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コワーキング用語は正しく使おう:今日のアウトテイク#231(2024-07-06)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ、殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」

※コトバを疎かにしてはいけません。


#今日のBGM

#今日のコトバ

"たまたま自分の身に起きたのが私ではなく、私が自分で選んだのが私なのだ。"
(カール・ユング)

#フリーランサーにオススメの無料マガジン

クラウド会計ソフトのfreeeが、「自由」を探求するマガジン「pathports(パスポーツ)」を発刊した。全国のフリーランスが集まるfreeeパートナー拠点で無料配布されている。

そのfreeeパートナー拠点一覧はこちら。

あいにく、カフーツはその拠点ではないので、泉佐野のコワーキング「COMMUNE.」さんにお願いして送っていただいた。渡辺さん、有難うございました。

で、これが160ページもあって、これが無料かと思うほどのボリューム。ページ数だけではない。内容がこれまた濃い。その理由はこの企画の背景にある。

freeeでは、「すべての個人が、じぶんらしく、自由に、自信をもってビジネスできる世界をつくる」ことを目指しており、ツールを作るだけでなく、多くのユーザーの生の声を聞くことも大切にしています。

ユーザーの声を聞く中で見えてきたのは、多くのフリーランスの方々が、制限がない働き方を楽しむ一方で、「収入や将来への不安」や「孤独感」を抱えているということでした。

freeeではフリーランサーがそうした「不安」や「孤独」を共有し、「じぶんらしく、自由に」ビジネスを楽しんでほしいと、全国のコワーキングスペースと提携してfreeeパートナー拠点を開設している。←つまり、クラウドサービスの会社が、全国のリアルな現場に拠点を持っているという事ですね。これ、大事。というか、これもコワーキングのコラボのひとつ。

このマガジンは、そのフリーランサー同士を(もちろんfreeeとも)つなげるための「紙の媒体」として機能するのではないかしら。ただし、「第1号」とは記されていないので、あとに続くかどうかは定かではない。

内容についてくどくどここでは書かないでおくが、著名人のインタビューよりも、いろんな職種、業界、立場でフリーとして仕事するワーカーのリアルな言葉のひとつひとつがグイグイと来る。いい読み物です。

実はぼくは、10年ぶりの復刊を目指している『コワーキングマガジン』の参考になるかもと思って拝読した。確かに参考にはなったのだが、企画といい取材といい、ライティングから写真から、もちろんブックデザインやそして編集も、いや〜、これはリキ入ってるわ〜、というか、お金かかってるわ〜、というのが第一印象。

その値打ちはあると思うので、興味ある方は、ぜひ、どこかで見つけてゲットされたい。

#コワーキング用語は正しく使おう

これは大変重要かつ貴重な取り組みだ。コワーキング管理ソフトを提供するOfficeRnDが、コワーキング・フレックススペース用語集を作成した。

コワーキングおよびフレックススペースに使われる用語には、その事業者の属する領域に違いがあるせいか(たぶん、そうだけど)、同じ言葉でも微妙に意味が違って使用されてる場合が往々にしてある。これがいろんな面で不都合を生んでいる。

コワーキング運営者同士で情報交換していても、途中でどうも話が噛み合わないことにお互いがキョトンとなる。キョトンとしたのだが、そのまま話は進んでいって、ずいぶんあとになってから「あれ?いや、そうじゃなくて」ということになる。

これが日本の場合、更に厄介だ。もともと英語で入ってきてるから、日本人お得意の「カタカナ英語」が引き起こす誤解も絡んで、ますますいい加減な使われ方がされてるのが現状。

例えば、コワーキングスペースとシェアオフィスを同じものと思い込んでる、特に不動産業界の人は、いまだに多い。

6月1日の「コワーキングカンファレンスJapan2024」で、コワーキングとシェアオフィスを混同した質問が出たことはここにも書いた。これなんか、その典型だ。

運営者によって「コワーキング」に対する理解(と表現)が違うので、それがそのままユーザーにも伝えられると、ユーザーも誤解する。つまり、運営者がユーザーをミスリードする。

