今日のアウトテイク#33「それは2009年12月21日のブログからはじまった ほか」【メンバーシップ特典】(2023-12-21)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・要するに「伊藤の現在地点」

※noteメンバーシップ「Beyond the Coworking 〜移働の時代〜」に参加いただくと有料記事も全文読めます。

※読んで面白かったらぜひシェアくださいまし。

今回は、記念すべき日にちなんでの特別編。

#今日のBGM

#今日のコトバ

"もしかしたら、ぼくはたいした仕事ができないかもしれない、とも思う。
けれど、そもそも世間に認められたくて、仕事をするのではない。だれかを打ち負かすために、仕事をするのでもない。自分が全力を注ぐことができる仕事を自分で設計し、それに専念する。
会社を立ち上げた以上、だれからも命令されることはないのだから、自分の仕事は自分でつくっていくほかない。
重要なのは、自分の能力を過大評価しないことだろう。
かといって、見くびらないこと。
だれかになろうとしないこと。
これまで培ってきた経験の延長線上で、すべてを考えるということ。"
(島田潤一郎『古くてあたらしい仕事』)

#メンバーシップ :トークセッション

毎月1回開催している、noteメンバーシップのオンライン・トークセッション、昨晩のテーマは「今年、よかったことをひとつ。それと来年、コワーキングをベースにやってみたいこと、トライしてみたいこと」だった。

参加いただいた皆さんのそれぞれのビジョンに基づいて、カツドウの幅を広げて行く過程で、いろんな人との関わりが形になってきているということがよく判る、とても参考になる話が聞けた。

ものづくりの機能を発揮してふるさと納税の返礼品を製作する企画や、実家の田畑と空き室を活用してITx農業をベースにコワーキングを作るプラン、そして内外からのデジタルノマドを都会ではなくローカルに誘致して、アグリコワーケーションとして展開する計画など、いずれも町の活性化に大いに貢献する話で来年が非常に楽しみ。

これらの企画を実現するのに必要なことは、得意な領域を持つパートナーとのコラボレーション。コワーキングは、そのコラボを推進する装置でもあることを再認識した次第。

コワーキングという仕組みを軸に、それぞれのカツドウを、ぜひ、実りあるものにしていただきたいと思います。

それにしても、コワーキングに関わる人たちのかなりの割合が農業に関心を寄せていることが判る。継承者がいなくて耕作放棄地になってしまっている田畑の再生にも、その町の再活性化にも、コワーキングのスキームが役に立つ、そんなモデルケースが来年はもっとたくさん出てくると思う。

オンライン・トークセッションに参加されたい方は、以下のメンバーシップに登録ください。

#それは2009年12月21日のブログからはじまった

今日、12月21日は、ぼくにとって、もしくは、日本のコワーキングにとっても記念すべき日だ。

2009年12月21日、ぼくは一本のブログを書いた。タイトルは「カフーツ~ノマドからCoworkingという働き方へ。」。日本でコワーキングをはじめると宣言した記念すべきブログで、日本語のブログに「Coworking」という単語が登場した最初のブログだと思う(たぶん)。

残念ながらそれは今、サーバにはないのでオリジナルは見られないが、幸い、Wayback Machine がアーカイブしてくれていた。リンクは無効になっている部分もあるが、テキストはオリジナルのまま読める。

それが、こちら(開くのに少し時間かかるかも)↓

やっぱり、ちょっと見にくいので、少々長いが、テキストだけ以下に転記する。自分で言うのもナンだが、コワーキングの本質的価値を的確に伝えられていると思う(そのために世界中のものすごい量の情報を漁った)。

なお、リンク先URLは一部無効化し、一部はWayback MachineもしくはWiKipediaのページに書き換えた。
また、今とその考えが変わらない、全然、ブレていないところは太字にした。

