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麻酔科学 麻酔薬、局所麻酔

全身麻酔

麻酔導入→麻酔維持→麻酔覚醒 の流れで行う

鎮静

吸入麻酔薬
吸入麻酔薬は生体内代謝率が低い→濃度調節しやすい
投与経路が確実
濃度をリアルタイムで測定できる

セボフルラン、デスフルラン、笑気など

静脈麻酔薬
①プロポフォール
短時間作用、悪心嘔吐少ない
溶媒として大豆油、グリセリン、卵黄レシチン使用→アレルギーあれば禁忌
また、15才以下の使用は禁忌

プロポフォール症候群:高容量48時間以上投与で生じる致死的合併症

②バルビツール酸
代謝遅く蓄積しやすい
喘息患者には使用しにくい

③ケタミン
NMDA受容体に作用
解離性麻酔薬・・・視床・新皮質抑制し海馬・辺縁系賦活
筋注可能
体性痛に効く

禁忌:脳血管障害、高血圧など

④ベンゾジアゼピン類
呼吸抑制、循環抑制少ない
胎盤通過性高い
拮抗薬フルマゼニルが存在

⑤デクスメデトミジン
α2アドレナリン受容体に作用
青斑核に働きかけノルアドレナリン放出抑制

⑥全静脈麻酔
吸入麻酔を用いない完全静脈麻酔
TCIポンプによって注入
調節性がよい
プロポフォールを基盤に用いるので
麻酔深度判定困難
術中覚醒の危険性 がある

⑦NLA
神経遮断薬と鎮痛薬を併用する方法
近年は用いられない

不動化

脱分極性筋弛緩薬と非脱分極性筋弛緩薬に分かれる
非脱分極性筋弛緩薬のロクロニウムには拮抗薬スガマデクスが存在

詳しくは別の記事にて後日

鎮痛

オピオイドにより行う
脊髄に存在するオピオイド受容体に作用する

①フェンタニル
μオピオイド受容体に作用
モルヒネの50~200倍の鎮痛作用
心抑制少ない
呼吸抑制強い
投与経路が多い

副作用:吐き気、便秘、呼吸抑制、筋硬直

②レミフェンタニル
速やかに分解されるので超短時間作用
添加物にグリシンを含むので硬膜外、脊髄クモ膜下投与は禁忌

局所麻酔(区域麻酔)

局所において神経(Aδ、C)を可逆的に遮断し鎮痛

解離定数:低い方が作用発現早い

脂溶性:高いと麻酔効果強い

タンパク結合率:高いと効果時間長い

局所麻酔薬量:濃度高く、多いほど効果は長く続くが合併症頻度も上がる

副作用
①局所麻酔中毒:即時型(血管内誤投与)と遅延型がある
        不安、興奮→痙攣、意識消失、呼吸停止

治療・・・脂肪乳剤で麻酔を抱合
禁忌・・・バソプレシン、Ca拮抗薬、β遮断薬、Ⅰa型抗不整脈薬

②アナフィラキシーショック
③神経障害
④添加物反応
⑤心因性反応

各論

脊髄くも膜下麻酔
下腹部以下手術、短時間手術などで用いる
効果発現早いが切れるのも早い

絶対禁忌:穿刺部感染、菌血症、敗血症、頭蓋内圧亢進
相対禁忌:凝固異常、動脈硬化など

合併症
①PDPH
穿刺した孔から髄液漏出
細く丸い針を用いる

②循環抑制・徐脈
交感神経遮断による
T4→心臓枝麻痺
C4→横隔神経麻痺

③呼吸困難
呼吸筋抑制   
深呼吸を促して対処

④神経合併症
物理的損傷
薬剤性損傷
脊柱管狭窄などに合併して強く神経障害生じることも

硬膜外麻酔
慢性痛、四肢血流障害などに用いる

禁忌は脊髄くも膜下麻酔と同様
ただしこちらは針が太いのでPDPH起きやすい

合併症
硬膜穿刺
局所麻酔中毒
硬膜外膿瘍

末梢神経ブロック
術後鎮痛も可能
上下四肢の鎮痛、体幹鎮痛に用いる

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