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彼が私のヒーローになった日

「彼」というのは彼氏のことではなく、男性3人称(he)のことです。
具体的に言うと、私の好きな芸能人、大泉洋さんのことです。

私には高校時代、好きな男子がいました。
卒業後、大学に入学するまでの春休みの期間に呼び出して思い切って告白したのですが、残念ながら振られてしまいます。

傷心のまま迎えた大学生活。
課題に追われる内にあっという間に1年が経ち、私は彼氏ができないまま2年生になりました。

マッチングアプリや恋活パーティーに挑戦してみたけど彼氏はできず。
諦めたつもりでしたが心のどこかで高校時代の彼が忘れられない日々でした。

「せめてあと1回だけチャンスが欲しい、それでダメなら今度こそ諦めよう」

そう思って様子を伺っていた時、ある映画が公開されます。

それが、大泉洋さん主演のアイアムアヒーローです。
原作のマンガを面白いと思っていて映画も観に行こうと思い、せっかくだし誰かを誘うことにしました。
しかし血がドバドバ出るような作品なので、私の大人しい女友達は苦手かもしれません。

妹には興味ないから1人で行けと言われ、どうしようかと思った時に、高校時代好きだった彼を誘おうと閃いたのです。

勇気を出して久しぶりと連絡し、見たい映画があるけど1人だと観に行けない、女友達はグロい映画に誘いづらいと上手い口実を使い、首尾よくデートの約束を取り付けました。

なんとか爪痕を残したいと意気込んで迎えた当日。
映画が始まる1時間前に待ち合わせてウィンドウショッピングをしました。

雑貨屋を見ている時、ふと彼が「最近良い感じの女の子がいる」というようなことを口走りました。

その時の衝撃たるや。

この人にとって私とのお出かけはデートでもなんでもなく、告白されたけど別に意識もしておらず、それ故に良い感じになってる他の女の子の話を無邪気にできるのだと思い知らされました。

だけど、このデートがただただ片思い女の苦い思い出では終わりませんでした。

メインの目的である映画、アイアムアヒーローは、とても面白かったのです。

大泉洋さんが演じる主人公の英雄(ひでお)が、いい感じにかっこよくてカッコ悪くて、猟銃でZQN(ゾンビみたいな敵)を撃ちまくるクライマックスシーンは見入ってしまいました。

終わった後も、面白かったねと二人で盛り上がり和やかなムードでお別れできて、まさに終わり良ければ全て良し的な1日になったのです。

これで下手な恋愛映画を選んでいたらもっと気まずくなっていたと思います。
映画がつまらなかったら苦いだけの思い出になっていたと思います。

大泉洋さんが映画の中で全力で英雄を演じてくれたおかげで、私の片思いはちょっと切ないけど良い思い出として昇華され救われました。

あの日から、彼は私のヒーローです。
12月の主演映画も観に行きます。

https://movies.shochiku.co.jp/tsuki-michikake/

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