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【WCS2004】バシャレックのデッキレシピと概要【e-ADV

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はじめに

 今回はバシャレックと呼ばれるデッキの紹介をします。自主イベント「Classical PTCG Gathering」で使う候補だったものの結局使わなかったデッキで、せっかく調整したので残しておきたいと思います。
 なおこのイベントはベトベトンexが使用禁止だったのでそれを意識した構築になっています。そのため他のルールでは事情が変わることもありますが、その場合もある程度は参考になるかと思います。

デッキ概要

 バシャーモのたきつけるで炎エネルギーを加速して攻撃していくデッキです。アタッカーとしてレックウザexやバシャーモexを採用しますが、このレギュレーションではバシャーモの「ファイヤーストリーム」も高い水準といえるので加速役とアタッカーの両方の役割を持っています。
 サポートとしてエネコロロが採用されることがほとんどです。ADV期はエネコロロが突出して高い展開力を持っていて、コストとしてエネルギーをトラッシュするのを「たきつける」でカバーできます。
 バシャーモをうまく使うためにエネコロロを入れるのではなく、もともと強いエネコロロをうまく活用するのにバシャーモが適しているから強いデッキになっているというのが適切な表現といえるかもしれません。
 国内ではADV3までのカードが使える2003夏の大会から使われ、サーナイトと並ぶトップデッキの評価を得ていました。その後もしばらくは有力デッキでしたが、弱点でエネ加速役としてもライバルとなるカメックスexの登場や相性のいいeシリーズのカードがレギュレーション落ちすると少しずつ使われなくなっていきました。PCG後半は結果を追求するなら他のデッキが優先されるが、使えばそこそこは戦えるという扱いだったように感じます。
 当時は攻撃力の高いレックexをうまく使うという点から構築される印象でしたが、現在は対策が進みサイドを2枚取られるexを出すリスクが高まっているため通常バシャーモの要素が強いことは意識した方がいいでしょう。


デッキレシピ

ポケモン:20枚
4:アチャモ(こがす)
2:ワカシャモ(とびかかる)
3:バシャーモ
2:バシャーモex
3:エネコ(たいあたり)
3:エネコロロ
1:レックウザex
1:ナゾノクサ(どくのこな)
1:キレイハナ

サポーター:15枚
4:ダイゴのアドバイス
4:モノマネむすめ
3:預言者
3:マユミのネットサーチ
1:町のボランティア

トレーナー:11枚
4:フレンドボール
4:ふしぎなアメ
3:ワープポイント

エネルギー:14枚
10:炎エネルギー
4:マルチエネルギー

このレシピは大会で使うことを想定したもので、数の多いマグマへの勝率を高められるように組みました。他の相手を重視する場合は何枚かカードを差し替えることになります。

採用カード解説

ポケモン
4:アチャモ(こがす)
ワザの期待値はよくありませんが、HP50で1エネで攻撃できるアチャモがこれしかいません。

2:ワカシャモ(とびかかる)
ワザがコイン次第ですが序盤ならサイドをとりやすいのは魅力的です。

3:バシャーモ
2:バシャーモex
メインのカードなのでこの枚数は欲しいです。

3:エネコ(たいあたり)
ワザは弱いですが、マグマに勝ちたいデッキなので簡単に倒されるHP40のエネコは採用しづらいです。
3:エネコロロ
場に置くのは1体のことが多いので2ラインに絞ることも考えられますが、1枚サイド落ちして1枚リバースで倒されると途切れてしまうのは気になりました。枚数が多いと素引きもしやすいので3ずつがいいように思います。

1:レックウザex
もともとはメインアタッカーでしたが、対策が進み倒されやすくなっているので特定の相手に使えるサブアタッカーのような立ち位置になっています。対マグマをだけ考えると初手にくるリスクも加味して0でもいいでしょう。

1:ナゾノクサ(どくのこな)
1:キレイハナ
特に対マグマで有効で、ヒーリングダンスで「ちょくげきだん+すりつぶす」や「かえんだまorチームプレイ2回」といった比較的楽な攻撃でバシャーモが倒されるのを防ぐことができます。攻撃面でもソーラービームでグラードンを倒せるのも大きいです。その他の相手にも1回攻撃を耐えられる相手なら役立ちます。

