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シアンブルー



前書いた日記を読み返したら、件の男友達を好きじゃないとか言いながら「……|д゚)チラッ」みたいな媚びる感じがにじみ出てて、純粋に気持ち悪くて泣いた。

黙示録は抜け、去年ほど病んで退屈な梅雨を過ごさなくてもよくなりそうでほっとしている。



①男

学校や職場で毎日顔を合わせる機会があって、徐々に距離を詰めて発展する恋愛ってまじでどこに行ったん?って感じの大学二年目なので、普段知り合ってどれくらいで人々が付き合うか見当がつかないんだけれど、件の男友達は間違っても付き合わなくて良かったなあと思っている。それこそお酒の勢いでやっちゃったなんてことも無く本当に良かった。

一年間はお互いの、知りたくない部分まで見せてしまう。たぶん無意識でやっている人をとことん利用してやろうという狡さ、家族と彼女以外の他人へ持つべき『友情』を全く理解しないところ、本当はすごく弱いのに強く見せようとして、勝手にどんどん病んでいくところ。人に物凄く影響されやすいところ。彼の生い立ちを聞くにこんな利己的に育ってしまったのは納得できるが、納得できてもそれは実際私の隣で息をして生きているわけで、非常に腹立たしい瞬間が一日に沢山あるのにももう慣れてしまったことが悲しい。


私は我慢の閾値が人よりも低く、嫌と思った瞬間人や物から急速に距離を取るが、引き摺る質なのでメンタルを出来るだけ守りたいし、こんな奴らに気持ちをかき乱されてたまるかという気持ちもある。だから今大学で友達がいないんだけれど、もういよいよこの男友達もだめかなー……って感じ。遠くにいると良いところだけキラキラして見えたものが、近くでみるとただのゴミだった、みたいな。これは流れ星の話だけど。


「どこまで言ったらいいのか?」「こんなことを言ってお節介だと思われないだろうか?」「そもそもこのもやもやは私の感情ラインが厳格すぎるからで、この人含めほかの人からすれば当たり前のことなんじゃないだろうか?」……と、悩み始めたら終わりなのだ。価値観が合わない証拠だから。


雲の間から太陽の光が差し込むくらいほんのたまにみせる優しさに騙されてはいけないのだ。それが男友達の本当の性格で、普段は寝不足と駄々っ子メンヘラ彼女に影響されてちょっと自分勝手になっている、くらいだったらどんなによかったか。彼の中には、誰も止められないプライドが隅々まで巣食っている。……すごいひどい事書くけれども、もし彼が自死したと聞いても私は驚かない。彼は自分と同じ境遇の人の話しか聞かないし、プライドを乗り越えて今の状況に満足する、という自分が楽になる方法を自ら拒んでいるから……どうしようもなかった、と考えると思う。悲しいことだけれど、変わってくれると信じて言葉をかけるのは時として傲慢なのだと最近思う。他人はそう簡単には変わらない。


全部うまい方向へ行って、無事進級できて、一年後何の気兼ねもなく笑いあえていたらいいなと祈るように思う。


②彼

男の人ってどうしてこんなに幼稚なのか、だから私は絶対年上!と思う気持ちは変わらないんだけどさすがに一個上ってどうなん、実質変わらないんじゃないかって少し不安。

つい最近男の人と食事をした。一つ上の大学生。同じ職場で働いてる人。

視線を上げて一番最初に入ってきた綺麗なブルー、彼の着ていたシャツの色。雑多な駅の、色んな色が混ざる中でそれはとても映えた。シアンブルー。いつもは薄いグリーンのシャツを着てる。感覚がいいなと思った。ドタキャンされるんじゃないかとか、待ち合わせにこなかったらどうしようとか、直前まで心臓がばくばく鳴っていた。午後六時。几帳面そうな人なのにほんの少し時間に遅れてきて、いい意味で裏切られた。


おかしいことにずっとげらげら笑っていたら終わった。会話が上手いほうではなく、私もおしゃべりだから聞かれてもないのに自分のことを喋る人みたいになってしまいちょっと苦しかったけど、でも独特だという噂通り好きなものやルーティーンの話を聞くのは面白かった。なにかのオタクだったりこだわりのある人でないと面白くないなあと最近よく思う。そこにその人となりを見るから、何が良くて何が嫌で、何に心動かされてるのかどんどん話してほしい。そういうものが生活の軸になっていてほしい。もちろん自分の彼氏にも。

ただ問題なのは、彼と付き合ったときのことが全然思い浮かばないのだ。一回会っただけでその気になるのは早過ぎるよと皆から言われたけれどむしろ私は今までそういうフィーリングで男の人を良いなと思ってきたので、このままいくとあと10回くらい合わないと“そういう”雰囲気にすらならないと思うが?? 奥手だと話には聞いていたが、誘うのはいつも自分でそれも面倒。自分で誘ってまで、待ち合わせ場所とか時間も聞きだして(複数回やりとりが発生する)そこまでして会いたい人か?あー考えだしたら終わりなこと。

でもわたしは今特にやることが無いので誘う。であちらも多分来てくれる。

薄い皮膚の二重、涼しげな目元。歩調を合わせてくれた。車道側を歩いてくれた。綺麗な、というより細くて華奢な手、華奢な体。今までかいだ中で一番いい香りだったスパイシー系の香水。ラーメン屋の脂ぎった部屋の中で彼のその香りは不釣り合いだった。仕切りの向かいから漂ってきて不思議だった。キューティクル死んでないつやつやな黒髪。……一回しかご飯食べてないのに変態っぽいからやめる。


どんな夏になるだろう

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