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自治体により多少の前後があるものの、毎年1月中旬〜下旬にかけては、保育園の内定通知が送られてくる季節。 毎日ポストに通って、いざ、通知の茶封筒が届いた日にはドキドキハラハラしながら夫とせーのっで開いた。この紙に書いてあることで、私の人生は変わってしまう。夫には言わなかったけれど、私には大学の合格発表並みの緊張感が走っていた。 母になり、生後5ヶ月の子どもを育てながら今年2020年4月からの社会復帰を目指す立場になってやっと具体的に想像できるようになった。 4年前、あの悲
時代は平成から令和になった。 2019年は終わり、オリンピックイヤーである記念すべき2020年が幕を開けてからもう11日が過ぎ去ろうとしている。 2年前の私は、一人でヨーロッパを旅した後、トルコの空港でずっと憧れていた本場のトルコアイスを食べながら深夜便を待っていた。 1年前の私は、仕事帰りのプチ贅沢と思って入ったスタバで期間限定のフラペチーノを頼んだものの、悪阻の波に襲われて、人生で初めて大好きなそれを完食することも出来ず、ただ大きめのソファにぐったりと寄りか
「今夜、自分をとことん甘やかすなら何をしますか?」 と質ねた時に、 「何をしてもいいのなら、そうだな、僕は数学をやりたいです。あの数式を解き進めたい。」 と彼は言った。 私は、職業として、算数を教えている立場にいながら、実は物心がついた時から算数が大の苦手。 「1+1=2」 小学1年生で習うこの数式を、私は今でも疑っている。 疑っている、というのか、思考している、というのか、ある種の哲学なのか、まだ多くの謎に包まれていて、あの時私の頭の中をザアアアッと覆った霧が