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掌編集「散ってこそ、花」

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耽美、汚泥、清らかなるもの
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微笑みの回廊(掌編・光)

微笑みの回廊(掌編・光)

 いい加減にもう目が駄目になると思った。十分に用意してきたつもりの水もすでに一本を飲み干し、わずか二口程度しかない。このうだるとしか言いようのない暑さのなかでは、いくら飲んでも潤いを感じられずすこしも救われた気がしない。口に含んだそばからそのまま肌の表面に噴出して無に帰するのがもどかしく、絶望的にさえなる。
 とにかくもう黄金はいい。目を休めたい。
 分厚く白い壁に穿たれた入り口をくぐると、とたん

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