京都市民のご飯事情は何故かくも不可解であることか(詠嘆)・2〜全力の抗議を込めて〜
前回の記事はこちらです。
前回は前回で「えーっ」と思いはしたけれど、自分として最もひっかかったのは「モクモクは三重の店、そしてとっても素晴らしい店!」というところでした。
納得いってない部分もありつつも、「まあそれはそれで」て感じ。
ところが書いた翌日、ふっと、「そういえば同じ方の別の記事とかあるのかしら」と思い見てみましたら、「これは看過できない……!」というものすごい記述を発見。
それが冒頭に挙げた『「パン消費量日本一」京都人の意外すぎる食事情』の記事です。
飛び抜けて問題なのが、2ページ目の前半。
えっ。
いや。
いやいや?
そんな筈は。
先生は大学教授時代、中京区にお住まいだったそうであります。パン屋激戦区の京都でもなかなかにシビアな地帯。
そこに。
天然酵母パンが無い?
そんなバカな。
しかも1ページ目のラストにおいて、先生いわく、カタカナ店名のパン屋が多いことについて、
とのこと。
店内に入ってない。
じゃなんで「天然酵母のパンが売られてない」て判るの? 匂い??
と思ったら。
…………。
「看板をあまり目にしたことがない」「店主が講習会を開いてない」から、「京都で天然酵母のパンを売っている店を見ることはまずない」の?
えっ、もう、凄い。言葉も無い。
と言うか、東京のパン屋さんって、そんなに店の外にぐいぐいと「天然酵母使ってます!」「天然酵母パンの講習会をやってます!」的な看板とかのぼりとかポスターを置かれまくっているんですか?
東京、勿論何回も遊びに行きましたが、美味しいパン屋さんにも行きましたが、そこには全く気がつきませんでした。
だが先生は容赦なく、更に言葉を重ねてこられます。
……いや、もう、ほんとにちょっと待って!????
わたしはここで、記事の日付を確認してしまいました。もしかしたら20年前くらいの記事なのかなと思って。
違いました。2020/6/6の記事でした。
あの、今時、京都のどこのパン屋さん、進々堂的なチェーンでも個人店でも、雑穀・全粒粉・ライ麦のパンを置いていない店を見つける方が遥かに難しいです。到底思いつけません。
どんな小さな店でも、最低でも全粒粉はありますよ。
そしてここから先生、とどめを刺しにきます。
……あの、これ、真顔で言いますけども、京都のパン屋さん協会(なんてものがあるのかは知らないが)は全力で抗議をした方がいいと思います。さすがにこれは、酷すぎる言説です。
全粒粉、雑穀入り、ライ麦のパンを殆ど見かけない、食べる人の健康に比重を置かず単純に美味しさしか求めてない、手がかかる仕事はしない。
あんまりです。
京都のパン屋さんすべてを貶め過ぎてます。
百歩譲って、これが先生個人のブログとかならまだいいです。
東洋経済オンラインのみのweb記事でも、まだ何とか。
でもこれ、
なのです。
つまり、この内容が本として出版されて、「元有名編集長かつ元京都の有名芸大教授が書いた京都本」として日本中の本屋に置かれている訳です。
いくら何でもひどい。
著者の方の認識もともかくも、これを通してしまう出版社、イースト・プレスの編集や校正の方がひどい。
磯田道史先生、好きでしたけど、嫌いになってしまいそうです。
もう本当に、「どなたかnoteの中に京都のパン屋さんはいらっしゃいませんか?」と尋ねたい。そしてどうにか京都のパン屋さん御一同でこの本に、このweb記事に正式に抗議を入れていただきたいです。
京都のパン屋、美味しいです。
美味しくて健康に留意しているお店も、柔らかくて甘いだけでないパンを置いたお店も溢れる程あります。
どうか皆様、京都のパン屋さんを誤解なさらないでくださいませ。
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