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昔の自分を思い出して勝手に悲しくなったけど、結局祈ることしか出来ない

まさに今日、育児休業から復帰して頑張っていた彼女が退職することを知った。時短勤務にしていたけど、仕事量はあまり減っていないように見えたので、大変だったのかな?と思っていたら、そうではなく「実家に帰ります」と言うではないか!
彼女の実家は車で片道3時間程かかる場所にある。実家に帰るからには退職するしかない。それはそうなんだけど・・・

結婚のために転職してきた彼女

彼女は結婚のためにこの片田舎に引越して来て、私の勤める会社に入社した。彼女が入社する時に上司達がしていた会話の内容を私は覚えている。
「この子新婚さんだから、パートで良いならOK出そうと思ってるんだよね」
「あー、子ども出来たら辞めるかもしれないし、そうだよね」
とてもあっさりと、彼女の「正社員で働きたい」という希望は却下されていた。大学卒業から結婚までずっと正社員で働いてきたとか、同じ分野の経験があるとか、全然考慮されていなかった。
ずるい話かもしれないが、結婚してから転職活動をするよりも、結婚前に(結婚する予定は黙って)転職活動をした方が正社員で働ける確率は高い。少なくとも私の住む片田舎ではそうだ。

パート・・・じゃないよね?

数週間後、彼女は「フルタイムパート」として入社してきた。正社員と同じ8時間労働、残業も有る。
・・・何が「パート」なの?「パート」って「パートタイム」の事じゃなかったっけ?長年の私の疑問はここでも噴出。
それはともかく、彼女は「パート」だから賞与は出ないし昇給も無い。でもフルタイム勤務だから社会保険料は支払う。手元に残るお給料は少なかったと思う。
それでも「正社員で働けるところが無かったので」「時給1,000円は良い方だったので」と言って、数年働いて妊娠→産休→育休→時短勤務で復帰をして、また頑張って働いていた。「パートでも育休取らせてもらえて有難いです」と言う謙虚な彼女だった。

悔しいけど、祈ることしか出来ない

そんな彼女の子どもは3歳未満。その子を連れて実家に帰り、彼女はまた転職活動をしなくてはならない。きっと大変だと思う。
ここも片田舎だけど、彼女の実家も片田舎。
「女性が正社員の仕事に就く」だけでも大変なのに、「3歳未満児がいるシングルマザーが正社員の仕事に就く」のは更に難易度が上がるだろう。
すぐには仕事が決まらないかもしれない。
そんな時に頼りにする失業手当も、時短勤務で働いていたお給料を元に計算されるからとっても少ないだろう。

こういう話をすると「自業自得」とか「自分で決めたこと」と言われる向きもあるけど、結婚生活がうまくいくかどうかは自分ひとりで決まることではない。相手がいることだ。
それなのに経済的な不利益を被るのは圧倒的に女性だ。女性と、引き取られた子ども。子どもは「自業自得」と言われるようなことをしたのだろうか。

「母子家庭は貧しい」のが半ば当たり前になっているけど、私はそれを変えたい。でも変えられなくて悔しい。せめて、彼女と彼女の子どもが元気に生活できるように祈ろう。そして私と娘も元気に生きようと思う。


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