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甘え下手が得た、受け取りじょうずになる訓練の成果
以前書いたように、私はとても甘えるのが下手だ。
でも、新しいカニについて告白するということは、そんなことは言っていられない状況となるということだった。
応援してくれる人からの贈り物を受け取るのは、その思いを受け取るということだった。
友だちと飲み歩くのが大好きな私が、入院の前後には半分引きこもったような生活をせざるを得ないとわかって、飲み仲間は美味しいものの詰め合わせを送ってくれた。
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いつも美味しいレストランを開拓する仲間から。
引きこもってはいるけれど、食事制限が何もないとわかると、お酒を送ってくださった方も少なくなかった。
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必要不可欠なスキンケアにと、香りのよいクリームを送ってくださった女子の皆さん。髪がしっとりまとまる魔法のヘアブラシもいただいた。お花もいただいたし、治療がいったんすべて終わったところでご馳走してくださった方もあった。
ほんとうに、「苦手」とか言っていられない、シャワーのように受け取ることになった、この3カ月ほどだった。
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甘え下手だった私に言ってあげたいのは、ただ「ありがとう」と言えばいいんだよ、ということ
贈り物をいただいたあと、何かお返しをしなくては…と考え過ぎてしまうことが、甘え下手の原因のひとつだった。
でも、お返しを考えるのも実は楽しい。お返しは、すぐにできなくても、「ありがとう」と心から言えば、いい。その後、回復していくことが、応援への感謝を表す態度でもあった。
「なんでも言ってね、美味しいもの食べてね、果物とか送ろうか?」と言われたので、正直に「甘え下手で、かえって負担に感じてしまうの」と話してみた。
彼女はちゃんと理解してくれて、「OK!そういうのあるよね~。でもいつでも言ってくれていいよ」って言われたのが、とてもうれしかった。
私を成長させてくれたのは、「いつでも言ってくれていいよ」と言ってくれたことばだった。考えてみれば、彼女は応援のプロだった。看護師なのだ。今は看護師としての仕事はしていないけれど、病院のボランティア活動をしている人だ。
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友だちのことは応援したい、でもどうやって応援したらいいかわからないことがあるんだ
病気をしたり、家族が亡くなったりした人に、どうやって声をかけていいかわからないことは、私にもよくある。けれど、応援はほんとうにありがたいものだった。私の治癒力になった。
おいしい食べ物は実際にエネルギー源になり、スキンケアは放射線治療で焼けた肌を癒してくれる。でも、その具体的な作用よりも、送り主の思いを感じることが、私を癒していたのだと思った。
中には、どう声をかけていいかわからなかったと、会った時に言ってくれた人もあった(男性が多かった。この病気ならではなのかもしれない)。私の性格を知っている人は特にかもしれない…とも思った。
でも、何かしたいと思ってくれてたんだ。
応援することは、応援する人自身にも返っていくんだ、ということにも気づいた。
だったら応援してもらえばいい。受け取るんだ、思いを。その思いは、自分にも応援する人にも、還元されていくから。
なんと、こんなシンプルなことを、この歳になるまで気づかなかったよ。
感謝しか、ないな。
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