見出し画像

イヤホンについて-1

僕にとって、イヤホンはとても大事なものだ。
電車や飛行機での長距離移動時や、音楽をより深く、詳しく聴く必要がある時など、やはりイヤホンはあった方がいい。

先日、1年前にドイツで買ったイヤホンが断線してしまった。僕はこのイヤホンをめちゃくちゃに気に入っていた。
RHA社の MA750i というやつだ。
デザインも良いし、何より音が良かった。心地良いと思う音量から少しだけ大きくすると、全てが鮮明に聴こえる気がする。

ハノーファーの音楽大学の受験の前日に、練習に疲れ、気分転換のための散歩でアップルショップに立ち寄り、このイヤホンと出会った。
確かちょうど100ユーロくらいの価格で、デザインが好きなものが2つあり、聴き比べたかったので、とてもスマートで格好いい黒人の店員さんに、全くスマートでないドイツ語で視聴させてくれと頼んだ。
買わなかったもう一方のイヤホンの型番は覚えていないが、アップルショップでよく見るやつだ。
同じくらいの価格帯でも聴こえてくる音は全く違う。MA750i はとても良かったので、旅先で気が大きくなっていた僕は即決で買った。そんなことをしていたからか、その時の受験は箸にも棒にも掛からず落ちてしまった。

そんな、思い出深いイヤホンが断線してしまい、困り果てたので、直ぐに日本の輸入代理店に連絡をとり、修理をお願いした。
しかし、アップルストアで買ったものは別の会社に問い合わせろと言われたり、その別の会社では海外で買ったものは受け付けられないと言われたり、たらい回しにあい、挙げ句の果てには問い合わせても返答が返ってこなくなってしまった。
仕方ないので、家電量販店に修理をお願いしようとしたが、3軒まわってようやく得られた情報は「海外で買ったものは日本では修理すら出来ない」ということ。

それならば仕方ない。諦めてドイツに戻ってから修理に出そう。
しかし問題は、日本に滞在している間にイヤホンが無いことだ。大変情けないことに、テクノロジーと音楽に支配された僕は、イヤホンがないと生活にも仕事にも支障をきたしてしまう。

前述のように、僕は MA750i をとても気に入っているし、僕の耳はそのクオリティに慣れている。
Apple純正のイヤホンも持っているが、耳にもジャストフィットしないわ、音には満足いかないわで、イヤホンで音楽を聴くことがむしろストレスに感じてしまう。本末転倒だ。

だから、新しいイヤホンを買うことにした。
その為に立ち寄った家電量販店には価格もデザインも様々なイヤホンが、本当に沢山並んでいる。
このことを鑑みると、前のイヤホンを買った時は、二つの候補から選ぶという、かなりリスクの高い選び方をしていたんだということに気付く。

そこには、視聴できるイヤホンだけでも何十種類もあった。
いくつか視聴して見ると、イヤホンの音質の好みに合うものと合わないものが歴然と違うことがわかった。そして、イヤホンの音質の好みとは、価格に関係なく、高いからといって(自分にとって)良いものではないものがほとんどであることを知った。

続きます

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?