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ローカルコワーキングは型にはまらずニーズに応じてローカライズするのが吉:今日のアウトテイク#258(2024-08-02)

<アウトテイク>
・SNSに投稿するのではなく、これを自分SNSとした投稿
・記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
・いずれKindle本にまとめる予定


#今日のBGM

#今日のコトバ

"何かに恐怖を感じたら、そこからできるだけ多くのことを学ぶこと。
知識があれば恐怖に打ち勝てる。"
(エドマンド・バーク)

Quotes of The Day🌺🌹❤️ . . . . #BeautyofUsa #jenniferlopez #alexandradaddario #AngelinaJolie #MeganFox...

Posted by Beauty Of USA on Friday, July 26, 2024

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#ローカルコワーキングは型にはまらずニーズに応じてローカライズするのが吉

ローカルコワーキングにすごく参考になるビデオを偶然見つけたので共有する。コミュニティデザインで有名な山崎亮さんの対談で、お相手は建築家の長坂常さん。

ぼくは長坂さんは存じ上げなかったけれど、お話の内容に目を開かされる気がした。特に、このビデオのこの部分から。

「(Sayama Flatのときに)自由に住んでペンキ塗って壁作って、やってるのを見て、カッコいいし、いいじゃんと思って。(略)店員が自由にお店のレイアウトができる、行くたびにぜんぜん違う状態がそこに作られている、というようなお店を作ったり、そのあと武蔵美で校舎を作った時は、学生が自由に自分たちの作品を作ったり遊んだりする場所を自由に変えていく、というような仕事をしている」

使う人が自由に、好きに変えていくことを許容する、受容する。それはいいなぁ。

長坂さんの尾道でのLLOVE HOUSE ONOMICHIの取り組みについては、去年のこの記事を見つけた。より詳細が判る。

で、それ、コワーキングでもアリだな、と思ったんだが、そういえば、(先日も書いた)大阪福島のコワーキング「GRANDSLAM」さんは、頻繁に開催されるイベントのたびに、デスクのレイアウトをこまめに変えている。きっと、他にもそういうコワーキングはあるはず。

たまたまだが、昨晩、こんな投稿があった。多人数のイベントのために一般ユーザーの利用を制限していた、その御礼。

こういうのをユーザーとして「けしからん、こっちは客だぞ」と思うか、「OK、OK、みんなで使うのがコワーキングだからお互い様」と思うかは、後者のマインドを持つようなカルチャーがそのコワーキングに育ってるかどうかで分かれる。

それは、コワーカー(利用者)自身もサービスを受けるだけの立場にとどまらず、そのコワーキングの健全な運営にコミットしているということを意味する。そして、彼らの協力があってこそ、コワーキングは継続可能性を増す。

で、それこそがインディー・コワーキングの大きな特徴だ。自分たちの必要とするコワーキングは皆で運営するという考え方が底辺にあってしかるべしと思ってる。

インディー・コワーキングのことは折りに触れ書いてるが、

ここからあらためて引用すると、

大規模なコワーキングスペースとは異なり、インディー・コワーキングはよりパーソナルな体験を提供することが多く、 企業では再現が難しいコミュニティや帰属意識を育む ことができる。

このような小規模なスペースは同じ趣味や価値観を持つメンバー同士のネットワーキングやコラボレーションを促進するサポート環境を作ることに長けている。

そして、お馴染みのCat Johnson氏は、

インディー・コワーキングはサービスマインドを持ち、独自の声と文化を持ち、地域コミュニティのニーズや価値観を反映したコンテンツやプログラムを自由に提供することができる。

そしてインディー・コワーキングは、熱心なコミュニティマネージャー、メンバー、サポーターによって運営されており、健全なビジネスの成長だけでなく、地域社会への影響や経済発展に重点を置いている

パーソナルな体験を提供し、地域コミュニティのニーズや価値観を反映しているからこそ、帰属意識が育まれ、ネットワークやコラボが促進される。

そして、そういう環境を維持するにはコワーキングのマネージャーやスタッフだけではなく、「メンバー」つまり「利用者」も運営に、大なり小なり加担しているというところが肝心。先のGRANDSLAMさんの例で言うと、その日、利用を控えることだけでも協力していることになる。

つまり、「コワーキング VS コワーカー」、ではなくて、「コワーキング WITH コワーカー」、「客」ではなくて「仲間」になっているということ。それがローカルコミュニティとしてのコワーキングを成立ならしめる。

ところで、レイアウトを目的に応じて臨機応変に変えるというのは、さまざまな属性のユーザーが利用するローカルコワーキングにおいては結構重要。なにしろ、少なくともこの8つのテーマに属する人たちがやって来るのだから。

なので、彼らがストレスなく利用できるよう、備品の選択にも注意が要る。「GRANDSLAM」さんのように、日頃から機敏にレイアウト変更が可能なデスクを使用するというのはそのひとつ。

そういえば、ずいぶん昔だが、東京茅場町のCo-Edoさんから、イベントでプロジェクターを照射する際にスクリーンのところだけ照明を落とせるようスイッチを設けた、という話を聞いた(うちも実はそうなってる)。コワーキングの日常を知り尽くしているからできる発想だ。

ついでにこのビデオでビビビときたのは、7分17秒あたりからのここ。

サードウェイブコーヒー、かつまたブルーボトルは、各地域に行ったら、各地域の状況に合わせてメニューも作るし空間も作る、という
(略)
スターバックスとか同じカラーをどこ行っても繰り返すのとは違うカタチでやっていくというのは彼らのポリシーで、
(略)
同じものを繰り返したほうが楽ですけど、毎回行くたびにアイデアを考えなければいけないし、その場所と格闘しなきゃいけないので大変ですけど、その結果がたぶん無理をしていない感じを作ってるんだと思います。

昨日、地方自治体がなぜ東京の事業者にコワーキングの運営を委託するのか、と書いたが、

要はローカライズされた環境としてのコワーキングを成立させるために、地元の人たちが持つ感覚、感性に気を配ることが不可欠ではないか、ということを言いたい。

で、それは長坂さんの言うところの、「各地域に行ったら、各地域の状況に合わせてメニューも作るし空間も作る」ということとシンクロする。

チェーン店にありがちなどこでも同じ設え、オペレーション、ではなく、ここだからこう、という個性がほしいし、あって当たり前だと思う。

企業としては鬼太郎飴方式が管理上、効率的だろうけれど、ローカルコワーキングに求められるのは効率的であることよりも、そこを利用するコワーカーにとって大切なもの、必要なものを、適切に提供できるかどうかだ。

つまり、先のインディー・コワーキングのくだりを繰り返しますが、

パーソナルな体験を提供し、地域コミュニティのニーズや価値観を反映しているからこそ、帰属意識が育まれ、ネットワークやコラボが促進される

もうこれに尽きる。

ちなみに、長坂常さんの著作にこれがあった。タイトルがいいね。使う人の関わり代を残してる、てことかな。

今度、尾道に行ったら、LLOVE HOUSE ONOMICHIをちょっと覗いてみようか。たぶん、11月あたり。

ということで、今日はこのへんで。

※「今日のアウトテイク」はこの無料マガジンに毎日収録されています。ぜひ、購読ください。

(カバー画像:Schemata Architects Jo Nagasaka


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