今日のアウトテイク#110「減っていく書店とこれから増えるコワーキング ほか」【メンバーシップ特典】(2024-03-07)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・要するに「伊藤の現在地点」

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また、本屋の話だが、大事なことなので。


#今日のBGM

#今日のコトバ

"鉄が熱くなるまで打つのを待っていてはいけない。自分で打って熱くするんだ。"
(ウィリアム・バトラー・イェイツ)

Create the opportunity.

Posted by Entrepreneur on Thursday, March 7, 2024

#書を捨てよ、町に出よう。

気になる事が書いてあったので、ちょっとだけ紹介。まずは、この記事を読んでもらって、

コワーキングでの交流会からいろんなつながりができているとの由、まあ、そもそもコワーキングは人をつなぐ装置だから当然なのだけど、「お」と思ったのは、NTT西日本が月一回主催する勉強会に県内企業のみならず自治体の若手職員も参加している、というところ。

地方自治体の若手職員の中には、本当に熱意ある人がいる。諸先輩、上司の方々は、旧弊な思考回路に陥ることなく、彼らのポテンシャルを、ぜひ活かしていただきたいと思う。

で、もっと、自治体は地元のコワーキングを使ってほしい。役所に閉じこもらず、町に出て、市民と、あるいは他所から来たリモートワーカーと交差する場所としてコワーキングをもっと活用すべきだと思う。そうすると、町のことが、いろんなことが見えてくる。

寺山修司も言った。「書を捨てよ、町に出よう」と。

言いたいことはお判りいただけると思う。

#減っていく書店とこれから増えるコワーキング

日本で、今、書店がどんどん消えていっていることは前にも書いたが、

そこへこのニュース。経産省が「書店振興プロジェクトチーム」を設置し、初の本格的支援に乗り出すとのことで、結構、話題になってる様子。

ここでは、2013年に全国15,602店あった書店の総店舗数は、2022年に11,495店に減ったとある。

テレビでも取り上げられていて、2003年に20,880店あったのが2022年には11,495店になったと。いずれにしろ、急速に書店は姿を消している。

その結果、現在、全国の市町村のうち、書店がない自治体は約4分の1に上るらしい。うーむ。

言うまでもなく、インターネットの普及で本はオンラインで買う人が増えたことが影響している(それだけではないことは後述)。ただ、その場合、買いたい本があらかじめ決められているケースがほとんどだろう。

一方、リアルな書店には今まで知らなかった本との偶然の出会いがある。ある本が目について、気になってパラパラめくってみる。と、そこには、自分の知らなかった世界、知らなかった情報、知らなかったストーリーが、ある。

この偶然の瞬間が、大事。意外にも自分の潜在意識の囁くところに呼応したかのような本に出くわすこともある。

ぼくの場合、それは東京神保町の東京堂書店だ。ここに行くと必ずぼくを手招きする本が待っている。それが、まあ、不思議なことにその時に自分が抱えているテーマにドンピシャな本。

あれは、なぜだろう。なぜかは判らないが、そういうセレンディピティがリアルな書店にはある。これは捨てがたい体験だ。「本なんかアマゾンで買えばいい」と思ってる人には知ったこっちゃないだろうが。

ただし、その場合、その書店の選書のセンスが問われる。ぼくはここに課題があると思っている。

日本の本の流通についてはここに書いたが、

読売新聞の記事には、「非効率な出版流通の改善や店舗運営におけるデジタル技術活用の必要性など課題を把握する」とあるが、まさにその「非効率な出版流通」が根本的に書店が自立する機会を奪っているように思える。

出版社から取次を経て書店に、ほぼ自動的に膨大な種類の本が送られてきて店頭に並ぶ、従来の流通経路の場合、一定期間が設定されて返本(返品)が効くような契約形態になっている。いわゆる、再販制度だ。

