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具材を変えたら別物、玉ねぎのフリッタータ

シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。

いつも作っているものだけど、具を変えるだけで別物になってしまう、そんな一品です。 フリッタータというのはイタリア風オムレツのことで、スペイン風オムレツともよく似ています。 スペインで食べた時に、「イタリアのとは別物だ」と感じたのですが、まぁ似たような物。 我が家で一番よく作るのはジャガイモ入りのフリッタータ。 その次がズッキーニやカラフルパプリカなどの冷蔵庫に入っている野菜を適当にミックスした物。 この2種類以外はほとんど作りませんでした。

と言うのも、私にとってフリッタータとは冷蔵庫にタンパク質が卵しかない時の主食になる物で、わざわざこれを作ることはないのです。 あー、卵しかない! という時。 だから具もある野菜で作るわけ。 

ところがナポリ在住20年のある女性から、新しいレシピをゲットしました。前に書いたことがあるのですが、4月の初めにフィレンツェ在住の仕事仲間が立ち上げたFB上のグループ、日々食べた物をひたすら投稿していくと言うグループが今も盛り上がっています。 仕事が始まった方、まだ(私のように)全くない人、色々ですが、メンバーは友達の友達までで既に200人を超えています。 その中の1人Hさんは毎日昼、夜と投稿を続けています。 先日彼女がアップしたのが「玉ねぎのフリッタータ」、物凄く美味しいということなので、真似してみました。

このグループの人達は皆んな惜しげなくレシピを交換するので、私も彼女に詳しく聞いてみました。

南イタリアのカラブリア地方の紫玉ねぎ、トロペアというのを使用しなくてはいけないというのがポイントだと。 良かった、シチリアでも手に入るし、夏は常備しています。 その玉ねぎをスライスして、アメ色になるまで結構じっくりと炒めてから溶き卵と混ぜ、普通にフライパンで焼けば良いということ。 早速作ってみました。

トロトロになるまで炒めた玉ねぎ、少し冷ましてから溶き卵と混ぜ、そこにチーズを加えたくなるのをじっと我慢して(Hさんが玉ねぎ以外は何も入れないと言っていたので)、フライパンに投入。 じっくりと焼いて、途中でお皿を使ってひっくり返し、裏面もよく焼きます。

オムレツだと中まで完全に火を通さない、トロッとしたのが好みですが、フリッタータはよく焼かなくてはいけません。 焦げそうだったので私は蓋をして焼きました。

出来上がり〜。

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切ってみると・・・

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こんな感じです。 卵にはしっかりと火が通っていても、玉ねぎがトロトロなので食感は柔らかい。 表現しにくい美味しさです。

卵4個分のフリッタータ、2人でペロリと平らげました。 玉ねぎの量は凄いですよ、多分1Kgくらい使っています。 相方にも好評で、これはリピ確定。 タンパク質が卵しかない時のお助けフリッタータでしたが、これはわざわざ作る価値あり! の美味しさでした。

書きながら思い出しましたが、冬場時々「わざわざ作るフリッタータ」に、クルミとパセリバージョンがありました。 でもこれはロシア料理、サワークリムと一緒に食べるもので、これも又美味しいです。

Hさんは絶対にトロペア玉ねぎでなくては美味しく出来ないと言っていましたが、普通の玉ねぎで作ったらどんなかしら? 夏が終わったら試してみよう。 と言うのも、このトロペア玉ねぎ、夏が終わると姿を消すのです。 とても甘い玉ねぎで、生食に適している為、夏のサラダには必ずと言っていい程使用しています。 うろ覚えですが、日本の紫玉ねぎは味がとんがっていたような・・・。 それとは全く違う種類。 大きさにもよりますが、小さければ2皮くらいむくと中心は真っ白。 イワシの酢漬けなどと一緒に食べても美味しい。

本当にこのグループのお陰でロックダウンを乗り切りました。 皆んなの美味しそうな食卓を見て、刺激して、真似して、私の料理を真似されて。 最近は南アからも投稿があり楽しいですが、彼女の作るのはほぼ和食。 南アではパレルモよりも日本食材が手に入るというのも驚く事実。 日本在住組はもちろん、海外組も徐々に外食も載せ始め、これ又楽しいです。

具を玉ねぎにしたら別物になった、目から鱗の美味しさフリッタータでした。


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