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はじめて一人暮らしをした日

私がはじめて一人暮らしを始めた時のことを、ふと思い出したので残しておこうと思う。

約5年前県外の大学に進学したため、一人暮らしをすることになった。
大学生協に言われるがまま、提携の学生マンションに決めた。今思うとこのマンション、駅から遠いし家賃は高いし狭いしであんまり良くなかった。
良かったことは風呂場に洗濯乾燥機があることと日当たりが抜群に良かったことくらいだろうか。

話を戻す。
家電一式をニトリで買い揃えてもらい、マンションに送ってもらう。
私の部屋にあったベッドやらチェストやらデスクなどは家族総出で隣の県だからという理由で車2台使って運んだ。引越し代がばかにならないということでそうした気がする。今思うと家族にとても迷惑をかけた…ありがとう。

大学が始まるまでの数日は母親と一緒に過ごした。日曜には食器や日用品を買いに出かけた。その日はとてもいい天気で、これから一緒に生活する北欧風の可愛らしい食器たちに胸を躍らせた。
テレビを見ない人間だったので要らないだろうということで設置しなかったのだが、1日テレビのない生活をすると朝寂しいということが分かったため、安いテレビを買いに行った記憶がある。
白を基調とした部屋にマッチする、小さくて可愛らしい白枠のテレビだった。テレビボードも展示品の安いホワイトのものを合わせた。

好きなものに囲まれた一人暮らしの部屋はとても愛らしく、これから始まる大学生活のことを考えるとワクワクして寝付けないこともあった。

母と入居初日に晩御飯を作った。
辛ラーメンとアスパラベーコン。簡単なサラダとパイナップルをデザートにした。
2人でワイワイ食べながら、これからは1人で作るのかと少し憂鬱になった気がする。実際はあまり自炊しなかったのだが…笑
2日目以降はいろんな居酒屋に行き散策がてら近所のコンビニでスイーツを買って帰るという贅沢な生活をした。かなり幸福度指数高かったと思う。

大学の授業が始まる前日に母親が帰った。
元気でね、 と言って別れた。
無機質なマンションのドアを閉め少し寂しい気持ちになり、一人きりになってからベッドに横たわりぼーっとテレビの音だけを聞いていた。
大学が始まると忙しさに追われ、センチメンタルな気持ちなど吹き飛んでしまったのだがあの瞬間が1番寂しかった。

2年くらい住んで、やっぱり駅から遠いのと弟も進学でこちらに来るということだったので家賃折半の元、同居が始まるのだがそれは別の機会に少しかければいいなと思う。
ということで学生マンションでの生活は終わりを告げた。今でもあの辺は今どうなってるんだろう
と思いを馳せることがある。
駅からまあまあ遠いし、用事もないのでGoogleストリートビューくらいでしか訪ねることはないだろうが…

あの初々しい春をあそこで過ごせたのは良かった。
マンションの入り口までの桜並木はずっと忘れない。

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