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設計初心者に贈る現実の設計1

機械設計者に贈る現実とは、学校や教本で教えてくれない現実の設計の世界。
同じ基礎でも学校や教本で知りえる知識は
何時でも何処でもカンニングできる物であったりします。

しかし、それだけを学んでも「良い設計者」と言う訳ではありません。
「世の中に未だ無い物を創造する者」
なんですから。

その為の共通知識として学校や教本で学べる知識が有るだけなのです。

そこで!加工、組立から始まり、設計、構想、営業技術までを経験した自分が持っている知識を全て皆さんに渡し、今後の仕事に役立てれば。と思ってここに記します。
そもそも、何故 知識を渡そうと思ったのか?
① 設計者の志が低いと感じた。
② 今後、日本の設計者が生き残る道を残したいと思った。
この事項をそれぞれ解説します。 

① 設計者の志が低いと感じた 

私は7年間 中国に行って仕事をしていました。勿論技術者として。
そこで待っていたのは、あまりにも知識の薄い従業員達でした。 

これは設計者とは言わないだろ?と何度も思いながら懸命にその技術を教え、会社全体の技術力を上げる為の努力をし、一部の物であれば完全にとは言わないまでも、手を放す事が出来るまでになりました。

その時は、毎日が問題の連続で、問題や修正、教育に90%の労力を使っていました。
早く日本に帰りたい。言葉が通じるだけでどれだけ楽な事だろう。
特に日本人ならこの程度の事なら1秒で伝わり、理解をし、ミスを犯しても考え直し、2度目のミスをしないよう心がけ、1を言ったら10を理解する。と言う形でストレスが無くなるだろう。
 
その様に思っていました。

そして帰国後、日本人設計者とプロジェクトを進めて行く機会に恵まれました。そこで待っていたのは中国人技術者にも満たない志の低さでした。
設計上の何故?と言う問いに「前がこうだったから。」「多分こんな感じ」と言う回答。。。 

そこから学んで向上しようと思っている節も無く、設計室以外の事は他人事。と言う世界観でした。 日本では、会社の上司が教えてくれるのが当たり前。教えない上司に問題が有る。と言う認識があるかも知れません。
 
しかし、海外では違います。
その仕事を教え、育ったら自分の居場所がなくなる。=自分の給料が無くなる。と言う恐怖感から、自分の知識を誰かにタダで渡すなどと言う風習は有りません。 

自らが学び、努力をして覚えた仕事をお金に換える。と言う事です。
だから中国人は言います。

「中国にとって教えてくれる日本人は有益だから来て欲しいが、中国に学びに来る技術者は要らない。」 

分かりますか?今のままではダメなんです。

学校で教えてくれる知識、教本で学べる知識だけでは欲してもらえないんです。 暗記の話では無いのです。
志を高く持って、創造出来る技術者となり、求められなくてはいけないのです。 

ではその知識は今までどのように蓄積して来たのでしょう? 

「経験」と「情報収集」です。長い年月を掛けて経験を積み重ね、関係するすべての部署から情報を取り学習するのです。 

しかし、そんな悠長なことを言ってられません。
だからこそ、高い志を持てるようになる為に、考え方やノウハウも含めて全てを渡したいと考えました。 

② 今後、日本の設計者が生き残る道 


日本のような成長を遂げた国が何時まで今の状態を保てるのでしょうか?
いや、既に20年間豊か から衰退に少しづつ向かっています。
 
グローバル化が進み、新興国への生産委託が当たり前の時代。
当然生産設備も日本から新興国へシフトしています。 そして新興国は豊かな財産を築き上げて行きます。その結果、製造は自国内で行い、設計のみ買い上げる。

と言う形になって行き、更には設計も自国内で。と言う流れになっています。 

最初の波は「バラシ」から。そして組立図へと移行していきます。
では、日本人技術者には生き残る道は無いのでしょうか? 

応えは「NO」です。 

有ります。形に残らず模倣できない物が。
「高い志を持った学校では決して学ぶことのできないノウハウの詰まった知恵」が。
 
今後、日系メーカーはさらなる生産地を求め、ベトナム、インドネシア、インドへの生産拠点移行をして行くでしょう。
 
日系メーカーの唯一の武器は「製品の信頼性」です。
その信頼性を高める為の設備ノウハウを沢山貯めて来ました。
だから日系メーカーは現地での日本人技術者に設計をして欲しいのです。
そこに勝機が有ります。

勿論、今の時代は必ず海外に出て行かなくとも、設計をして送る と言う事も出来るのですが、やはり現地人に設計を教え、まとめる能力のある人材。
そして日本人だと言う根拠のない信頼性の高さを武器に出来るのです。

この「現実の設計」をご購入頂いた皆様には
機械に対する理解力が高く、機械に対する志が高い技術者を目指し、その能力をお金に換え、豊かな生活を手に入れて頂けると自負しております。

部品図に関するノウハウを蓄積=2年
組立図に関するノウハウの蓄積=5年
この一般的にノウハウを蓄積する為に必要な時間を
部品図に関するノウハウを蓄積=2ヶ月
組立図に関するノウハウの蓄積=1年
これだけ短縮する事を目標にまとめました。

これで あなたは「必要な人財」になる事が出来ます。
そして妄想ではない「本当の安定」を手に入れてください。



第1話 バラシ図は何の為

通常部品図と言いますが、この章ではあえて「バラシ図」と呼びます。
現在、設計初心者の方はこの「バラシ図」を作図しているのではないでしょうか?
計画設計者から渡された組立図を基に、あるユニット構成ごとのバラシ図を作成している。
このような方が対象となります。

図面の書き方、例えば線の意味や図枠の書き方、三角法とは?
みたいな学校や教本から学べる事項はココには記しません。
本やインターネットで簡単に調べる事が出来る事に価値を求めていません。
ご自分で学んでください。

ココでは学校や教本から絶対に学べない価値ある情報を
私の経験から お話していきます。

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