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親とイジメ

中学を卒業し、私は高校へ進学した。
女子にはあまり人気のない高校で(制服がダサかった)
同じ中学から女子は3人しか進学しなかった。
通学に一時間以上かかったが、それでも女子の少ない学校へ行きたかった。
私はIQこそ高かったものの、勉強の仕方というものを知らなかった。
例のバスケ部の顧問には、「お前はギリギリ受かる勉強しかしていない。もっとやれ。」と意味のわからないことを言われたが、更々言うことを聞く気はなかった。

高校はものすごく楽しかった。7クラスあったが、それだけ人数がいれば気の合う子もたくさんいた。
イジメや先輩後輩なんてものもなかった。友達に勉強の仕方を教えてもらい、それなりの成績で過ごし親のコネを最大限に生かして大手の会社に就職が決まった。
この頃もやっぱり家は貧乏で、進学なんてさせられない、むしろ家にお金を入れて欲しいと父に言われた。

私は入社後、経理課に配属された。
でも。
同期の女の子は4人いたが、私だけ小さなミスがものすごく多かった。それにため息をつく上司の態度にも気づいていなかった。
そして、ほぼ男性社員のその会社で自分でも訳が分からないぐらいモテてしまっていた。
既婚者から独身まで。もちろん、その事で同期にもお局にも無視され続けた。家では父にお給料のほとんどをむしり取られ、ボーナスは丸々家に入れていた。
「なんのためにこの会社にいるんだろう。」
相変わらず仕事はできない(と自分では思っていた)無視はされる。聞こえるように悪口を言われる。

思えば中学時代から、自分の性格の悪さから人に嫌われるのだと思っていた。同僚になにかした覚えはないが、嫌われるってことは自分自身に問題があるからだ、と思っていた。
どこにも吐き出せず、私はその頃から日記を付け始めていた。お局、上司、同僚の悪口を毎日毎日書いた。
ある日、母親に呼ばれ「あんた会社でなにしたの?」と聞かれた。

日記を見たんだ。

私は今までにないぐらい、発狂した。
取っ組み合いの喧嘩になるほど。
母は「子供のものを親が見て何が悪い!」と怒鳴った。
この家にプライバシーはないのだ。それどころか、我慢して働いても自由に使えるお金はない。
その時、入社して一年が経っていた。
その出来事から私は、少ないお金の中から貯金を始めた。
一人暮らしをするために。
イジメは相変わらず続いていて、ある日の夜中、私は救急車で運ばれた。

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