臨床診断学 けいれん発作
けいれん発作
脳の一部における以上律動の発作的反射の臨床症状
偽性けいれん
てんかん発作に似るが心因性によるもの
首振り運動がよくみられる
また咬舌、閉口、閉眼あんどがみられ、対光反射のある
てんかん
けいれんが自発的に再発する状態
興奮性伝達物質であるグルタミン酸と抑制性伝達物質であるGABAのバランスが崩れて生じる
失神との違い
けいれんでは外傷、咬舌、尿失禁がみられる
また発作中の記憶がある場合が多く、発作後は意識鮮明
全般性強直間代発作
意識消失とともに
四肢ふくめた全身筋肉硬直・伸展(強直相)
左右対称性律動的筋けいれん(収縮と弛緩をくりかえす)
と進行し、次第に弛緩の時間が伸びていく(間代相)
ミオクロニー発作、欠神発作が先行することがある
脳波:全般性棘波・多棘波
治療
バルプロ酸
ラモトリギン
欠神発作
5~7才に好発
ぼんやりとした凝視
突然始まり突然終わる意識障害
過呼吸から誘発されやすい
脳波:3Hz全般性棘徐波
治療
バルプロ酸
ミオクロニー発作
小児~若年発症
突然起こる短時間衝撃様の筋収縮(短すぎて見落とされることも)
早朝に多い
脳波:全般性多棘波
治療
バルプロ酸
複雑部分発作
意識減損後一点凝視・動作停止
単純部分発作が前兆になることも
全身けいれんに発展することもある
脳MRIで海馬の萎縮・異常信号
脳波:発作間欠期脳波、側頭部鋭波
治療
カルバマゼピン
ラモトリギン
単純部分発作
突発性の上腹部不快感をくりかえす→意識減損・全身けいれんへ進展
熱性けいれん既往あると生じやすい
脳MRIで海馬萎縮・異常信号
脳波:発作性欠期脳波 側頭部で鋭波
治療
カルバマゼピン
ラモトリギン
単純部分発作・焦点性運動発作
一部分に限局した運動症状
数分で収束
意識減損はない
脳波:焦点性の突発波
治療
カルバマゼピン
ラモトリギン
補足運動発作
前頭葉てんかんの一種
一側上肢の強直伸展、同側への頭部の向反、対側の屈曲による非対称性姿勢
持続時間短い
意識は保たれている
睡眠中に生じやすい
治療
カルバマゼピン
ラモトリギン
てんかんの治療
①薬物療法
十分量の抗てんかん薬を種類をできるだけ減らして処方する
部分てんかん→カルバマゼピン、ラモトリギンなど
全般てんかん→バルプロ酸
②外科治療てんかんと鑑別を要する病態
①熱性けいれん
幼少時に意識障害を伴う全般性強直間代性痙攣
基準
3才以下で初回発作
発熱を伴う
脳波異常なし
②ヒステリー発作
頭を左右に振るなど奇妙な発作
③過呼吸症候群
④低血糖
⑤テタニー
てんかん重積
てんかんによる全身けいれんが連続あるいは断続的に30分以上持続
緊急性が高い
治療
ジアゼパム静注:呼吸抑制に注意
効かなければ全身麻酔
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