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医書のレビュー

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がん診療や緩和ケアに役立つ本をご紹介いたします。がん治療はもちろん、症状緩和・支持療法・緩和ケアをはじめ、医療現場でのコミュニケーションなど、幅広くテーマを扱っていきます。
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記事一覧

書籍レビュー:がん患者の運動器疾患の診かた

先日放射線腫瘍学会で講演されていた先生の本で「がん患者の運動器疾患の診かた」という本を読みました。 ・はじめに がん診療をしていると骨転移は避けられない問題のひとつです。 本書は特に歩行・運動機能を維持するための骨転移診療について学びたい方におすすめです。 ・どんな本?何が学べる? 治療期〜緩和ケアにおいても歩けることは言うまでもなくPSを維持して治療を続けたり、ADLを維持するために運動機能の維持は大切です。 どうしたら歩けるか、どうしたら移動を維持できるかを考えて診

書籍レビュー:エンド・オブ・ライフ

今回は「エンド・オブ・ライフ」を読みましたので、ご紹介します。 ・本を手に取ったきっかけは? 福岡県八女市にある「うなぎbooks」という本屋さんで出会いました。 こちらの本屋さんはテーマごとに選書されていて、その時に自分が感じていることや考えていることの棚を見ると大体、そのテーマについて少し前に進めるので考えを深めたい時にお邪魔するようになりました。 ・どんな本・どんな人におすすめ? 私は在宅医療に関るまでは退院した患者さんが家でどう過ごしているかがよくわからず、退院す

書籍レビュー:また来たくなる外来

・どうして手にとったの? 2020年から初期臨床研修でも外来研修が必須になりました。思えば僕が研修医をしていた時は外来研修がなかったです。もともとコミュニケーションに苦手意識があり、外来診療に苦手意識を持ったまま専攻医になってしまいました。外来は患者さんは多いし、いろいろ起こるのに対応しないといけないしで、外来を上手にならなければと思っていました。 ・どんな本?何を学んだ?読んでどう変わった? コミュ力や性格など関係なく、誰でも明日からすぐにできる外来のコツが伝授されていま

書籍レビュー:がん診療における対話力をみがく

・本を手に取ったきっかけは? 緩和ケアの勉強をしていた時から1年くらい経ち、外来診療の成長が頭打ちな感じがしていたため、コミュニケーションスキルの勉強をまたしたいと思っていました。 特に医療コミュニケーションの指導者がいない中で、同スキルをみがくかに難しさを感じていました。 ・どんな本・どんな人におすすめ? 医療コミュニケーションは練習で上手になると言われますが、指導医に外来や面談を見てもらえるという贅沢な環境は少ないと思います。1人でも上達できるtipsを知ることができま

書籍レビュー:もったいない患者対応

今回は山本健人先生の「もったいない患者対応」を読みましたのでご紹介します。 ・どんな本・どんな人におすすめ? 外来を始めたての先生はもちろんですが、「説明が苦手でどう勉強したらいいですか?」なんて聞かれた時に後輩に勧められる一冊です。 どうなったら早めに受診したほうがいいか、術前のリスク説明、どうやって家族も含めてうまく伝えるかなど、明日からすぐに使えるtipsが満載です。 ・本を手に取ったきっかけは? タイトルに惹かれました。笑 でも、ちょっとしたコツを知っているだけで