爆弾低気圧昔話
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました
おじいさんは山へ柴刈りに
おばあさんは川へ洗濯に行きました
おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から、どんぶらこ、どんぶらこと、大きな大きな桃が流れてきました
おばあさんは、その桃を拾い上げ、せっせと家に持って帰りました
家に着くとおばあさんは、1時間だけ目を瞑ることにしました
目を覚ますと、おじいさんが隣で寝ていました
外はもう日が暮れていました
おばあさんは、起きたくても起きれないことを伝えると、おじいさんは、頭が痛いというか、今日はずっと重い感じがする、と言いました
おばあさんは、確かに、昨日も早く寝たのに朝もなかなか起きれなくて昼前になってたし、こういう日が不定期的にあるわね、と言いました
おじいさんは、じゃあもう今日は飯も作らんでええか、そうや、あのでかい桃はなんや、と言いました
おばあさんは、ああ、川で流れてきたから拾ってきた、と言いました
おじいさんは、じゃあそれ食えばええか今日は、食えるかわからんけど、量じゃなくて味がな、と言って、鉈(なた)を持ってきて桃を切ろうとしました
すると、桃がパカッと割れて、中からおぎゃあおぎゃあと、赤ん坊が出てきました
おじいさんはたいそう驚きました
寝たままのおばあさんは、うるさいなぁという感じで、壁の方に寝返りを打ちました
ばあさん、ばあさんや、わしなんもわからん、どうしたらええんやこういうとき、とおばあさんを揺らしますが、知らん、の一点張り
なんでや、ばあさんが拾ってきたんやろ、なんやその態度は!
つい声を張り上げるおじいさんに、おばあさんは無理やりよいしょと立ち上がり、今日はもうなんもせん日なんや!!と怒鳴りました
赤ん坊がよりいっそう、おぎゃあおぎゃあ、と泣き出します
同時に、外もざあざあ降りになりました
ぽつぽつと、雨漏りもしてきました
なんもせえへんかて、浸水してもええんか、赤ん坊もおるのに
おばあさんは5秒ほど黙った後、どかどかと大股で、倉庫から桶を持ってきて、雨漏りの下に置きました
そしてまた布団に頭まで潜って、壁の方を向きました
おぎゃあおぎゃあ
ざあざあ
とぽんとぽん
あーーーー
泣き声
雨の音
雨漏りの音
おばあさんの叫び声
ストレス四重奏に頭の水が溢れたおじいさんは、歌い出しました
もも もも もも もも もももももももも
もも もも もも もも もももももももも
おぎゃざあとぽあー おぎゃざあとぽあー
もも もも もも もも もももももももも
もも もも もも もも もももももももも
ぎゃざあおあーとぽ ぎゃざあおあーとぽ
ぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷー
ぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷー
いねいねいねいねいねいねいねいねいねいねいねいねいねいねいねいねいね
口がキモチ~ 口がキモチ~
サーカス見に行きたい! サーカス見に行きたい!
ぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷー
ぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷっぷるぷー
ちんちん出しちゃって 出しちゃったりしって
ちんちん出しちゃって 出しちゃったりしって
桃から生まれた赤ちゃんも~ ちんちんあるやんけ ちんちんあるやんけ
関・西・弁・のっおじいさ~ん 関・西・弁・のっおじいさ~ん
はーーーーーーーい!!
はーーーーーーーい!!
呼んだ?呼んだ?呼んだ?呼んだ?呼んでないってウソダヨネ!
はーーーーーーーい!!
はーーーーーーーい!!
嘘つきは~泥棒の孫! 嘘つきは~泥棒のマGO~~~!!
GO!!
GO!!
GO!!
GO!!
GO!!
GO!!
GO!!
いね!!!!!!
このあとおじいさんは、16時間も寝てしまいましたとさ