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思春期男子のサンタクロース問題から感じた大切なこと

こんにちは。
ただいまアントレコーチのnoteで綴るアドベントカレンダーに参加しています。メンバーそれぞれの個性溢れる投稿を楽しんでいただけると嬉しく思います。


サンタクロースの存在とは

街はすっかりクリスマスの彩りで、クリスマスには興味はなくとも綺麗なものには心惹かれる時期。

サンタクロースを大人になるまで信じている人ってどのくらいいるんだろう。
わたしも確かに幼い頃は信じていて、ワクワクしながらクリスマスを指折り数えて待っていた。でも、思い出として残っているのは、誰もが持っていた憧れの「リカちゃん」をお願いしたはずなのになぜか異国の美女「バービーちゃん」だったこと、そして、サンタクロースの真実を知った日のこと。

わたしも例に漏れず、頭の上の気配を感じ、サンタクロースを一目見ようと薄目を開けて全てを悟ってしまった子どものうちの1人だった。
わたしのために嘘をつき続ける両親の嬉しそうな表情に、真実を知っているとは言えず、その後も知らないふりを続けていた。

子どもが真実を知ることとなる大半は、いつの時代も親の詰めの甘さだと思っている。子どもって寝たふりが上手いからね。

そんなわたしも親になり、クリスマスは子どものイベントになった。
とは言え、ツリーを飾り、子ども達が好きなご飯を作り、ケーキを食べるくらいのシンプルなもので、子どもにとってのメインは間違いなくサンタクロースからのプレゼントだった。
そもそもイベントに興味がない男子2人と、母1人。
夫はこの時期は忙しく、ほぼ家にいない。

ただ、サンタクロースの存在だけは頑なに守り続け、今年までなんとか夢を壊すことなく過ごしてきた。わたしにとってはこれこそがメイン。
それが、今回の悩みの種になろうとは。

我が家に伝わる謎のルール

我が家のサンタクロースは小学生まで、という謎のルールがある。
今年の春に中学生となった次男には、もうサンタクロースは来ない。
そのルールが純粋な次男によって揺らいでいるのが、「我が家のサンタクロース問題」である。

中学生になったらサンタクロースは来ないよ、というルールをそのまま受け入れた長男。(現在高校生)
中学生になってもサンタクロースは来るよ、とまだ言っている次男。

サンタクロースが来なくなっても、長男はしっかりプレゼントを祖父母や主人からもらっている。メインであるはずのプレゼントはサンタクロースが来なくても手に入ることを、次男は知っている。それなのに、サンタクロースにプレゼントを頼みたいのはなぜなのか、聞いてしまえば終わるかもしれないこの話を、わたしは聞けないでいる。
それは、わたしの言葉が関係していた。

頑なに守りたいものが存在していた

わたしが小学生の頃も、「サンタはお父さんだ」「サンタなんていない」「お母さんが買っている」という話があったように、時代が変わり、息子たちもまた、同じように友達同士で親の詰めの甘さを披露しあっていた。
次男だって、これまでにも真実を知るポイントは幾度となくあった。

それでもわたしは嬉しそうな顔で信じている息子にそうだよとは言えず、「そっかぁ、サンタは信じている人のところには来るからね。きっと信じていないと知ったお父さんやお母さんが代わりに置いてるのかもしれないね」と、全くの嘘ではない話を何年もしていた。
わたしの話が本当なら、信じている次男の元にはサンタクロースが来るはずだった。

万が一見られたとしてもいくらでも誤魔化せる。
詰めの甘さどころか真相を話す隙すらなかった。
(力の入れどころになんだか恥ずかしくなってきた。)

だから、なぜ頼みたいかなんて聞いたところで、じゃあ無しね!なんてことにならないと思っていたから。
夫の言葉を聞くまでは、本当にそう思っていた。

今年、夫が驚くような提案をしてきた。
「今年のクリスマスどうする?今日お風呂で、ほんまの話しようかと思うんやけどええか?」

なぜ。

親の都合でいきなり夢を壊すのは違うと思う。
考えるより先に、心が拒否していた。

親の都合で夢を壊したくないだけではない、もう一つの理由

長男があまりにも自然にサンタクロースを卒業したので、同じように自然に卒業するかと思いきや、このままだとお手紙も書く勢い。
もう新たな嘘はつきたくない、でも真相はもっと話したくない。

主人からの提案後、わたしは一人お風呂に浸かりながら考えてみた。
真実って本当にいるんだろうか?
いっそこのままサンタクロースがいると思い続けて大人になってもいいんじゃないか、正解なんて見つからなくていいんじゃないかとも思い始めていた。

サンタクロースの話をするその表情は幼い頃からと同じ、純粋そのもの。
その純粋さも、いつか大人になり揉まれていくうちに失っていくかもしれない。それを親が急に壊す必要があるんだろうか。
ついこの間まで小学生だったのが、中学生になった途端になんでも理解すると思っているとしたら、それは親のエゴなんじゃないかとも思う。
ましてや難しいと言われる思春期と反抗期が入り混じる時期に。

この難しいと言われる思春期男子とサンタクロースの話をできることが、本当はとても幸せなんだと心から思った。
こうして節目節目に、幼い心を忘れていない彼と大人に近づいていく彼のはざまから成長を感じる、なんとも言えない複雑な時期を味わえるのは今しかない。

そして、サンタクロースの話ひとつでも、彼らが温かい人間関係を築けていることを知るには充分だったりする。
話したいと思ったそのときの彼らの言葉は本当に素直な感情や本音で、丁寧に聞くことで今抱えている小さな悩みから、何に興味を持っているか、たくさんの情報を得ることができる。
そしてとても愛おしい表情をしている。

ただ話したいと思ったときに、ほんの数分でいいから耳を傾け受け止めることを繰り返す。それしかできないし、それで充分な気もする。
だから、わたしは今次男が持っている「サンタクロースが来る」という想いを、本気なのかどうかわからなくたって信じていたいし、守っていたいのだと思う。

思春期を過ぎれば、家族別々に過ごす日も遠くはないだろう。
結局はどこまでいっても親のエゴなんだろうけど、これで最後になるかもしれないサンタクロースという大役を、子ども達に感謝しながら最後まで務めたいと思う。

思春期だろうと、よーく見れば根っこは幼いころと同じなんだよ。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

綺麗なものは好き。

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