ほっとする
大学時代ワーホリを使って1年間ドイツに滞在しました。
その時に感じた、ほっとする気持ちってあるんだな…と実感したはなし。
小さい頃の私はよく言えば順応性が高く、悪く言えばずうずうしく、どこでもストレスなく過ごすことができる性格で、初めての場所でも人でも臆することなく過ごしてきた子供でした。
それが影響してなのか、親戚や知り合いの家に預けられたりする機会が多かったのですが、戻ってから「帰ってきた~」と思う感情を感じることはありませんでした。それは、大学生になっても同じで、夏休みやお正月に実家に帰省した際も、いわゆる「地元に帰ってきた」感は少なく、同じ家の隣の部屋に移ったような、ただ移動しただけのような感覚でした。
私は高校卒業後に地元を出て、一人暮らしをしながら大学時代を過ごしたのですが、大学在学中にワーホリでドイツに1年間滞在しました。初めての外国での生活や慣れない文化に戸惑いつつも、それなりに適応し楽しんではいましたし、恋しかったのは新鮮な魚介類くらい(笑)それくらい、ホームシックとは無縁の人間でした。
それなのになぜか、ドイツ滞在中の後半にモロッコに旅行に行った帰り、フランクフルトの空港に着き、ドイツ語での会話が聞こえてきた瞬間、なぜか今までにない気持ちになりました。今までさんざんホームシックや郷愁の念など日本でも地元でも感じたことがなかったのですが、初めて、しかもなぜかドイツでドイツ語を聞いて、懐かしいような、ほっとするような気持を感じたことに私自身が驚きました。飛行機を降りた後のドイツ語の会話を聞いてほっとするなんて!と…(笑)
それ以来、もう忘れてしまったドイツ語や地元・九州の方言をきくたび、うれしいような、わくわくするような、親しいような、穏やかな気持ちになります。うまくは言えないのですが、にこにこでハグしたい!みたいな…そんな感情です。
一度この感情に気が付いたら、それからはしょっちゅう感じるようで、地元に戻るたびに、温かい不思議な気持ちを感じることとなりました。なんとなく、それは好きな人と一緒にいるような感覚に近い気がします。
ほっとするってこういうことを言うんだな、と新たな感情を感じた瞬間のはなしです。先日ふと思い出し、幸せを感じる気持の中の一つだとふと考えました。これからも、ほっとする瞬間を好きな場所や好きな人のもとで感じていきたいものです。