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愛を万年筆にして【感想文の日⑭】

こんばんは。折星かおりです。

第14回感想文の日、今回感想を書かせてくださったのは麻/asaさんです。

普段書かれているのは、主に娘さんとのやりとりを温かく切り取った記事。どの記事からも麻さんが抱いていらっしゃる愛情が溢れるように伝わってきて、時にほほ笑みながら、時にこみ上げる熱いものを押さえながら読ませていただきました。こちらの心までぽかぽかとしてくるような素敵な記事で、読んでいるあいだ、本当に幸せな気持ちになりました。改めて、ご応募いただきありがとうございます!

それでは、ご紹介いたします。

■娘が歌う「恋」のうた

大きな声でにこにこと、覚えたてのうちはたどたどしく、時にはつぶやきほどの大きさで聞こえてくる、麻さんの娘さんの歌声。ある日、ご主人がアレクサで流したことをきっかけに娘さんが歌い出したのは、まだ知るはずのない「恋」の歌だったそうです。

タイトルの「『恋』のうた」って何だろう。そう思いながら読み進めたのですが、それはそれは可愛い「『恋』のうた」でした。胸がきゅんとして、スキがいくつあっても足らないほど。麻さんが「ちぐはぐ」と言われる、3歳の娘さんと「恋」のギャップがまた、たまりません。

これからどんなことに、どんなひとに恋をするのだろうか。なんだか胸がそわそわする。

「恋」を知って、歌に込められた思いを知ったとき。「うた」が「歌」になるとき。その瞬間もきっと喜ばしいけれど、いつまでも宝箱に閉じ込めておきたいような「今だからこそ」の愛おしさがこちらまで伝わってきます。「今の気持ちを忘れないように書く」という麻さんの思いがぎゅっと詰まっているように感じました。

■祖母と手紙と一万円

娘さんが「りんりんばーちゃん」と呼ぶ麻さんのおばあさま。麻さんや娘さんと月に1、2回会うことを楽しみにされていたのですが、このご時世、直接会うことが難しくなってしまいます。まだ電話ではうまく話せない娘さんと、寂しがるおばあさま。ふたりの思いを尊重しながら出来ることは何だろう、と考えた麻さんは、毎週金曜日に手紙を書くことを決めて……。

読ませていただいたのが出先だったのですが、読み進めるうちにじわじわと目頭が熱くなってしまって焦りました。記事の冒頭で丁寧に描かれるおばあさまの普段の様子や可愛らしい娘さんの姿に、言いようのない柔らかな気持ちがこみあげます。

毎週金曜日、と決めたおばあさまへの手紙は毎日1枚ずつ撮影した麻さんと娘さんの写真入りなのですが、きっと手紙の封を開けたおばあさまは、娘さんの写真の中にぽつりと混ざる麻さんの写真もすごく嬉しかったのではないかな、と想像しました。だって、久しぶりに会えたおばあさまの言葉から、その喜びがこちらまで伝わってくるようなのです。

お手紙なんて、久しぶりにもらったよね。それが、孫とひ孫からなんて、もう、ねぇ…。

そんなおばあさまから、麻さんに用意された粋なお返しがまた素敵。行き交う愛情のおすそ分けをいただいたような温かな読後感を、いつまでも抱きしめていたい気持ちになりました。

■いつか見る打ち上げ花火へ

今年の夏、家族揃って行くはずだったはじめての花火大会。ニュースや絵本、保育園の先生から聞くお話で「打ち上げ花火」は知っているけれどまだ本物を見たことがない娘さんに、麻さんは「ほんとうの『夏』」を知って欲しいと思っているそうです。

私も今年は打ち上げ花火を見ることが出来なかったのですが、文中に並ぶ「ほんとうの『夏』」が緻密で、それでいて鮮やかで、打ち上げ花火やその明かり、火薬の匂いまでもが漂ってくるようでした。同じ景色を見たことはないはずなのに、汗ばむ浴衣も花火大会からの帰路の足音も、しっかりと脳裏に浮かびます。

そして、記事の中できらりと光っていたのがこちら。今年は花火を見ることが出来なかった、娘さんへの思いです。

空に広がる花火を見る横顔を、気づかれないよう盗み見たい。

私はまだ育児の経験がないけれど、たくさんの「はじめて」に出会ったときの顔を見られる幸せを想像しました。それから、もし私が娘さんの立場だったとしたら、自分のお母さんがこう思っていてくれただなんてすごく嬉しいな、とも思います。

来年は花火大会、見られるといいですね!またそのときの娘さんの様子を、ぜひ読みたいです。

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毎週土曜日の感想文の日、感想を書かせてくださる方を募集しています!(現在、10/3以降の回を受け付けています)

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