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ステンドグラスクッキーで手の平サイズの「お菓子の家」を作ってみませんか?

ステンドグラスクッキー。
何度作っても飽きることのない、魅惑のお菓子だ。

今回は、自分で作る感動を感じてみてよ!と、前のめり気味におすすめしてみようと思う。
ちょっとウザいかもしれませんが、ご一読いただければこれ幸い。

ステンドグラスクッキー、何がそんなに魅力的?

Stained glass cookies(Stained glass window cookies)は、型抜きクッキーの中にさらに小さく型を抜いて、キャンディを詰めたものだ。

初めて知ったときは、夢のようなその発想に心底感動した。

手作りクッキーってだけで心躍るのに、キャンディが詰めてあるんだよ?
ステンドグラスみたいに透かして見れるんだよ?

すごくないですか!?

お菓子を作る習慣なんて当時の自分にはなかったのに、「これはぜひとも作ってみたい」と思わずにはいられなかった。

当時は英語の簡単な情報をかろうじて見つけた程度で、すべて手探り。お菓子作りに慣れていなかったせいもあって試行錯誤の連続だったけど、それもまた楽しくて、飽きることなく作り続けた。

なにしろ、かわいいし、お店では買えないし、おいしいんだから。

気が付けば、ステンドグラスクッキー歴16年になっていた。

初期バージョン。生地の冷やしが不十分でゆがみが目立つが、
クラフト感があってこれはこれで良い。

ステンドグラスクッキーを作り始めてしばらくした頃、息子が生まれた。

お菓子を作るきっかけが「子どものため」という人は多いんじゃなかろうか。
「人生初の」という意味ではバレンタインの本命チョコもしくは友チョコがメインストリームなのかなと思うけど、「お菓子作りが好き」という人をのぞいて、大半はそこでいったんお菓子作りから離れる(自分はそのタイプ)。

私の場合、たまたま息子が生まれる前にステンドグラスクッキーを知ってしまったけど、ここまで長い間作り続けているのはやはり、息子が喜んでくれたから。

幼少期、息子の愛読書だったロバートサブダの Cookie Countに
ステンドグラスクッキーが載っていて、親子でテンションあがった。
お借りしたこの画像は日本語版だけど、英語版がおすすめ!

料理はほぼ毎日やるコトだけど、お菓子作りはプラスαだ。

おいしくも美しいスウィーツがよりどりみどりのこの時代、それでもわざわざ作ろうと思うのは「ママが作ってくれたから嬉しい」と素直に感じてくれるわが子の愛おしさに胸がときめくからではないかと思う。
「一緒に作る」という経験もプライスレスだ。

息子と私のクッキーレッスン。当時4歳の息子は椅子の上に立っている。
今では身長が175cmになり、やや反抗期気味だが、
型抜きするときはあの頃のまんまの表情をする(愛おしい…)
八の字眉。あぁ、愛おしい……

もちろん、喜んでくれる相手は何もこどもに限ったことではない。
私の場合、以前は甘い物に一切興味のなかった義母(=まっちー)が、齢75にしてなぜだか急にスウィーツに目覚め、「かおりちゃんのステンドグラスクッキーは最高よ!」と手放しで喜んでくれる。

これだって十分すぎるモチベーションだ。

ほぼ毎日の作業である料理にも、「食べてくれる誰かのため」という要素は大いにあるけど、お菓子の場合はさらにそれが強いと思う。少なくとも私はそう。

息子やまっちーに食べてほしい。夫にほめてほしい。ステンドグラスクッキーを初めて食べてときめく人の顔が見たい。

だから、何度でも作る。

だってね、こんなにおいしい(←言い切ったよ)ステンドグラスクッキーは売ってないんだから。

アイシング×ステンドグラスも最高に楽しい。
まっちーにプレゼントしたステンドグラスクッキーのミニ缶。
「ミニじゃなくていいんだけど」と言われた(笑)。

ステンドグラスの窓を埋め込んだお菓子の家ができるまで

息子が4歳になった頃だろうか、わが家でちょっとしたブームを巻き起こしたのが「ヘクセンハウス」、そう、お菓子の家だ。

物心ついてきて、いろんなことに純粋な感動を見せてくれるわが子。素敵な経験をたくさんさせてあげたいと願うのが親心だ。

中でもキラキラ輝く夢のような時間をくれるクリスマスは、誕生日と同じくらいに特別だった。

ターシャ・テューダーが一族で過ごすすばらしいクリスマスの様子を綴ったドキュメンタリーを何度も見て、息子は「ターシャおばあちゃん」のことが大好きになった。
小さなお菓子を仕込める木製の素敵なアドベントカレンダーも買ったし、生木のツリーも必ず用意した。もちろんケーキやご馳走も作った。

そんなクリスマスの恒例に仲間入りしたのがヘクセンハウスだった。

第一号は無印良品のキットで作った。
屋根は板チョコだし、今思うととても簡単なものだけど、
息子のキラキラした瞳と、もったいなくてなかなか食べられなかった様子。
今でもクリアに思い出す。
同じ年、ビッグサイズのお家も作った。
中にLEDを仕込んでいる。あたたかみ〜♡
生地にはジンジャーやシナモンを加え、クリスマスの香りに満たされる。
家のデザイン、小物、デコレーション、すべてがオリジナルだが、
一番のポイントはやっぱりステンドグラスのウィンドウ。

