法医学 法医中毒学
中毒とは、化学物質による生体機能障害
薬物と毒物
薬物
生体の恒常性の維持機構の障害を直す化学物質
または生体にとって異物である細菌やウイルスなどにダメージを与える化学物質
毒物
生体に摂取されると化学的作用により健康を害すまたは死に至る化学物質
特に小動物に対する経口LD50<30mg/kgを毒物
<300mg/kgを劇物 と呼ぶ
中毒の臨床症状
神経症状:昏睡、麻痺、振戦
消化器症状:嘔吐、下痢、腹痛
呼吸器症状:呼吸困難、呼吸抑制、咳
眼症状:視力低下、散瞳、縮瞳
その他:体温変化、発汗などさまざま
中毒死の死体所見
粘膜や皮膚の腐蝕
注射痕
死斑変調
歯肉変色
散瞳、縮瞳、眼脂
死斑変調からの推測
①鮮紅色
CO、青酸、凍死
②赤褐色
塩素酸カリウム、亜硝酸ナトリウム
③緑色
硫化水素
臭気
アーモンド臭→青酸塩
ニンニク臭→有機リン酸、ヒ素
など
その他
尿の色調
脱毛
直腸温高値
など
採取試料
血液
尿
胃内容物
爪・毛
一酸化炭素
血中のヘモグロビンと結合する→組織の低酸素化、内窒息
また、直接的に呼吸系酵素を阻害する
その親和性はO2の200~300倍
死亡時はCO-Hbが60~85%といわれる
所見
死斑、血液、臓器が鮮紅色となる
硫化水素
腐卵臭呈する腐食性ガス
温泉や火山でみられる
局所作用:粘膜刺激作用
全身作用:ミトコンドリアのシトクロムオキシダーゼを阻害して細胞呼吸を障害する
アルコール
胃から20%、小腸から80%吸収される
主に肝臓で代謝される
エタノール→アセトアルデヒド→酢酸→水、CO2
アルデヒド脱水素酵素(ALDH)の活性が低いと酔いやすい
特にALDH2が大きく影響する
またアセトアルデヒドを産生するADHの活性も影響する
急性アルコール中毒
血中濃度に応じて酩酊症状は進行する
4.5mg/ml以上で多い
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