「コワーキングにはコミュニティがあると聞いて喜んできたのに、誰もうつむいてパソコンパチパチするだけで、ただの一言も会話がなかった」という話は、noteなんかでたまに見かけたりする。

まったくお気の毒だが、この場合、コワーキングがコミュニケーションのないところを意味するのではなくて、要するにそこがコワーキングでなかったのだ。

が、この人はそのことを知らない。そのせいで、二度とコワーキングに足を運ばないかもしれない。で、そのことを誰かに話したりする。事実、note に書いてる。すると、そう聞いたり読んだりした人も「あー、コワーキングってそういうところ」だと思う。誤解の連鎖が起こる。

これは罪だとぼくなんかは思う。

OfficeRnDは、こう宣言して用語集を編纂した。

私たちは同じ言葉で話し始める必要がある。 同じ用語、同じ指標、同じKPIをベンチマークできるようにする必要があります。 共通の言語を持つことは、明確さをもたらし、私たちの業界がより速く成長するのに役立ちます!

ぼくは「業界」という言葉は好まないが、この意見には大賛成だ。で、できた用語集がこれ。すごいボリューム。

これは相当な時間と労力をかけられたと思う。立派。

例えば、「スペースの分類」についてはこうなってる。(試しにリンクをクリックしてみて開いたページをご覧あれ)

まずは、コワーキングスペースサービスオフィスエグゼクティブスイート、そして様々なマネージドオフィスなど、様々なフレックススペースのタイプから始めました。

そして、プライベートオフィスなど、一般的なコワーキングスペースで利用・提供されているさまざまなエリア、商品、サービスを追加しました、 固定デスクフレキシブルデスクミーティングスペースイベントスペースなどです。

もっと注意を払う必要がある非常に興味深い分野のひとつは、プレミアム、高級、中級、エコノミータイプのフレックススペースといった実際の分類です。 また、コワーキング・ムード、例えば、エッセンシャルかラグジュアリーか、プロフェッショナルかユニークか、賑やかか静かか、なども定義しました。

もう1つの興味深い、非常に重要な定義は、立地タイプ-都市部、郊外、小規模都市、およびスペースサイズでスペースをセグメント化することである。

「コワーキング用語」についてはこう。

メンバー、ドロップイン、カスタマー、テナントなどの基本用語を追加しました。 これらはとても基本的なことのように聞こえると思いますが、しかし、アクティブ・メンバーとは何かという定義がどれほどたくさんあるかに驚かれることでしょう!

これらをしっかりと定義し、より広い業界で採用しなければ、適切なベンチマークを行うことはできないだろう。

次に、顧客と事業者、事業者と地主などの間で結ばれるさまざまなスペース契約を定義しました。

その他、「収益、稼働率、リテンション指標」など経営に関する用語や、投資家やその他の主要なステークホルダーのための「インデックスとベンチマーク」の項目もある。至れり尽くせりだ。

こうして、コワーキングやフレックススペースに関わる人たち全員が共通言語でコミュニケーションできるのは極めて重要なことだと思う。さっきも書いたように誤解がなくなる。ただし、言葉は時とともに変容する。随時、アップデートが求められる。

OfficeRnDは、皆の協力を求めてこう結んでいる。

私たちは用語集の基礎を固めましたが、皆さんの協力が必要です! 私たちの業界において、完全で非常に明確な用語集と定義を持つまでの道のりは長いでしょう。 より良いものにするため、皆様のご協力をお願いいたします!

もちろん、これがそのまま日本でも通用するわけにはいかない。だから、これの日本版を我々もそろそろ作るべきではないだろうか。

コトバは大事。
コトバを疎かにする限り、そのカツドウは遂に誰にも理解されることはない。

ということで、今日はこのへんで。

(カバー画像:Ewan Buck


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