この年を機に、わが家のクリスマスにはルーティンができた。
アドベントカレンダーを出すのがクリスマスの4週間前。
ツリーは、IKEAの生木が販売されるのを待ってから飾る。
その後、クリスマスの1週間ほど前にヘクセンハウスを作るのだ。

焼きたても味わいたいから、普通のステンドグラスクッキーも同時に焼くけれど、このヘクセンハウスはクリスマスが終わるまで飾っておく。
エピファニー(年明けの日曜日)の日、息子にコーヒーをドリップしてもらい、みんなで家を解体して食べる。

最初はもったいなくてなかなかこわせなかった息子だが、毎年作ってもらえるとわかっているし、今ではバキバキと豪快に屋根から割っていく。
屋根は食べずにステンドグラスウィンドウの部分から好んで食べるんだけどね。

作る。飾る。食べる。どの工程も家族の大切なクリスマスを彩っている。

もっと手軽な「手の平サイズのお菓子の家」、誕生

ビッグなヘクセンサウスを作り続けていたわが家だが、ここ数年、手の平サイズも作るようになった。

まだ建てかけ。たくさん並べると町みたい。
こんなサイズ感。

これのいいところは、プレゼントにしやすいサイズであること。
しっかり作ってあるので割れにくいのもメリットだ。
そして何より、「クッキーって平べったいもの」のはずなのに、立体的なおうちになっているという特別感。
味だって、バターたっぷり、香りも抜群。これは本当に喜ばれる。

組み立て前のヘクセンハウス。このパーツだけでもかわいい。
大人も幸せになれる小さなヘクセンハウス。

量産できるようになったので、息子が店主をつとめる不定期なおうちカフェ(息子の名をとってTokiwa Cafeと呼んでいる)にて、ヘクセンハウス×石かわ珈琲のドリップコーヒーをテーマにお客様をお迎えすることもできた。

コーヒーとの相性も最高。

このヘクセンハウスにはちょっとした仕掛けがあって…

お家を持ち上げると、こんなプレゼントが隠してある。

それを見たお客様の最高すぎる反応がこちら。

のけぞってよろこんでくださった京子さん。
めっちゃくちゃ感激しました♡

自分で作れる!このすばらしき感動をあなたにも♡

自分で作って誰かにあげる、もしくは食べてもらう。

それだけで十分に満足していたのだけど、作り続けるうちにステンドグラスクッキーおよびお菓子の家に対して別の欲が出てきた。

それが、冒頭に書いた「自分で作る感動を感じてみてよ!」という少々うざめの“教えたい欲”、いわば”ステンドグラスクッキーを世の中にPRしたい欲”だ。

自宅で料理教室も開催している関係で、これまでにも、市販の型で作るステンドグラスクッキーのレッスンを行ったり、ワークショップで子どもたちやお母さんに教えたりしていた。

自分で作れたときの感動の言葉、大人も子どももキラッキラの瞳をしている様は、見ているこちらまで感動してしまう。

ここまでくると、普通の平たいクッキーだけでなく、できれば小さなヘクセンハウスを作ってみていただきたい。そういう欲にかられているのだ。

なぜ今まで教えてこなかったかというと、ふさわしい抜き型が販売されていないからだ。

ヘクセンハウスのクッキー型はあるものの、ステンドグラス入りにするのにふさわしい形状ではない。

私自身はナイフも使って型を抜くのだが、初めての人に「ナイフでカットしてください」というのはちょっと難易度が高すぎる。

さらに、「中にLEDライトが仕込めるギリギリの大きさ」を目指したいというのもある。

こうなったら自分で作るしかない。
厚紙で何パターンか試作し、落ち着いたのがこのサイズだ。

中に100均のLEDライトがおさまることも意識。

自分で型を作るレッスンも受けたが、これを生徒さんにやってもらうとなるとこれまた難易度高め。
ここはもう、オリジナルのヘクセンハウス型を合羽橋の馬嶋屋菓子道具店に製作依頼しようかな、と思っている。

だって、この型さえあれば、本当にすごい感動体験をしてもらえると思うから。

以前、普通のステンドグラスクッキー・レッスンをやったとき、事前に焼いておいたお家のパーツをアイシングで組み立てる作業を経験してもらったことがあった。

そのときの反応のすごかったこと!

両手で優しくそーっと持ち、
多くの人がステンドグラスの窓から中を覗き込む。

大の大人がそろいもそろって目を♡の形にし、わーわーきゃーきゃー大騒ぎ。

ちょうど夕暮れ時で外が薄暗くなりかけていて。
小さなおうちのステンドグラスの窓からぽっともれる明かりは、「この家の中には物語が詰まってる」と想像させるに十分な幸福感を放っていた。
しかも、室内にはバターたっぷりの焼きたてクッキーの香りが充満しているのだ。

なんていうか。ささやかだけど確かな幸せってこんなだよね。

私の次なる欲は、この幸せをたくさんの人に味わってもらうこと、なのだ。

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