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愛される関西人の特徴

私は関西出身で今は長野に住んでいます。関西ではテレビをつければ必ず漫才師や芸人さんがいます。土曜日の昼は吉本新喜劇。情報番組は西川ヘレン・ハイヒール・トミーズの誰かは番組のメインです。上沼恵美子・やすよともこ・なるみのこともあります。このように私たち関西人は幼少期からお笑いに触れ、知らぬ間に「おもろいのが正義」と洗脳されています。もしかしたら関西に限らないことかもしれませんが、「おもろくてなんぼ」は関西特有だと思っています。
長野に住んで気づいたことは、私は意外と関西人だったということです。関西人とはどんな特徴があるのか。私なりの見解を書いてみました。


オチのない会話は恥ずかしい

テレビをつければ上沼恵美子がおり、ハイヒールりんごがいる世界です。家族で囲むテレビでは毎日芸人が笑いをとり、私たち視聴者を楽しませてくれます。はじめは何を言っているのか分からなくとも、親が笑っていると「すごい人なんやなぁ」ということは子供だって分かります。そして物心がついた頃に気づきます。「この人むっちゃおもろいやん」こうしてお笑いへのリスペクトが始まります。

小学生になると話上手の子が人気になることもあります。目立つ子は漫才をするし、目立たない子でも中学生になる頃には好きな芸人ができています。好きな芸人とは、自分の好きなお笑いの技術がある芸人のことです。そして自分の好きな笑いが分かれば、あとは実践するのみです。
実践すると言っても初めは笑ってもらえません。「この話どうやったら笑ってもらえるんやろう」と試行錯誤しながら、自分なりの笑いを研究します。家族や友達に笑ってもらうため、言い方や順序など変えスタイルを確立させるのです。

関西人はオチがない話を恥ずかしい(もしくは、話す価値がない)と思っている節があります。だから無理矢理でも話のオチを探します。
ちなみに、「この話おもんないんやけど、」で始まる会話でオチがない時は「オチないんや」と驚かれることもあります。「おもんないんやけど…」の枕詞は「この話あなたは好きか分からないんだけど」という意味です。

ボケ・ツッコミを学ぶ

家族や友人を笑わせることができたら、あとは勝率を上げるのみです。誰に・いつ・どこで・状況は・内容、などを分析し、自分の笑いが通用する条件を知っていきます。相手や状況によって話すスピードや、ツッコむ角度、ボケの言葉を変えてみるのです。そして自分にはできないボケやツッコミがあることも知ります。「まっちゃんみたいなボケ無理やわ」みたいなやつです。

自分の特性を知ったら、自分のボケとツッコミの割合を分かっていると楽です。「ボケやけど、ツッコミがおらん時はこんなふうにしよう」という感じです。このようにあらかじめ自分の能力が分かれば、相手の話をどこがおもしろポイントなのか耳をすませて聞くことができます。
たいてい一グループに一人はゲラがいます。何を言っても笑ってくれるお笑いが大好きな人です。その人を笑かすことに全集中させ、一緒に自分も笑えばあとはこっちのものです。

ここまでは無意識なことが多いので、心当たりのない関西人もいらっしゃるかと思います。私も長野に来るまでは知りませんでしたが、私たちはこんなにも真面目にお笑いと向き合っているのです。これは言語化させて初めて気づく関西人の心なのです。

笑いは世界平和

中学、高校、大学と世界が広がるにつれ、今まで身近にいなかった笑いを知ることがあります。会話が始まり、いよいよここでボケますよ!の時に、今まで見たことのない角度でボケてくる人を己の眼で見るのです。そんな「参りました」と言いたくなるぐらいな人と出会ってしまいます。そして自分の笑いの狭さを痛感します。
年代が変われば見てきたお笑いも違うので刺激になります。また関西だけではなく東京や別の地域、コントや一発芸など別ジャンルのお笑いの世界も広がります。

これだけ世界は広いのですから、たいしたことのない世間話でも、小さな笑いがあれば会話はうまくいくことを知ります。上沼恵美子にはなれませんが、たまにおもろいこと言う人にはなれます。大爆笑は無理でも十人中二、三人が笑ってくれれば私たち素人は合格なのです。

笑いのツボが合えばもう友達

言葉にすると、何だかすごい技術を磨いているような気がしますが、実際は目の前の人に笑ってもらいたいというシンプルな気持ちです。その気持ちが伝わったら笑ってくれるというだけの話です。

先日、東京に行った際に同郷の人と話す機会がありました。その人はいかにも東京の人!という感じですらっとしたおしゃれな女性でした。でも会話の節々で関西弁のイントネーションがあり、恐る恐る「関西出身ですか?」と聞いてみたのです。そこで同郷と知り会話は盛り上がりました。するとそのおしゃれな女性が「学校の隣が動物園で臭くなる時あったんよ」とこちらが聞いてもいない学校の話をしてきました。あぁ、この方は根っからの関西人だ…。そう気づいた時には、初対面の彼女を好きになっていました。

ここで言わせていただきたいのは、関西人が自分の話をする時は、自分のフィールドになるので「安心できるネタ」を放り込むことがあります。それはもしかしたら聞いたことがあるかもしれないし、毎回同じことを言っている可能性もあります。でもそれは、目の前の人を楽しませたい一心なのです。

人によって会話のスタンスは違うので会話に挑む姿勢も異なります。もちろん、関西人が全員おもろいという訳でもないし、全員がこのように考えている訳でもありません。
でも一部にはこんな人もいると思うと可愛くないですか?私はもはや愛おしささえあります。笑い合えたら喧嘩はなくなる。おもろければ何でもok。これからも関西魂を大切にしていこうと思いました。

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