サポーター
4:ダイゴのアドバイス
4:モノマネむすめ
ベトベトン禁止のこのルールでは安定して多く引けると考えてこの2種類を優先しています。

3:預言者
カードが揃っていれば非常に強いですが、エネコロロがいないときとエナジードローで捨てるエネルギーがないときは引くのが遅くなってしまいます。1体目のエネコロロを引きに行くのを優先して他のサポーターを優先しました。

3:マユミのネットサーチ
アチャモ2枚やエネコ2枚をサーチできずあまり相性は良くありませんが多くの相手でナゾノクサが欲しく採用しました。

1:町のボランティア
同じターンに別のサポーターを使えないデメリットは大きいですが、バシャーモラインや手札と山札にエネルギーが全くない状態になった時に回収できるカードは欲しいです。

トレーナー:11枚
4:フレンドボール
多くのデッキで無色ポケモンを、ミラーやマグマ相手でアチャモラインをサーチできます。不安定ではあるもののポケモンをサーチするサポーターの性能が今一つなのでこれでカバーしたいです。

3:ワープポイント
たきつけるはベンチのポケモンを加速するので入れ替えやつけかえができるカードはもともと欲しいです。
眠りやマヒで時間稼ぎをされたときの対策や、ケッキングが1体しかいないときにロックを解除する手段、残りHPが10のカードを壁にされたときにベンチにさげてファイヤーストリームで効率よくサイドを取れるといった幅広く役立つカードとして採用しました。

エネルギー
4:マルチエネルギー
ソーラービームとドラゴンバーストの両方に使えます。


採用候補カード

入れるか迷ったものの最終的に入れなかったカードです。状況によっては差し替えることは十分考えられます。

ポケモン

バシャーモ4枚目
対マグマなどバシャーモをバトル場によく出す相手を意識するならぜひ入れたいです。

サニーゴ
ジラーチ(ねがいごと)
序盤に出す展開用カードはある程度壁にできてターンを稼げるものがいいように思います。
サニーゴはマユミを効果的に使えるところはいいですが、ワザによるサポートはあまり強くありません。ジラーチはワザは強いですがマユミで2色ぶん使ってしまい相性が悪いところは欠点です。

ファイヤー(e5)

HPが高く、闘抵抗を持っているので相手のグラードンのちょくげきだんを受けず序盤に押し切られにくくなります。攻撃面も一見不足気味に思えますがファイヤーストリームを連打する間にはさむのであればHP100を2回で、HP70~80をばら撒き込みで1手で倒すのにあまり支障がありません。オリジナリティがありそうなのでもし大会で使うなら入れてみたかったです。

アクア団のライボルト
デンリュウ(e1)
エネルギーをつけかえるポケパワーを持っていてたきつけるで加速したエネルギーをバトル場に移動できます。マユミも有効活用でき相手によっては役立ちますが、マグマやケッキング相手にはあまり役立たなかったので汎用性のあるワープポイントにしました。

トレーナー

ポケモンナース
一度攻撃してダメージを受けたポケモンを逃がし、これを使ってからたきつけるで再びバトル場に出せば1ターン稼ぐことができます。安定性を重視して他のカードにしましたが対マグマに強くなるのでぜひ入れたいです。

ポケモンだいすきクラブ
ぼんぐり職人+デュアルボール
マユミとの相性がよくないのでこれらでたねをサーチすることも考えられます。

ミステリーゾーン
エネコロロと相性がいいカードですが、相手とのスタジアムの出し合いになると一度しか効果を使えないのでエネルギーの総数を増やすことにしました。砂漠の遺跡を多用しそうなマグマには元からexを出さないプレイをした方がよく、その他のデッキは相手もゾーンを入れていることも多いです。

ウィークカバー
exは弱点を前提にした対策をされていることが多いので役立ちますが、今回主に想定していたマグマ、ミラー、ケッキング相手にはそこまで重要ではなかったので採用しませんでした。

エネルギー
雷エネルギー
レックが技を使いやすくなりますが、この構築ではそこまで多用しないので入れませんでした。デンリュウを入れる場合はマルチだけだとらいげきが使えないので入れることになります。