では、どうぞ。

#カフーツ ~ノマドからCoworkingという働き方へ。

カフーツ~ノマドからCoworkingという働き方へ。
BY ITO TOMIO ⋅ 12月 21, 2009 ⋅ POST A COMMENT

※以下の一文は、以前mixiに投稿し、かつご縁のある出版社にも企画書として提案したものですが、このブログでオープンに活動状況をリポートすることにしたので、あらためて転載します。

ボクは現在、フリーランスのウェブワーカーが、情報共有と協業仲間を持つのをサポートすることを目的に「カフーツ(Cahootz)」というネットワークを起ち上げようとしている。 ちなみに、カフーツとは「ぐる(仲間)」という意味。(もちろん、The Band の4枚目のアルバム『Cahoots』にもかけている。ま、判る人にしか判らないことだけど。)

その活動を続ける中で、今、世界に「Coworking」という働き方が広まりつつあることに気づいた。

ホームオフィスやカフェでの仕事は、自分の空間にこもって集中することはできるけれども、一方で最新情報をチェックしたり、仕事に関して意見交換できる仲間や、場合によっては協業パートナーがほしいといったときに困る。自然、世間も狭くなり、自分の立ち位置が判らなくなる。

そこで、好きなときにやってきて、空いている席について各々が自分の仕事をできるスペースを確保しつつ、適宜他の会員とコミュニケーションできる会員制のワークスペースを提供しているのが「Coworking」。 コミュニケーション・ワークスペースとも言われている。ここに、その理念や運営ノウハウその他について網羅したサイトがある。

Coworkingは、仕組みとしては会員制のスポーツジムのようなシステムで、見た目としては図書館みたいなものと考えればイメージとしては近い。判りますよね?

会員は、それぞれが独立して仕事をする人たち。デザイナーや、プログラマーや、ライターや、コンサルタント等々、ウェブ以外の職種も含めてありとあらゆるフリーランサーが、週2回とか、月3日とか、毎日とか、24時間365日とか、利用したいコースで会費を払ってスペースを確保する。席が空いていれば、いきなり来て1日料金を払って利用してもイイ。アメリカのほかにヨーロッパ、東南アジア、アフリカにもある。

Coworkingは、場所を確保するだけではなくて、むしろそこにやってくる「人」と交われるというのが最大のメリット。「場所」ではなくて「人」。場所だけなら、よくあるパーティーションで区画割されたスモールオフィスで済む。

でも、それでは他者との多様なつながりが生まれないから、これからのフリーランサーにとってはほとんど意味が無い。 事実、そのコンセプトで設計され提供されている日本のインキュベーション施設は、せっかく契約したのにも関わらず、徐々に利用者が寄り付かなくなっている。そこに、人との交流が生まれないからだ。

逆にCoworkingでは、互いに情報交換したり、仕事のチームを組んだりする、いわゆるコントュリビュート(貢献)の精神が無い人には向かない。しかし、得意分野に特化した仕事で生きていこうとするフリーランサーにとって、最も求められるのはやっぱり「仲間(=カフーツ)」だと思う。「フリーランス」とは、決して孤独を意味しない。Coworkingはそれをサポートする格好の場になる。

もちろんこのスペースは、ただ仕事するだけにはとどまらない。クライアントを招いてミーティングしたり、同じ職種の会員同士で勉強会を行ったり、将来のクライアントに向けてセミナーを開催したり、あるいはたまにはパーティーを開いて会員間の親密度を高めたり、要するに「集う」ということにいろいろと利用できる。

アメリカに事例が豊富なので、いくつか挙げておきたい。

Office Nomads(Seattle)
New Work City(NY)
Hat Factory(SF)

ついでに、ビデオをどうぞ。(※これは当時のブログに貼り付けていたものと違うかもしれないが、2008年4月17日撮影らしいから、多分これだと思う)

