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オウンドメディアリクルーティングが爆発する2024年。自分で求人を作る際、求人原稿の作成で大切なのはラブレターのような文章だけでなく、そこに掲載する『写真』。写真は情報をスピーディーに伝える上でも非常に有効なツールで、一説には「文字情報の7倍の速度で提供できる」とも言われています。ですが、写真さえ載せておけば求人の応募が増えるわけではありません。求職者が応募したくなる写真とはどのようなものなのか?応募を呼ぶ写真のポイントについて解説します。


カッコいい写真がクリックされるわけではない

「カッコよく見せるためにプロカメラマンに撮影を頼んだ」
写真に力を入れるために、カッコイイ構図を追求した!とという企業も増えています。ただ、『かっこいいビジュアル』をふんだんに使った求人原稿を作ったのにクリック数が全然増えない、応募が伸びない、という悩みを抱える方はいらっしゃいませんか?

求人広告の画像は、見て楽しむ芸術作品とは異なり、見てアクションしてもらうための『広告写真』です。いくらかっこいいビジュアルでも、求職者が知りたいと思わない情報しか入っていない写真ではクリック数は向上しません。求職者が「知りたいと思う情報」が文字から写真に置き換わってはじめて、クリック数が増えるいい画像といえます。

求人広告の写真は「メリコの法則」を意識する

『広告写真』における勝ちパターンのひとつに「メリコの法則」というセオリーがあります。元電通のヒットメーカーである伊吹 卓氏が提唱した、売れる商品パッケージデザインの法則のことで「メ」「リ」「コ」を頭文字にした3つの重要ポイントを伝えています。これは商品パッケージにとどまらず広告ビジュアルを考える際の金言として、広告業界では広く使われています。
求人広告の写真における「メ」「リ」「コ」とは何を意味し、どんな写真のことなのか?具体的に説明します。

「メ」・・・目立つ 他社比較ポイントをはっきり表現する

他の広告と比較検討される求人広告において『目立つ』ことは重要です。ただ単純に派手にすればいいということではなく『他社とここが違う』という差別化ポイントを目立たせることが大切です。そして他社とは採用競合の企業を指します。採用のライバルとなる企業と比べて優位になる部分を目立たせて求職者に提供することを意味します。

そして単に目立たせるのではなく、その求人広告のメッセージにつながる写真であることが大切です。建設会社なのにかわいい犬の写真を使う。キャッチコピーは「月給30万円!稼げる職場です」というPRでは目立つかもしれませんがその広告に意味を見いだせません。それが職場のマスコット犬で社員に愛される癒しの存在で、それをキャッチコピーと連動させてPRすれば違和感がありませんし、他社との差別化につながります。

昔、ガソリンスタンドの求人広告で、そのガソリンスタンド会社が主催するジムカーナレースの写真を使って応募を呼び込んだ経験があります。「社長、来年もレースやりましょね」というキャッチコピーと共に、車が好きな人に対してメッセージしよう!と当時の制作さんが作った求人広告。ガソリンスタンドでそういった求人広告がなかったので、スマッシュヒット。南大阪のスタンドなのに車で1時間かかる神戸市から応募があったり。細かいですが「広告をちゃんと見てみたい」という気にさせるかどうかは重要です。

検索エンジンの一覧画面にピックアップされるメイン画像に使う写真や、比較的大きなサイズの写真を使う際には「メ」のポイントを意識する事が必要です。

「リ」・・・理解できる 上手より「リアル」が重要です

応募前の求職者が仕事探しで気にするポイントは以下と言われています。
「仕事の内容」「職場風景」「制服の有無」「オフィスカジュアル・お化粧・髪型・髪色・ピアス・ネイルなどのおしゃれのフェアウエイゾーン」「一緒に働く仲間(性別や年代の構成)」「上司(年齢・性別)」「休憩スペースがきれいかどうか」「冷蔵庫やオフィスお菓子の有無」、、、など。写真が切り取る風景には、文字よりスピーディーに伝わる情報がたくさんあります。

そして大切なことはそこに「リアル」があることです。写真公開NGのスタッフが多い、写真撮影が上手じゃない、一眼レフカメラが無くスマートフォンでしか撮影ができないなどの理由でフリー画像などの「イメージ素材」を使う場合もあるかと思いますが、こういった写真には「リアル」がないため、理解につながらず逆効果になる場合もあります。

一部求人検索エンジンはフリー画像の利用をNGとし、掲載している求人を表示させないケースも出てきています。職場情報を正しく知ってもらうことに重要ポイントを置いているからです。かつ、若者世代はSNS世代。自分で写真を撮影して投稿しているので、写真に対しての「眼」が肥えており、嘘くさい上手な写真よりヘタウマでもリアルな写真を好む傾向にあります。

その職場の「リアル」を応募前の求職者に理解してもらうことは、応募獲得だけでなく入社後の早期離脱を防ぐことにもつながります。「リ」を追求する事は求人広告写真、オウンドメディア求人広告の重要なポイントでもあります。

「コ」・・・好感が持てる 寄り添い写真は肩に手を載せて

「好感」「安心」といったポジティブな感情は求人応募につなげるための大きなポイントです。心理的安全性を感じるからです。スタッフの笑顔、日常の何気ないひとコマ、休日のイベントの談笑シーンなど、求職者が職場の雰囲気をイメージしやすい写真にいかに「好感」をのせるか?ここにはちょっとしたテクニックがあります。

たとえばスタッフの集合写真の場合。
壁沿いに整列して手を太ももにピーンとつけてわらわずに整列する人たちの写真は逆によそよそしさ、職場の緊張感を醸しだしてしまいます。
職場の風景を映しながらちょっと列を崩して人が並んだ写真の方がリラックスした雰囲気を感じやすく、かつ、少し手が肩に触れている口角を上げて笑っているなどは、職場の仲良さが伝わり好感度はアップします。これも変にピントを人にあててバックをぼかすなどのテクニカルな写真をとることに力を使いがちですが、あまりテクニックに走りすぎず、自然な雰囲気を出せることの方が大切です。

被写体にする人物は「活躍している人」を使いましょう

人物の写真を使うのであれば『採用したいターゲット』に近い人に登場してもらいましょう。求職者の約半数が応募前に下見をし、下見の目的は職場で働いている人を確認すること、といったデータがあります。(ツナグ働き方研究所調べ)職場内の下見が難しいオフィス系企業は掲載されている写真からしか、この情報を入手できません。なおさら写真の重要度は高くなります。

お薦めは「実際にその職場で活躍している人」を被写体として使うこと。その写真に写っている人のテイスト(ファッションセンス、髪型、メイク)が求職者に伝われば、その人との相性がなんとなく良さそうと思う人、つまりその人に近い感じの人(=活躍してくれそうな人)が応募してくる可能性が増えます。
ちょっとしたことですが、こういったケアが、応募を呼ぶ求人広告写真のコツと言えます。

最後に

求人広告に写真を掲載することが当たり前になっている今、求人広告写真をいかにうまく使うかが応募効果を獲得する一丁目一番地(※)と言えます。メリコの法則を意識しながら、求職者の気持ちに立って、彼らが知りたいと思う情報を下手でもいいのでリアルに写真に撮って掲載しましょう。掲載した後で情報の入れ替えができるのもオウンド求人メディアのいいところ。掲載後に職場スタッフに見せながらバージョンアップしていってもよいでしょう。

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