レインボーエネルギー
対マグマでは10ダメージの差で気絶するかしないかが変わることもたびたびあるので採用しませんでした。

不採用カード

レシピに入っていないカードのうち、採用候補カードよりも優先度が低いと判断したカードです。

ノコッチ
よんでにげるは強いのですが、悪エネちょくげきだん1回で倒されるほどHPが低くサニーゴと違い場に残ったときに活用しにくいのも気になりました。

メタモン
レックを多用するミラーに対して有効ですが、自分のレシピほどではなくてもレックの要素が減っていると考えています。またサクラビス相手にも有効なもののメタモン1枚で有利になるとも言えないほど不利に思えます。

ウツギはかせの育てかた
同じターンに別のサポーターを使えないのが厳しく他のカードでごまかしたいところです。


戦い方と主要デッキとの相性

基本的にはどの相手に対してもアチャモとエネコを並べて進化させ、適しているアタッカーで攻撃していくことになります。

VSマグマ やや有利

砂漠の遺跡を使うデッキでレックがザングースに、バシャexがネンドールに弱点を突かれるので一見不利に思える相手ですが普通バシャが1回で倒されないので戦いやすい相手です。exは最後のとどめやそれしかアタッカーがいないという緊急時以外は出さなくてもいいでしょう。
ファイヤーストリーム2回でグラードンを倒せ、ベンチに10ずつ与えることによってザングースやネンドールは1ターンでのきぜつも狙えます。バーンアップでダメカンの載ったバクーダも一緒に倒せるのでサイドを稼ぎやすいです。
キレイハナも有効で、ちょくげきだんから簡単にサイドを取られる流れを防ぐことができ、ソーラービームでグラードンを一撃で倒すこともできます。
序盤の展開に戸惑うと負けることもありますが、現状はマグマに勝ちやすいことがこのデッキを使う理由といってもいいと思います。

VSサナレアコロロ 不利

バシャexがサナの、レックがコロロの弱点となっており攻撃スピードも同じくらいなので厳しい相手です。ブーストエネで一撃で倒されるラインになりやすいのも痛いです。
ブレイクダウンで簡単にきぜつされないように手札を調整しながら普通バシャーモで戦うのが一番まともに思えます。その場合は相手のキレイハナが非常に厳しいのでカウンターされるリスクはあるもののかさいりゅうで優先して倒したいです。
相手が事故気味だった場合はかさいりゅうでコロロを倒して止まるのに賭けるのもいいでしょう。

VSバシャレック(ミラー) 互角

メタモンは入っていませんがサポーターやフレンドボールなどトレーナーはミラーに適している配分なので総合的なミラーの勝率は五分くらいではないでしょうか。
バシャーモラインをなるべく多く展開してかさいりゅうで相手のバシャーモやレックを攻撃していきたいです。バシャexはドラゴンバーストでやられるリスクがありますが、バシャーモを減らすことで耐えやすくなります。

VSケッキング 不利

ポケパワーを多用するので厳しい相手です。フレンドボールでバシャexやレックをサーチして手張りでケッキングを倒すしかなさそうです。
相手もケッキングを2体揃えるのに時間がかかることが多いのでワープポイントを使ってロックを解除しやすいのはこの構築の強みです。

VSラグラージ やや不利

普通バシャがよびみずラグラージの、バシャexがスイクンorカイオーガの弱点で一撃でやられるので不利な相手です。ブーストエネや水晶のかけらはあまり入っていないのでこのマッチはレックがもっと欲しいです。

VSジュカイン 有利

メインアタッカーのジュカインの弱点をつくことができ、相手の強みである回復に対しても一撃で倒しやすいところも好相性です。

VSホエルオー やや有利

ドラゴンバーストで200ダメージを出せホエルオーを一撃で倒せます。またキレイハナも水抵抗でひきしおを耐えつつ化石を殴れるので好相性です。
レックがサイド落ちすると厳しいのでこれに勝ちたいのであれば厚くしたいです。バシャーモも水弱点ですが化石を無視してベンチのキレイハナをかさいりゅうで倒せるので悪くありません。

VSサクラビス 不利

バシャーモが水弱点で、サクラビスもスムーズに倒しにくいので厳しい相手です。バシャexは一緒に入っていることが多いサーナイトにも弱点を突かれます。レックなど他のタイプで戦いたいですが相手はメタモンを採用していることもありやばり不利といえます。

