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今日のアウトテイク#176「今年のおためしナガノの募集開始」(2024-05-12)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ、殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」

「おためしナガノ」につづく「おためし◯◯」はどこか。


#今日のBGM

#今日のコトバ

"無礼とは、弱者による強さの模倣である。"
(エリック・ホッファー)

#(お知らせ)インディー・コワーキング開業運営塾、受講者募集開始

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#アメリカの移住促進インセンティブ

2年ほど前にも紹介したことがあるけれども、アメリカのいくつかの都市では地域経済を活性化させ、人口減少を逆転させる戦略として、リモートワーカーを誘致するために、現金支給や社会的特典といった金銭的インセンティブを提供している。

以下、ざっくりと羅列する。

1.オクラホマ州タルサ
オクラホマ州タルサ市では、タルサ・リモート・プログラムを開始した。このプログラムでは、同市に移住し、少なくとも1年間滞在するリモートワーカーに1万ドルを支給する。 タルサ・リモートの目的は、優秀な労働者をこの都市に呼び寄せ、住宅、食事、娯楽、その他のサービスに支出することで地域経済に貢献させることにある。

2.カンザス州トピカ
カンザス州トピカ市もまた、Choose Topekaプログラムで話題となった。このプログラムは、同市に引っ越してリモートワークする人に、住宅購入の場合は最高1万5000ドル、賃貸の場合は最高1万ドルを提供する。このプログラムは、トピカの地域開発戦略に沿ったもので、プロフェッショナルが集う活気ある地域コミュニティを構築することを目的としている。

3.ウェストバージニア
ウェストバージニア州では、Ascend WVプログラムを通じて、リモートワーカーに多大な移転奨励金を支給している。主な奨励金としては、モーガンタウン、グリーンブライヤーバレー、イースタン・パンハンドル、グレーター・エルキンスなど、州内の特定の地域に移転するリモートワーカーに12,000ドルが現金で支払われる。

この現金奨励金は、初年度に一部分配され、2年目の終わりに完成ボーナスが支給され、さらに地元の奨励金と合わせると最高2万ドルになる。

金銭的なメリットだけでなく、Ascend WVは、ラフティング、スキー、ロッククライミング、乗馬などのアウトドア・レクリエーション活動を1年間無料で利用できる特典を提供している。さらに、このプログラムでは道具の無料レンタルや、共同環境でプロフェッショナルな活動を促進するためのコワーキングスペースを無料で提供している。

4.アラバマ州ショールズ
アラバマ州北部のリモート・ショールズ・プログラムは、この地域に移転する遠隔地からの労働者に最高1万ドルを支給するもので、居住開始後1年間にわたって分配される。

5.ミシシッピ州ナチェズ
ミシシッピ州ナチェズ市は、シフト・サウス・プログラムを実施している。対象者は、転居費用として最高6,000ドルを受け取ることができる。経済的支援には、引っ越し費用2,500ドルの払い戻しと、新住民が生活に慣れるための最初の1年間、毎月300ドルの奨学金が含まれる。

6.インディアナ州ウェスト・ラファイエット
パデュー大学は、インディアナ州ウェストラファイエットで、5,000ドルの移転手当と、パデュー図書館の利用、キャンパスでの食事、コワーキングスペースの割引、バスパス、地元企業の会員権など、約10,000ドル相当の福利厚生を提供するプログラムを後援している。応募資格は、最低給与が5万ドルで、リモートワーカーについては6ヶ月以内にウェストラファイエットに転居すること。

とまあ、移働者にとってはまさに至れり尽くせりだ。注目しておきたいのは現金や住宅に関するインセンティブと合わせて、コワーキングの無料ないしは割引利用も含まれている点。

現代のリモートワーカーは、ただ単に電源とWi-Fiがあれば満足する人ばかりではない。誰かとのつながりの中で自分の技量や知識をアップデートしていくことが、自信のキャリア形成に不可欠であることを体感的に習得している。

ややもすると、住宅とか仕事場とか、ハード(物理的)なものに有意性を植え付けようとしがちだが(もちろん、それも必要だが)、長くその地で仕事をして暮らしてくために本当に大事なのは、人的ネットワークをどう築いていくか、そのためのソフトの方。

結局それが、一時的なものではない、ずっと長く続くインセンティブになる。

この記事では、「このようなプログラムの有効性についてはまだ研究中であるが、予備調査によれば、地元消費の増加、労働力の多様化、地域社会の活性化など、プラスの結果をもたらす可能性がある」としている。

一方で、「新たな住民の流入が既存の地域社会に溶け込み、現在の住民の生活費を押し上げず、地域の長期的な経済計画に沿うようにするなどの課題もある」とも。

以前、ノマドがやってきたせいで起こった物価高にポルトガルの地元住民が悲鳴を上げていることを紹介したが、こういうことが起こる可能性は否定できない。

日本の地方自治体はどこも定住を前提に移住促進を進めているが、ここまでドラスティックなインセンティブを提供する例はまだ少ない。

その中でも、長野県はもう何年も前から画期的なプログラムを実施している。

#今年のおためしナガノの募集開始

それが、今年で10期目になる「おためしナガノ」だ。

これは最長6ヶ月間、試しに長野に移住して、リモートワークで東京圏の仕事もしつつ、地域の一員になって長野の良さを体感してもらおう、その結果、気に入ってもらえれば移住していただこう、気に入らなければお帰りいただいて構わない、という趣旨のプロジェクト。だから、おためし。何事もお試しが肝心。

いきなり移住するのはかなりの勇気が要る。だから、ちょっと試しに住んでみて自分に合うかどうかをチェックしていただくという発想は、参加者にとってのハードルを低くするいいアイデアだ。

YouTubeに過去の参加者のビデオが何本か上がっている。

このプロジェクトが魅力的なのはおためししていただくためのインセンティブで、資金援助として一人あたり最大30万円が補助される。これには、引っ越し代、家具や家電、自動車などのレンタル料が対象になっているが、仕事する環境としてのコワーキングスペースの月額基本利用料+初期登録料(必要な場合)も含まれる。おまけに、県内の他のコワーキングスペースの1日以下(ドロップイン)の利用料も対象になっている。


また、住宅も民間アパートの家賃補助や紹介のほか、市町村が所有する物件であれば無償供与できるものもあり、職場と家に関してはちゃんと抑えられている。

ただし、対象となるのは以下の要件を満足する人に限られる。

・地方への拠点設置を検討している三大都市圏等の IT 企業の方
・長野県を「仕事場」にしたい IT 関連の事業を営む方
・長野県内で IT 関連の事業(副業・兼業も可)を行いたい方
・地方で IT 関連の事業をやろうと考えている方 など
*いずれも、既に事業を実施している方又は具体的な事業計画をお持ちの方を対象とします。
*長野県内の IT 企業へ就職したい、という方は対象としていません。


実施場所は県下の17の地域から、第2希望まで選択できる。このいずれの地域にもコワーキングが整備されてるのが長野の強み。

募集数は、1組3名までで15組程度。毎年これぐらいのボリューム感。確か、7期目となる2021年度は12組39名が参加していた。

申し込み期限は、2024年5月30日(木)17:00まで。おためしの実施期間は、2024年8月上旬~2025年2月末で、最長約6か月間「おためし」できる。

こちらに事業概要のビデオを貼っておく。

もしかしたら他府県もこれを参考にして、各地から「おためしどこそこ」がはじまるかもしれない。まずは「ためしてもらう」。とてもいいアプローチだと思う。で、そこでまたコワーキングがお役に立つ。

ということで、今日はこのへんで。


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