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インド一人旅#6(絶望の淵)

ここまでの流れを整理してみる。
思い出しただけで、ゾッとする。

私はインドでも有名な詐欺師について、インドの田舎町に来た。
そこで、その人の家に泊まらせていただき、家族や町の人と交流をして数日間過ごしていた。
しかしながら、折角インドに来たので他の地域も訪れて観光をしたい。
この町を出してくれと頼むと、大きな都市ガヤから他の都市に行く汽車のチケットを手配してくれた。
また、ヤギを買って料理を振る舞ってくれ、私の家族へのお土産の手配もしてくれることになった。

ここでかかるお金は、
・電車代
・ヤギ代
・お土産代
・最寄りのガヤ駅までのドライバー代 である。

私はお金をほとんど持ち合わせていなかった。
手持ちにあるお金と非常時の為に隠し持っていた日本円全てを出して払える金額だった。
あとはクレジットカードを2枚持っていた。

インドに来てからクレジットカードでお金を下ろすことが出来なかった。
ここで、全てのお金を払ってしまうとインドで生活することは困難である。

私は絶望に陥った。

圧倒的絶望だ。

インド人にお金が払えないことを伝えた。
それは困ると言われた。

クレジットカードが引き出せないのか?と聞いてきた。
この時本当に引き出せないのか分からなかった為、分からないと答えた。
そうすると、クレジットカードを渡してパスワードを教えてくれと言ってきた。
この町にはATMがない為、遠くの町に確認に行くらしい。

絶対にクレジットカードなど渡してはいけない。
私はそれを分かっていた。しかし渡すしかなかった。
クレジットカードが本当に使えなければ日本にも帰れなくなるかもしれない。

インド人はバイクに乗ってクレジットカードでキャッシング出来るか確認しに行ってくれた。
結果、下ろすことは出来なかった。

その日の夜に、クレジットカード会社に連絡を取ってみるとキャッシングの設定を元々していなかったことが判明した。

自分のミスだ。

絶望だ。
もう日本に帰れないかもしれない。
お金もどうやって払おう。

早く日本に帰りたい。


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