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こわかった宇宙が、こわくなくなったとき。宇宙は、すごいねと称賛してほしかったんだ。

子どものころから、星が好きで、星座の物語が好きだ。
真っ暗な夜空にきらめくもの、星も月も人工衛星も流星も、眺めることがずっとずっと大好きだ。

高校生の頃に、宇宙の誕生や、ビッグバン、ブラックホール、新星、赤色矮星などについて知ったときに、こわくてこわくてたまらなくなった。
宇宙が広がっているということは、その外側には「無」が広がっているということだと。
「無」とはなにか。
腰のあたりから力が抜けていくような、そういうこわさを感じていた。
星空を眺めるのは大好きなのに、とてもこわいと、そう思っていた。

私たちの体は進化の最先端にある

命がどこからやってきたのか、進化をずっと遡ってたどると、地球上の生物はすべて同じ起源に行き着くという。
いま生きている私の命を生んでくれた、お母さんのお母さんの、そのまたお母さんのお母さんの…とたどっていく。お父さんのお父さん、そのまたお父さんのお父さん…は、つがいとなるお母さんとはどうやって出会ったのか。途方もない。
そうして、たくさんの命の出会いがあって生まれた命がまた出会って、いま「進化の最先端」にいる私の体を驚きをもって眺める。


https://open.spotify.com/episode/3Sbeq0D9KWHxGbhkTQBju5

Dialogue Radio in the Dark.

J-waveのダイアログ・ラジオ・イン・ザ・ダークで、中野民夫さんが語る宇宙の話は、数字がたくさん登場し、いま現在科学的にわかっていることが博物館のように整然と並べられていく。
数字を聞いているだけで、ハッとすることがたくさんある。
さらに、季世恵さんの短いワークショップが、この番組の中にはある。
静かで、あたたかくて、声そのものがセラピーで。
ほんもののスピリチュアルがここにあって、スピリチュアルを極めていくと実は科学的な数字にまでたどり着いてしまうという清々しさだった。

このラジオの中で、「宇宙は、振り返ってほしかったんだ。だから、美しい、素晴らしいと人々が感嘆すると、宇宙が喜ぶのだ」という話をしている。大真面目に、東工大の教授が話す。なんという説得力。
ビッグバンとブラックホールが繰り返し、数え切れないほどの宇宙が存在する。
宇宙の外側がこわかった。けれども、宇宙は「きれいだ、うつくしい、すばらしい」と称賛すると喜ぶのだという話に、
そうか、私がずっと子どものころから、ぽかんと口を開けて「すごいなぁ」と圧倒されていた星空は、もうそれでよかったんだと、気づいた。

とりとめもなく、また星空に見とれていよう。


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