見出し画像

2人きりの教室が怖かったあの日

お久しぶりです。

誰でも一度は子どもの頃に、
私が親になったら絶対にこうする/こうはしない」と思った出来事があるんじゃないかと思います。
そんな思い出を書きます。


私は小学生の頃、英語教室に通っていました。
日本人の先生と一緒に、英語の歌を歌ったり、ゲームをします。
たまにサボったりしつつも、英語が好きになり、楽しく通っていました。

しかし、ある日、教室が閉まることになりました。
先生には私と同い歳の娘がいたので、我が子の勉強に専念するためだったのかな。

英語を続けたかった私は、駅前の「英会話塾forキッズ(仮名)」に見学に行きました。
体験ということで、4人クラスの授業に混ぜてもらうことになりました。

他の生徒に混ざり、緊張しながら待っていると、
背が高くて、かっこいい西洋人の男の先生が出てきました。
マイク先生(仮名)は、「Hi!!!今日初めての子がいるね???よろしく!!!!!!!」と、朗らかに声をかけてくれました。
先生の親しみやすい印象に加え、「ネイティブの先生に習える!」という期待もあり、絶対ここに通いたいと思いました。

帰宅後、「すごくよかった!!!前の教室とはレベルが違う!!」と、母に興奮しながら伝えると、「さすが高いだけあるね(笑)」と、言っていました。

無事入校させてもらい、最初の授業。
ワクワクしながら待っていたら、チャイムと同時に髭面のおじさんが入ってきた。

「マイク先生は教室を辞めたので、今後私が授業をします」と。

えーーー話が違うーーーーー!!!

落胆したけれど、髭面の先生は良い人でした。
英語ももちろん上手くて、授業は問題はなかったと思います。
モヤモヤしつつも、しばらく通っていました。

ある日の授業、時間になっても教室には私1人しかいません。
そして、髭面の先生が「遅れてすみません!」と入ってきました。
「今日はみんな欠席なので、1人だけどよろしくお願いします」と先生が言った時、今まで感じたことのない不安に襲われました。

それは、マンツーマンで英語を話さなければいけないというプレッシャーだけではなく、
男の先生と狭い教室に2人きりという状況から逃げ出したい、という焦燥感のようなものでした。
授業中は、ほぼ顔を上げることができず、まともな授業にならなかったように思います。

動揺した気持ちのまま帰宅し、母は何かあったかと不思議そうにしていました。

夕食が終わってすぐ、家の電話がなりました。
私が出ると「英会話塾の◯◯です」と、髭面先生からの電話でした。
とっさに2人きりの部屋の居心地悪さが蘇り、「先生だっ!代わって!!!」と、母に電話を投げつけました。
母は不審がりながら電話に出て、少し話して電話を切りました。

「今日落ち込んでる様子だったから心配して電話してくれたんだって」

「……」

「この前の体験はあんなに楽しかったって言ってたのに、どうしたの?」


先生と2人きりになったのが気持ち悪かった、と言おうか迷い、私は黙っていました。

母はため息をつき、
「先週今週でなんでそんな変わっちゃうのかねえ…」と呆れた様子で言いました。

私は、混乱していました。
上手く伝えられなかった悲しみ、先生に対して申し訳ない気持ち、好きな英語が嫌いになりかけていること、ごちゃごちゃになり、来週の授業が憂鬱で仕方なくなりました。

その後数回は通いましたが、結局先生の顔をまともに見ることができず、早々に教室を辞めました。


私は英語を続けたかった。
でも、母の呆れた顔を見たら、何も言えなくなってしまった。



私は親になったから。

息子が習い事や登校を嫌がった時、それが本人のやる気とは関係ないかもしれないと考えてみることが出来る。
親をがっかりさせることを、子どもはとても恐れていると理解している。

あの時の私に、自分は悪くないよと言ってあげたい。

この記事が参加している募集

#振り返りnote

85,359件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?