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アマムダコタンはなぜ「2時間待ち」なのか?

福岡のベーカリーAMAM DACOTAN アマムダコタンが昨秋、表参道にやってきました。
イタリア・ローマ地方の伝統菓子Maritozzoが日本でここまで大流行するきっかけをつくったといわれる同店ですが、たとえマリトッツォのブームがなくとも、素敵すぎる内装やルックス抜群の多様なパンなど、徹底的に統一された世界観で根強いファンを持つ人気店です。

表参道店のオープン当初、たまたま近くを通りかかると、常にすごい行列で、「ブームが落ち着く頃に来てみようかな」とか思っていました。が、そうこうする中、仕事でアマムダコタンのパンを食べてみる必要に迫られまして。「もう半年経つからさすがに落ち着いたっしょ」と行ってみたところ・・・完全に認識が甘かったと気づくことになるのです。

事前にネットで調べたら、確かに「土日はもちろん、平日も2時間待ち」という口コミはあったんです。「いやいや、そんな。いくらなんでもそれはないよね(笑)」とか思いながら、開店時間より早く現場に着いたのに、すでに長蛇の列!!!

正直、げんなりしました^^;

でも、前後に並んでいる子たち(大学生とかかな)がなんだか楽しそう〜に話しているので、ひとりで並ぶしかない私は、その仕事を一緒に進めているディレクターに「2時間待ちというウワサはどうやら本当みたい」と愚痴りながら、周囲の楽しい雰囲気になんとか乗っかろうとするばかりでした。

そして、1時間半ほど経ったころ。ようやくここ↓に到着。

やっとお店の看板が見えてきた〜(泣)のですが、入店規制があるのでここからさらに20分ほど待ちます。この状態が本気で連日続くんだそう。すごすぎます。お店もすごいけど、並んでるみんなの気力がホントすごいと思った。

通常の私にはパン屋さんに2時間も行列する気力も体力もありません。一度しか行けないような海外の旅先で「どうしても食べたいものがある」とかならまだしも、都心のパン屋さんだから、「また出直せばいいじゃん」とか思っちゃって。「話題になってる今食べたい!」という情熱、素直にすごいです。。。

はい、そしてついについに、私が入店する番になりました。

みなさん、幸せそうに選んでおられます。その気持ち、わかるわ〜。

思わず笑みがこぼれました。


2時間も待った自分えらい!という喜びと、店内の素敵っぷりと、見目麗しいパンたちが誘う笑顔なのでしょう。とにかくニヤニヤがとまらず、「マスクしててよかった〜」と遠慮なくニヤニヤしながら、気になるパンを片っ端からトレイにのっけます。

「買いすぎ? ちょっとセーブする?」といった自制心は皆無でした。

甘い系からお総菜系から、バリエーションがすごく豊富。人気のマリトッツォは要冷蔵なのでレジ前に置いてあります。会計のとき、おねえさんに「マリトッツォもください」と言えば大丈夫。

だって、2時間待ったんだよ?
次はいつ来られるかわからないよ?(ていうか、行列が続いてるうちはもう来ないよ?)
こんなにたくさん種類があるんだよ?試さなくてどうする?

と、そんな想いですね、きっと。
私だけじゃなくて、周りの人も私以上にすごい勢いでがんがんトレイにのっけてました。

たぶん、このお店、客単価すごいと思う(笑)。

本日の戦利品。

すっごくがんばって買ったので、夫(←プロのフォトグラファー)が「せっかくだからスタジオで撮ってあげるよ」と撮ってくれました。

なので、ここから先はプロの写真です★


ソーセージドッグ 497円。ハーブのきいたソーセージがおいしかったです。ただ、ソーセージのパンはジャン・フランソワのソシソンのほうが好みかな♪(個人的にソーセージが大好きなのでいろいろ食べ比べております)
りんごのクイニーアマン。クイニーアマン好きの息子に。基本的にプレーン好きの息子なのですが、アップルパイも好きなのでりんごなら大丈夫かなと。「おいしかった」と完食し、私は味見できず〜。
人気No.1のサンドイッチ、ダコタンバーガー 497円。自家製サルシッチャとグリル野菜がたっぷりで、とってもおいしい! 紫キャベツのマリネはビジュアル的なインパクトだけでなく、味にもちょうどいいアクセントになっています。
鴨のコンフィとキャロットラペのサンド。低温調理した分厚い鴨肉がインパクト大。ラペの味付けは甘めで、全体のバランスはいい感じです。個人的にはダコタンバーガーのほうが好み!
そして!マリトッツォ 356円。オレンジピールがトッピングされた(というより、くっついた!?)プレーンのやつ。生クリームは甘さひかえめ、生地はもっちり&しっとり。見た目より軽やかで、ぺろっといけます。「あんこ」や「ティラミス」、「フルーツ入り」も人気。

あとは友達や息子にあげたため私は食べていないので、写真のみでお楽しみください!

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そもそも私がAMAM DACOTANを知ったのは、さかのぼること数年前。まだマリトッツォがブームになる前でしたが、「Instagramの運用に成功しているパン屋さんはないだろうか?」と、今回行列に並んでまで買ったときの仕事先とは別のクライアントに聞かれ、あちこち探していたのでした。

フォロワーの多いベーカリーはいくつかありますが、そんな中で断トツ「ここは行ってみたい!」と思ったのがAMAM DACOTANだったんです。まだ表参道店はできていない頃なので、福岡の店内写真やパンの写真がインスタのフィールドを埋め尽くしていたわけですが、その統一された世界観のすばらしさときたら、ほかに類を見ない凄さを感じました。

オーナーさんのセンスの良さに脱帽しながら、「なにこれ」「すごい」「きゃー」「行きたい」「おいしそ〜」と小さな声でひとりごとをつぶやきつつ、オープン当初の写真からず〜っと眺めていき、もちろん記事にもさせていただきました。

記事が完成した後も、「福岡だし、なかなか行くことはなさそうだな」と思いつつずっとフォローし続けていました。それは、「見るだけでも幸せ」、まさに「眼福」だと思ったから。

ベーカリーやパティスリーって、おいしくなくっちゃダメです。まずはそこが一番。
「買いたいパンやお菓子(シグネチャーディッシュみたいな)がある」ということもすご〜く大事です。

でも、「写真を見ているだけで幸せになる」「いつか行ってみたいと思わせる世界観がある」、つまり「空間が素敵だということ」も、じつは非常に重要なんじゃないかなと思います。

だからみんなわざわざ買いに来て、辛抱強く2時間も待って、たくさんのパンを買っていくのです。

こういうパン屋さん、もっと増えてもいいんじゃないかな〜、増えてほしいな〜、と思います。

でも、2時間待ちは困ります、、やっぱり。

もうひとつ思うことは、「オペレーションを工夫すれば2時間も店の前に並ばせることなく対処できるんじゃないかなぁ」ということ。行列ができることでさらに話題になるというのも事実なのでなんとも言えないけれど、実際に並んでみて激疲れした身としては(笑)、並んでる間に「こうしたらいいのに」「ああしてくれたらもう少し楽なのに」とかね、どうしても思ってしまったのでした。

もう少ししたら行列も落ち着いてくるかしらん? そしたらダコタンバーガーをまた食べたいと思います。

福岡のお店のほうが規模も大きいし、内装もなんだか神がかってるので、いつか機会があったらそっちにも行ってみたいものです。



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