズはミュージカルの音楽的な醍醐味なんです!
ただ繰り返すだけではなく、良いリプライズには、そこに「意味」がつきます。
例えば、めちゃくちゃ簡単で雑な例になりますが、
世界で最も有名なミュージカルのうちの一つ、「Rent」では
「I'll Cover You」「I'll Cover You (Reprise)」という曲があります。

最初の曲では、あるカップルが結ばれ、とてもハッピーな雰囲気に。
ですが、演目後半のリプライズはそのカップルの一人が亡くなったお葬式で、残された一人が愛を歌い上げる曲になっています。
(Rentファンの人ごめんなさい、こんな単純な説明を…)
曲のアレンジもそれぞれ違い、「あの曲がこんな形で繰り返されるのか!」
というザ、感動ポイントです。これだけで白飯が3杯食えます。
そして、僕たちが作ったCHOICEにも、2曲!リプライズがあります。
そして、リプライズの曲のほかにも、色々なところで、ほかの曲のフレーズが聴こえてきます。
(実は歌だけでなく、劇伴の部分でも…)
アレンジ、歌詞、物語上の役割、全てが詰まっていますので、
ぜひCDをお持ちの方はそちら、聴いてみてください!

まとめ

これまでで一番熱い内容かつ、抽象的な感じになってしまいました。
くそう…本当だったらLogicの画面とか開いてもいいんですが…
そこまで詳しいことはまた後日ですね。
なんだか雑になってしまいましたが、Rentの話とか少しでも出てきちゃうと
語りたい欲がドカンと出てきちゃいますね。
そういう細かい所も見られるようになると、ミュージカルの奥深さというか、作品性みたいな所が理解できるようになるのかもしれないですね…
映画とかも、あのカットが!みたいな会話、したいですもんね。
僕としては、「なんとなくい~ね!」が一番の正義ではあると思うんですが。そう感じられる作品にはよく見るとこだわりがあるっていう事ですね。
ではまた!

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