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長男と次男 36 《不登校実録》

授業見学におもむく


先日、入試説明会に参加した某通信制高校。
個別面談の際、ありがたいことに
「特別専願対象者(※)」に選んでいただいた。

(※)個別面談の受け答え、体験授業等を通して
  学校側が「入学して欲しい」と思ってくださった場合
  早いタイミングで受験ができ、試験教科も優遇される。

 どの学校にもあるのかどうかは不明ですが💦

週何回かは通学したいと考えている次男。
先日の説明会の時に
「一度実際の授業を見においで」
と言っていただいたので
授業見学に行かせていただくことにした。

当日、メンタル荒れるかな…と覚悟しながら
午後半休をとって急いで帰宅すると、
予想外に穏やかで一安心した。

一通り、授業を見学させていただいた。

なかなか授業を受けてこられなかったであろう
生徒さんも多いため、
習熟度に応じてクラス分けされていた。

同じ教科書を使って学ぶのだが、
クラスによってそれぞれアプローチが異なる。

テストの点数によってクラスが分けられるというのは
他校でもあるし、長男の高校でもあった。

でもここまでガラッと方法が違うなんてビックリ。

例えば「単語を覚える」という場面だとしても
見ただけで覚えられる子もいれば
紙に何度も書いてやっと覚える子もいる。
音から入った方が早い子もいれば
イメージから掴んだ方が忘れにくい子もいる。

生徒にとって学びやすい方法が細やかに研究されていて
学習スタイルを見ただけで
クラスを言い当てられるほど違う。

私も次男も驚いた。
そして、これなら安心だねと次男も言っていた。


次男の本心


見学の後、担当の先生との会話の中で
これまで次男があまり口に出してこなかった
心の奥にあった言葉がポツポツと出てきた。

学校に行くのが怖いという次男に対し
「周囲は自分のことで精一杯だから
次男が思うほど誰も次男のことを見ていない。
だから怖がることないよ」
と、私は何度か話していた。

しかしその言葉に対して
「意味は分かっていたけれど、無理だった」
と絞り出すように次男は言った。
「やっぱり怖いし、どう思われるだろうと思うと
最初の一歩が踏み出せない」
と。

担当の先生はその言葉を受けて
うなずきながら次男に伝えてくださった。

「わかっていても、自分のことになると怖いよな。
久しぶりに行くとなおさら怖いし、
どんどん怖さも増すよな。
そりゃそう、怖いもん。
この高校はね、そういう気持ちも理解するし
同じ気持ちを抱えている子がいっぱいいるよ。安心してな

ついつい言ってしまっていた言葉に反省…

次男の表情が少し変わった。
かなり意を決して口にしたのだろう。
それをそのまま受け止めてもらえ、
しかも学校の先生に理解してもらえたことに
安心していた。

また、私が一番聞けて良かったこと、
それは次男が高校に進学したいと思った理由だった。

僕は学校に行けなくなってから
最初の一歩がなかなか踏み出せなくなりました。
しんどい、めんどくさいという気持ちが先に立ってしまう…
そんな自分が嫌で、自分を変えたくて。
自分を変える一歩を踏み出したいと思いました。

次男がゆっくり話してくれた

踏み出せない自分のことが嫌、自分を変えたい。
強い気持ちが次男の中にいつの間にか芽生えていた。

子供は自分のことを必死に考えている。
「もう何も考えたくない」と思っていたとしても
何も考えないように頑張っている。

次男は苦しい不登校の期間に
改めて自分のことを見つめていた。
そして自分自身のことを考えられるくらいに
ゆっくりゆっくりパワーを溜めていたのだ。

長男の存在


また、次男は担当の先生にこうも言った。

僕が学校に行けなくなった時
お兄ちゃんが気持ちをわかってくれたから
僕は潰れなかったんです。
お兄ちゃんがいなかったら僕はもうダメでした。

不登校を2回経験した長男は
次男とふたりの時に彼の話を聞いてくれていた。
私が次男のことで長男に相談すると、
「今こういう状態だ」「こんなことを思っているよ」など
アドバイスをくれる。

長男は、自分が不登校だった時期に
次男が明るく寄り添ってくれていたことに
ずっと感謝している。

次男が楽しく元気に過ごしてくれることを
親以上に望んでいるのは
もしかしたら長男かもしれない。

彼らの信頼関係には先生も驚いていた。

私は先生に話した。
「この兄弟を育てていることが私の唯一の自慢です」

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帰宅後、次男は
「ずっと思っていた言葉、出せた…」
と言った。

まだまだ、やっと進む方向が少し見えてきたくらい。
それでも「変わりたい」と
次男が自分で前向きに考えていることを知り
私はすごく嬉しかった。

最終、どの高校にするか
まだ検討しているところではあるが
次男が安心できる場が増えてくれることを
ただただ願っている。


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