見出し画像

画家・足立典正さんの色。

クリスマスケーキの仕込みとその段取りに意識を巡らせながらも、ふとSNSに目を流していたときに、その記事が目に止まった。

浜松市在住の画家・足立典正さんが永眠されていたことを知らせる内容だった。
慌ただしかったその気持ちの中で、時間が止まった。

典正さんはコーヒーが好きなこともあり、以前はウチのお店にも度々顔を出してくれており、お付き合いもあったのだが、なにかあったという訳ではなかったが、なんて言ったらよいのか、お互いのボタンの掛け違いと言うのか、もう何年も前から交流が途絶えてしまっていた。

普段はあまりSNSをチェックする性格ではないので、偶然訃報を知らせる内容を目にしたことは典正さんが最後のお別れを気づかせてくれたのだと思い、葬儀は既に終わっていたのですが、アトリエにてお別れ会を24~26日の期間で開催する告知の内容でもあったので、悔いの残らないようにお別れをするために出向いたのでした。

そして昨日、そのお別れ会に出向いてきました。
アトリエに用意された祭壇の周りには、典正さんの絵が飾られておりました。
久しぶりに見る典正さんの絵からは、「希望」が光の色となって届けられていました。

残された奥さんと会い、ご無沙汰してしまっていたことの悔いを述べ、飾られていた典正さんの絵とその足跡のお話を伺った。
飾られていた絵からは「希望」の光を感じられるのに、本人には影の部分があり、暗い絵を描くことが多かったのだと聞いた。
でも、だからこそ「希望」を描くことができ、そしてそこに「ぬくもり」を感じさせることができたのであろうとボクは思った。
そして画家であった典正さんは絵を描くことで救われていたのだとも思った。
だから画家だったのだと。


膵臓ガンが見つかってからは、ひと月と1週間で旅立たれてしまったそうです。
人はいつも後になってから気づく。
もっと話しを聞いていればよかったと居なくなってから後悔をしてしまう。

しかし画家は絵にすべてを残している。
体は無くなってしまったが、魂は絵に残されている。
寂しいことだが、すべてが無くなってしまったわけではない。
亡くなるまでの時間の中で、本人は良い人生だったと語ったそうだ。

ボクもあとどれくらいの時間が残されているのか、それはわからないけれど、良い人生だったと言えるように、悔いの残らない人生にしたいと思ったのだ。


そして残された奥さまは、これから典正さんが画家として生きた人生を伝えていくために、今後活動をしていくのだと語ってくれました。
なのでボクも典正さんの人生と少しでも接点があったので、それを少しでも多くの人に届けられたらと思い、残された絵の画像と共に絵から伝わる人柄とその想いを紹介したいと思ったのです。
店内にも2枚の絵が残されています。
1枚はトイレに、もう一枚はカウンター横に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?