これが経営上助かるように思えるが、結果、どこの書店も同じ本を置くことで、個性を失い、コモディティ化が進む。

個性を失うことがやっぱりまずい。ではなくて、

「この本は是が非でも読んでもらいたい」という書店主の熱い想いが店頭に、本棚に宿り、その空気を敏感に感じ取る本好きなお客さんたちが、その小規模店舗を支える。支えられているから、また読むに値する本がその書店から手に入る、という善循環が回りだす。
つまり、その書店にファンがついている、ということ。

その善循環を作るべきではないかと思う。流行りのもの、誰にでも受けるものを目指すのではなく、独自のセンスで以って特定の分野、カテゴリーに特化して選書し、その層の顧客に信頼を得る、そこでならそういう本に出会える、というポジションを確保する。

「店主が一冊ずつ良書を選んで入荷し、店のサイトやSNS上で紹介する個人書店や、カフェや文具店を併設し魅力的な読書空間を作る書店チェーンなど優れた事例を共有し、支援策の参考にする」とあるが、ここには落とし穴があって、そういう先人の成功例をにわかにモノマネしてもうまくいかないと思う。

先人には先人のセンスと努力があってそれができている。そのプロセスをすっ飛ばして格好だけ真似ても、顧客の目は絶対に誤魔化せない。というか、ぶっちゃけた話、カフェや文具と言ってもそう大きな売上のリカバリにはならないと思うのだが。

どうせやるならカフェではなくてコワーキングだろう。ま、コーヒーは出してもいい。この「コワーキング曼荼羅」にあるように、コワーキングはさまざまな事業とコラボできる。

本は中でも有力だ。なぜかそういう書店がなかなかないのだが、スペースさえ許せばやってみてほしい。イベントはそこでできるし、一過性ではない固定のファンが付くはず。

いま、日本の各地で個人経営のいわゆる独立型書店が続々と生まれている。何でも揃ってる大型書店とは完全に差別化して、その書店の世界観を現す「推し」本をメインに棚を作っている。そこに共感するお客さんがファンになり、前述の善循環が回っている。

はっきり言ってしまえば、仕事だから本を売ってる、のではなくて、本が好きだからこの仕事をしている、好きな本をみんなにも知ってもらいたいという、顧客と同じ側に立っていることが、結局、その書店が選ばれる理由だろうと思う。

つまり、仲間だ。

で、なんでぼくがこの話をくどくど書いてるかというと、これをコワーキングに置き換えて、教訓とするところ大だからだ。

いま、コワーキングは世界的に増えていて、今後さらに活況を呈すると思うが、個々のコワーキングが個性を出す創意工夫がなければ、いずれはただ料金だけで比較されるコモディティになってしまうのは明らか。書店のように同じものを同じ価格で売ってたのでは、間違いなく続かない。

いつも言うように、そこならではの強み、個性がなければ利用者はやってこない。

その個性のひとつが「頼りになるコワーキングマネージャー」がいることだ。それはただ受付でWi-Fiのパスワードを教えてくれる人のことではない。コワーカー(利用者)のあらゆる要求に対応するセンスとホスピタリティを持ち合わせているプロのコワーキングマネージャーのこと。

コワーキングマネージャーがどれほど広範囲で高度な仕事をしているかは、こちらを参照あれ。

その人がいるから、多少、料金が高くともそこにコワーカーはやってくる。なぜなら、自分が何者で、どんな仕事やカツドウをしていて、どういう目標があり、どういう課題を抱えているか、をそのマネージャーが理解してくれているから。

そして、そこを起点にして、人が人を呼んでコミュニティとして回りだす。コワーキングは、このマネージャーとコワーカーが織りなすコミュニティの存在がめちゃくちゃモノを言う。

書店の支援策にイベントを開催するというのがあるようだが、それもつまるところ「人が人を呼んでる」ということに他ならない。

はい出ました、いつもの結論、結局、人が人を呼ぶ、ということ。

ということで、今日はこのへんで。

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