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麻酔科学 ペインクリニック
慢性痛治療を主眼とする臨床診療をペインクリニックと呼ぶ
急性疼痛
骨折や外傷などによる炎症伴う痛み
原因は明らかで期間も数週間程度
慢性疼痛
原疾患が治っても持続する痛み
原因が不明瞭で長期的
痛みの定義
実際または潜在的組織損傷、あるいはそのような損傷に関して表現される不快な情動体験
主観的、心理的なものも含める
侵害受容性(体性痛・内臓痛)、神経障害性、心因性からなるがこれらは混合していることが多い
体性痛:局在明瞭→NSAIDsやアセトアミノフェン著効
内臓痛:局在不明瞭→オピオイド著効
神経障害性疼痛:神経支配領域のしびれ感を伴う→鎮痛補助薬を要する
痛みの伝導
1次痛
Aδ繊維による鋭い痛みの伝導
2次痛
C繊維による鈍い痛みの伝導
ポリモーダル受容器であり機械的刺激以外に熱、化学刺激なども伝導
例)TRPV1:カプサイシン受容体
上記の一次ニューロンからの刺激伝導は脊髄後角で二次ニューロンへ伝導
参考)広動作域ニューロン:繰り返しの侵害刺激で感受性が増大し、疼痛の原因になりやすい→ワインドアップ現象
神経伝達物質
Aδ→興奮性アミノ酸
C→興奮性アミノ酸、神経ペプチド
受容体
AMPA受容体
NMDA受容体
CRGP受容体
NK1受容体
NK2受容体
伝導路
①脊髄視床路
②脊髄脳幹路:痛みの情報以外に不安、自律神経反応なども伝える
ペインマトリクス
痛み刺激で活性化する脳領域
持続的に痛み刺激が加わるとこれらの領域は可塑性変化を起こし、より痛みを増大するようになるので早期に痛みを制御しないと悪循環に陥る
内因性疼痛抑制系
痛み刺激に対し修飾を行い、刺激を小さくすることで痛みを抑える経路
①下行疼痛抑制系:脊髄後角へノルアドレナリン、セロトニン放出し痛み伝達物質放出抑制
②脊髄内抑制系:脊髄後角のGABA受容体やオピオイド受容体に抑制性入力
末梢性感作
疼痛抑制系とは逆に痛みに敏感になる経路
痛み伝達物質(ATP、ブラジキニンなど)の長期作用によりNaチャネルの閾値低下→アロデニア(触覚を痛みと認識する異痛症)
中枢性感作
末梢性感作が持続することで脳の可塑性変化生じる
これにより閾値低下、下行抑制系減弱し痛覚過敏
参考)シナプス可塑性:シナプスの遺伝子レベルの機能・構造変化により痛み慢性化
交差
通常、ミエリン鞘で絶縁されている神経線維が脱髄すると隣接する神経線維と電気的短絡(エファプス)する
これにより触覚と痛覚のような本来関係ない刺激が連動するようになってしまう
脱髄はリゾフソファチジン酸による
神経原性炎症
侵害刺激で生じたサブスタンスP、カルシトニン遺伝子関連ペプチドが炎症を引き起こす
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