見出し画像

ふたたび「占いの出口は『こくご』」の話

2023年10月11日に連投したツイートに加筆したもの。

きのう(2023年10月12日)追加した記事「ブログのネタをハウスで決める」は2015年の講座「ブログ進水式」用に作ったネタ出しメモを再編集したもの。2015年、もう8年も前であることにちょっと遠い目をする当番。あの頃の当番、まだ血気盛んな火星年齢域だったね。今はのびのびざっくり木星年齢域。

8年前に作ったものに大幅加筆しながら「小中学校で習う、至って基本的な『文章の読解』と『作文の組み立てかた』ってまともに取り組めば本当に一生物の超助かり技術なんだよな」とつくづく思っている。当番が義務教育で教わった方法と2023年現在教えられている方法が同じなのかどうかはわからないけれど。

当番が言う「小中学校で習う至って基本的な文章の読解法」とは、物語文にせよ説明文にせよ「場面や段落で『意味のまとまり』ごとに分ける」「各まとまりを『この部分では何の話をしている』と要約する」「場面や段落同士の繋がり合いを把握する」「全体として『何の話だったか』をまとめる」という手順のもの。

そして当番の言う「小中学校で習う至って基本的な『作文の組み立てかた』」は「『何について書くか(主題)』を決める」「主題を書くために必要な項目を箇条書きにする」「箇条書きに肉付けをして数十~百文字程度の段落を作る」「段落の取捨選択を行う」「残った段落の並べ順を試して決める」「清書する」という手順のもの。

当番の義務教育時代は1981年4月から1989年3月の間。昭和最後の9年間に当たる。特に教育熱心な学校だったというわけではなく、北関東の片隅にあるちいさな町の町立小中学校の国語の授業で当番はこれらの文章読解と作文の手ほどきを受けた。当時の至って標準的な授業内容だったのではないかと思う。

2023年現在は基本的な文章読解と作文についてどのような教えかたをしているのか当番は知らぬが、当番が教わった方法は以上のようなものだった。たしか作文指導では箇条書きにした「段落のもとになるもの」に肉付けして段落を作るために短冊形のメモ用紙を数枚もらっていた記憶がある。藁半紙を切ったものだった。時代を感じる。

「文章全体を意味のまとまりごと(物語文なら場面ごと、説明文なら段落ごと)に分けて捉え、『この場面/段落はこういう話』と要約し、たまにはその要約に従って小見出しをつけながら読み進める」は「流し読みでわかったつもりになるのではなく『話についていく』ために情報を自分で整理する」方法。

場面の要約とか段落の要約とか、苦手な子はとことん苦手なやつね。当番は「しろと言われれば要約くらいできるが、全場面全段落やるのはかったるい。練習させなくたって私はわかっているのだから先を読ませてくれればいいのに」と思っていたこどもだった。

おとなになって長いこと経つ今ならわかる。「小中学校で読むような簡単な文章で何度も要約の課題が出た理由」は「要約しながら読んでいく技術がガチで必要になる、もっと込み入った文章」へ進む前に、ごく簡単な文章から練習させて、そういう読み解きかたに頭を慣れさせるためだったって。

そして実際、そういう読み解きかたを(かったるい、自分はわかっているんだから早く先を読ませてくれやと思いながらも)小中学校で散々やった経験はたしかに高校以降で出会う文章を読むのに役立ったし、義務教育を通り過ぎてから30年以上経った今でも役立っている。

要約。要点、話の要(かなめ)を約する(みじかくまとめる)こと。うんとひらたく、小学いちねんせいにもわかる言葉で「要約せよ」を言うとするならば「 いま、なんのおはなしをしていたか、あなたはわかりますか? いまよんだところが『なんのはなし』だったか、みじかくいいあらわしてください」だ。

いま、何の話をしていたか理解していますか? 話の展開について来られていますか? あなたが話を適切に読めているかどうか確かめたいので、話の要(かなめ)の部分、芯の部分をみじかく言い表してみせてください」が「要約せよ」。そして要約は文章だけでなく口頭でされる会話の理解にも必要な技術だ。

よく揶揄的に言われる「文字は読めるけれど文章は読めない人」「言葉を喋りはするけれど他人の話は聞けない人」というのは、書かれている/言われている言葉のまとまりを適切に切り分け、要約し、主題を掴むという技術を持っていない(その訓練をせず、読解の経験を積まずにきた)人のことだ。