ここの環境はスバラシイ(というか素晴らしすぎる。他地域のほとんどの例では、もっとこじんまりしてたりする)。

佐々木俊尚氏の『仕事するのにオフィスはいらない』は、ネットを活用して何処ででも仕事できる「ノマド(遊牧民)」という新しい働き方を指南した。ボクらもそういう意味では既に十分ノマドだ。けれども、ノマドにも人と交わる空間・時間は絶対に必要だ。いや、むしろノマド(=フリーランサー)だからこそ、人つながりを維持できる仕組みが必要だ。

実を言うと、そもそもカフーツはネット上に会員間で情報共有できるSNSを設置して互いに交流することをイメージしていた。けれども、前述のように、実際に顔を合わせるCoworkingというコミュニケーション・ワークスペースの存在を知り、なぜなかなか前に進まないのかが判った気がした。

さらに、ここ2年ほど続けて主催している「ネットマーケティング研究会(略称、ネマ研)」の経験からも、同じ空間を共有することの重要性を感じていた。ネマ研では、参加者が個々に抱えるネットマーケティング上の課題を持ち寄り、それをテーマに自由にディスカッションするというスタイルを取っている。セミナーではなく全員参加型のディスカッションの場を提供するのがボクの役目。特にフリーランサーに限ってはいないけれども、参加者全員がウェブワーカーだ。

で、「あ、そうか、カフーツって要するにコレやんかいさ~」と気づくのに、ちょっと時間がかかった。誠にお粗末なことで。

ということで、事ここに至って、カフーツはSNSに加えてCoworkingするワークスペースを確保し、この理念に共鳴するウェブワーカーに提供するという計画を進めることにした。さっきのビデオみたいなスゴイことはすぐにはできないけれども、Coworkingの基本的な考え方を啓蒙しながら参加メンバーを募り、メンバーを巻き込んで運営スタイルを練り上げ、彼らの一番アクセスのよい地域に絞って物件を物色するという流れで行く。ボクらは、不動産賃貸業をやりたいのではないので、物件ありきではなく、人ありきで進める。

Coworkingは新しい働き方であると同時に、新しい生き方と言ってもイイと思う。ここ日本においても、きっとこの生き方にマッチするワーカーがたくさん現れるはず(というか、もう現れてるけど)。その先駆けになるひとつとして、ボクらは神戸で始めて、なんとかうまく運営したいと思う。

今後、カフーツの活動状況はいずれ公開されるSNSとここでリポートしていく。

ちなみに、カフーツのSNSはTwitter型のSNSを採用する予定。これがまた面白いサービスがいくつかあって、そのことを書いたコラムは近々マーケジンで公開されるので、またお知らせします。

(転記、以上)

#コワーキングはハコではない、ヒトとコト

これを書いてから、翌年の5月15日にカフーツをオープンするまで、なんだかんだ、紆余曲折があって、結構、時間がかかった。いろいろ物件を見たが、とりあえずはミニマルに始めたほうがいいと思い、当時借りていたオフィスビルの一階にたまたま空いていた部屋を借りた。それが、今のカフーツ。

オープン準備してる最中、驚いたことにこれを読んだ人から電話がかかってきた。それが、東京で一番最初のコワーキング「PAX Coworking」を起ち上げた佐谷さんだった。

「伊藤さん、神戸でコワーキング、やるんでしょ?ぼくも東京でやります」
「おー!それはいい!ぜひぜひ。コワーキングを広めよう!」

とかなんとかで話が盛り上がり、そのはじめての電話は実に2時間余に及んだ。それ以来の付き合いだから、そろそろ14年か…。(遠い目)

ただ、この頃はまだ、「コワーキングの5大価値」のことは知らなかったし、「コワーキング曼荼羅」を描くのもずっとあとになってからだ。

で、実際にコワーキングを運営するようになって、やっぱり場所より人だ、という思いを強くすることになる。

それは今も変わらない。
コワーキングはハコではない、ヒトとコトだ。

ということで、当時のパッションを思い出しつつ、次のフェーズへと進むとしよう。

ではまた、明日。

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