全体としてはマグマがトップの使用率で、その対策としてジュカインやホエルオーもいるという環境だとどの相手にも戦いやすく高い勝率が出せるでしょう。

対ベトベトンex単について

 ベトベトンexが使用禁止の大会に向けて調整していたので想定外でしたが、ケッキングと同様にベトベトンはバシャーモとエネコロロのポケパワーを止めてくるのでとても苦手な相手です。何かのメインにタッチされている場合はワープポイントやかさいりゅうでごまかせることもありますが、特にベトベトン単は強引に突破しにくいためとても不利です。
 ベトベトン単への勝率を上げようとするとフレンドボールやエネコロロを抜いてウツギを増やし、バシャexやレックに直接エネルギーを手張りして戦うのがいいように思えますが、他のデッキへの勝率が落ちるような改造になってしまうのでやりづらいです。
 一方でベトベトンを強く対策したミュウツーexやレジスチルexがメインのシンプルな構成のデッキに対してはバシャ側が有利なことが多いため、ベトベトンが使えるルールでも流行によっては戦えるかもしれません。


ADV-PCGレギュでのバシャレック

 最初のデッキ概要の項目でも少し触れましたが、PCGシリーズを使えるルールにおいてバシャレックがどういった扱いになるかを考えます。

エネ加速役としてのライバルが多い

 ADV期はまだ似た効果のカードが少なかったですが、PCGシリーズになるとほぼ新しいパックが出るごとに新しいエネ加速ができるポケモンが増えてきます。特に1ターンに何枚でも加速できるカメックスexや、色以外は同じ効果のカイリューδは競合するところも多いです。
 バシャーモを使うのにあたってはルナトーンのルナシェイダーでたきつけるが止まってしまうことと、進化前も含めてδ種がいないためホロンのサポーターを強く使えないことがデメリットです。
 サポートポケモンが増えたのも関係していて、ADV期はエネコロロが突出して強かったためエナジードローでのトラッシュと相性のいいたきつけるが使いやすかったです。しかしPCGでピジョットなど他の有力カードが出てくると山札や手札から加速させるポケモンの方が評価が高いことも増えました。

メインアタッカーのライバルも多い

 ADV期ではバトル場へ大ダメージを与えられるレックex、ベンチに大ダメージを与えられるバシャexの両方が環境トップといえるほど高水準で、どちらも炎エネルギーを使うためたきつけるとの相性も良好でした。
 PCGシリーズはバトル場へは3エネで2進化exも一撃で倒せるルギアex、ベンチへは1進化で同じ威力のハガネールexが登場しました。またホロンのポケモンでエネルギーの色制約がかなり緩和されたことも大きいです。クリスタルビーチがあってもワザが使えることなどで差別化をはかりたいです。

 以上のことから単純な性能では他のポケモンの方が強いケースが多いものの、タイプや種類の違いでバシャーモの方がいい場合もたまにあるという感じでしょうか。もちろん多少性能が下回っていてもバシャーモが好きなので使っていくというのでも十分戦える性能ではあります。

ADV-PCGレギュで組む場合の大まかな変更点

実戦はできておらずレシピができていませんが、

ポケモン
・適したアチャモやワカシャモへの変更
・ポケモン☆などアタッカーの追加
・ジラーチなど初手用サポートポケモンの検討
・ピジョットなど他のベンチ用サポートポケモンの検討

トレーナー
・ホロンのトランシーバーと各種サポーターの採用
・ロケット団の幹部の採用
・相手の封印ほこら対策として暴風やスタジアムの検討

エネルギー
・炎以外のエネルギーをポロンのポケモンとどちらがいいか検討

といったところではないでしょうか。

おわりに

 次に使う機会がいつになるのかはわかりませんが、せっかく考えていたものなので記事に残せてよかったと思いたいです。
 ぜひベトベトン禁止のWCS2004ルールの大会を開催してこのデッキでマグマとジュカインを粉砕してほしいです!



PCGデッキのまとめ
https://note.com/kanten620/n/n0f54f94af7e0

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※ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。

※カード画像やデッキレシピ画像は
「ポケモンカード旧シリーズ検索 様」
https://pcg-search.com/card/search.php
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