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5分で分かるアトツギ企業の新規事業の作り方ざっくり講座

ゼロイチでしか脳汁(アドレナリン)がでない、新規事業ジャンキーなので、今までいろんなパターンで事業を作ってきた。社内でおこなったものも、海外企業とJVしたもの、スタートアップして資金調達しておこなったものもある。新規事業の常で大体は失敗しているが、運よく結果が出たものもある。ただ、記憶に残ってるものは手痛く失敗したものばかりで夜中にその時のことをフラッシュバックしてバタバタすることもある。

自分は今は、創業110年の企業の4代目で最近は第4創業中。アトツギ支援のアトツギファーストのメンターなどもやっているので、最近、会社に戻ったばかりのアトツギさんにアドバイス求められることもある。そこで、家業に帰った時に最初にやる新規事業のコツが分かるように少しまとめてみようと思う。ここでは、「家業の次の時代のコアとなるガチのイノベーション」ではなく「家業内メンバーに存在を認めさせる」&「経験を積む」&「社外ネットワークの起爆剤となる」という側面が強い新規事業を想定しているのは最初に断っておく。

コツその① まずはその事業を発表するときの想定プレスリリースを書いてみよう

なんとなく、こんなこと出来るよなー、したいなー、というモノがあると思う。なくても、例えばForbesの表紙に載りたいとかピッチで賞取りたいとか地元紙に取り上げられたいという最終イメージがあると思う。まずは、ブレスト後にその目標を実現しそうな、事業のプレスリリースを書いてみるのがコツ。

例えば、「創業110年の企業が、長年のエネルギー事業の経験から、次世代エネルギーを人工光合成経路から作り出す装置の開発に成功!Apple本社に導入すみ」みたいなプレスリリースと、「鹿児島の企業が、LPガス容器充填効率を15%改善」というプレスリリースだと、前者の方がForbesの表紙になる可能性は高い。個人的には後者の方が萌えるし、金にもなると思うが、社会の流れだとかストーリーのインパクトが前者が勝る。なので、プレスリリースを書いてからその実現のために逆算して事業を始めるのをお勧めしてる。

ちなみにこのプレスリリース書くのはAmazonの新規事業作成の方法としても有名なので参考書籍を置いておく。

コツその② 資金100万円でやってみる

プレスリリース書いたあと新規事業を100万円でやってみるのをお勧めしてる。2/3くらいでる補助金がいろいろあるので、それを使って総予算300万で計画する。100万くらいだったらどの企業規模でも出せたりするし、最悪、個人でも出せるだろう。大学との共同研究も年間100-150万なので、それを使って2−3年行うのもお勧め。新規事業で本体の資金繰りを圧迫するのは論外なので、金は極力使わずダメでも受け身が取れる規模で行うのが基本だと思う。

新サービスのプロトタイプが出来たら、派手に①で考えたプレス、ピッチに出る、知事や市長に表敬訪問、makuake使って商品化の2発目のプレスを出す、クラファン成功したら3発目またプレス、ピッチに出る、その結果を採用ページに載せる(自分の子分ができる)、みたいなまでがワンセット。そこまで来れば大体成功で社内ポジションも出来つつ、あるので経費部長 兼 新規事業部長みたいなところに収まれれば狙いは成功だ。

コツその③調子に乗って本業のキャッシュカウを潰さない、本業はSHIFTを狙う

ちなみに、その②が上手くいくと勘違いして本業否定する奴が出てくる。これからはメタバースだ!とか言って、本体のクラシックな事業を否定するアトツギも出てくるだろう。ただ、本体の事業はしっかり顧客の課題を解決しているので存続しているし、キャッシュも作ってる、何より自社がその業界にどっぷりなので、自社で感じている課題は大きいビジネスの種であるときも多い。そこで本業に向き合うときに採用するアプローチとして有効なのはSHIFTと呼ばれる手法だ。

スタートアップが行うのはLeapという大きく世界の常識から飛び出すことでイノベーションを生み出す手法、ただアトツギ企業の場合は、既存の社内リソースを少し違った課題解決や業界分野に適応するSHIFT手法が有効だ。詳しくは名著なので書籍を見てほしい。

まとめ

ということで、三点にまとめてみた。大体、こんな感じでアドバイスをしている。自分の新規事業を行う基準は、A.自分の脳汁が出るか、B.会社のプラスになるか、C.社会がそれを求めているか、の3点。あとは、プレスリリースから逆算するPRのための事業か、ガチキャッシュ事業のどちからなのかを意識して作るようにもしている。参考になれば幸いだと思う。

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