そして「『他人の書いた文章』や『他人の言うこと』を自分で適切に要約しながら『話についていく』」という技術が身についていない人は「人に伝わりやすい文章を書く」とか「人に伝わりやすい話しかたをする」という技術の方も伸ばせない。自分勝手な読みかた聞きかたをする人は文章や話しかたも自分勝手だ。

おとなになってだいぶ時間が経ってから気付いたことだけど、当番が小中学校で習った「至って基本的な文章の読み解きかた(意味の塊ごとに分けて要約し、時には小見出しもつけながら『話についていく』)」は、同じく小中学校で習った「至って基本的な作文の書きかた(読者が『話についてこられる』ようにする)」のちょうど逆回しだったんだよね。

作文
この主題で書こう
この主題を書くのに必要な小項目は
小項目に肉付けして段落にしよう
段落同士の順序を決めよう
順序が決まったら清書しよう

逆回し

読解
ひととおり読もう
場面や段落で分けてみよう
各場面や段落を要約しよう
場面や段落同士の関係をみよう
全体としてどういう話だった?

文章の適切な読み解きかたが身についていれば、その逆回しで適切な文章を書くことも身につけられる。読む訓練と書く訓練は二人三脚の技術。読めるようになればなるほど書き物の技術は上がるし、より書けるようになればなるほど、より読めるようになる。

この辺りの話は「尻込みちゃんと3人の尻叩き妖精」シリーズにも少しだけ出している。第2夜で「受付用フォーム作成やカフェ鑑定へ挑戦する前に『先輩占い師たちはどうやっているのか』を観察して」とお膳立ての妖精に言わせたのも、第3夜で「先輩占い師たちがSNSやブログでどんな発信をしているかを見て『誰が何してどうする話』と要約してみろ」と発信の妖精に言わせたのも「文章読解と作文の二人三脚」の話。

「誰が何してどうする話なのか」を適切に読み取れ。そして読み取ったそれを骨として「自分が何してどうする話」を書くときに転用せよ。

義務教育時代から何十年も経った2023年現在の当番の作文(主にブログやアストロ同人誌の原稿)手順

主題を決める
主題のために必要な小題を挙げる
(ここまで脳内で済ませる)

小題に肉付けしてミニ段落に仕上げる
(スマホを使えるならツイートでやる。スマホを弄れない環境ならメモ付箋に書く)

ミニ段落(ツイートかメモ付箋)が一定量貯まったら原稿の編集画面へコピペする

ミニ段落の並び順をいくつか試す

並び順が決まったら誤字脱字チェックをし、全体の体裁を整えて保存/送信

紙と鉛筆と藁半紙を使わなくなっただけで、今も小学生みたいなやりかたで作文している。2Bの鉛筆がスマホに変わったくらいのもんである。基本はだいじ。ドーモコンニチハ、4ハウスに5天体持ちの当番です(4ハウス5天体の内訳は蠍座火星・射手座度数若い順に水星海王星太陽金星)※。基本的な国語力は一生物。

※解説。「4ハウス」はホロスコープの底。黄道と子午線の北の端が交わる場所・ICを起点としたハウス。「土台・基礎・根っこ」を表すハウス。当番はここに武器とガッツの火星、知的能力の水星、イマジネーションとイリュージョンの海王星、目的と誉れの太陽、快楽の金星を持っている。「『基礎・根っこという現場』に武器(火星)と、ブレーン(水星)と、想像と幻覚の翼(水星)と、目的意識(太陽)と、楽しみ(金星)がみっちみちに詰まっている」ということ。

もちろんこのツリーも後日並び順を調整してnoteへ移設する気満々の当番である。「占いの出口は『こくご』」だぜ定期。文豪ほどの名文が書けなくてもいい。でも、小中学校で習う基本の文章読解と作文のおさらいをしておくと、何かと吉だぜ……という話。

加筆前の元ツリー先頭を参考に貼っておこう。これが当番の「脳内での主題決定と小題箇条書きが終わり、ツイートでミニ段落をどんどん並べるところまで」の状態。このツリーを並べ替えたり手を加えたりして、この記事に作り替えている。140文字をほぼ目いっぱい使って19ツイート2500文字ちょい、加筆部分1000文字弱も含めて、これで約3500文字の記事。


お気が向いたらサポートをお願いします!サポートは当番の紅茶代となり、ひいては明日への活力となります