一発勝負のテスト、それで大丈夫?
"ハイステークステスト"
近年問題となっているテスト方式のことだ。
ハイステークステストとは、その結果が受験者に大きな影響を与えるテストのことである。
実際に教育現場で用いられている例としては、入学試験や学校での定期テストなどがある。
ハイステークステストの一番の利点は、そのテストを受けた時点での受験者の実力を正確に測定できることだ。全員が同じ条件で受験するため、受験者の学力が点数として数値化される。これにより、合否を同条件で短時間で割り出すことができる。
しかしながら、それには問題点もある。誰もが一度は経験したことがあるだろうが、大事なテストの当日に限って体調が優れなかったり、トラブルが発生したりして充分な実力が発揮されない時がある。これでは、受験者の真の実力を測定することはできない。性格上、プレッシャーを感じて本番に弱い人がいるのも事実であろう。また一方で、そのテスト方式には、生徒の勉強へのモチベーション問題も存在する。そのテスト方式では、それに至る全ての勉強過程が無視されることになる。極端な話をすると、最初は勉強が苦手だった生徒が努力の結果、はるかに良い成績を収められたとする。しかしながら、その生徒は彼より良い成績を取った全ての生徒より学業成績が劣っていることとなる。その点数が上だった生徒が例えば、もともと頭が良く、課題や出席などの何の努力もしないような生徒だった場合、彼らの勉強意欲を削ぐことにつながる。
リスク回避のために
これらを防ぐためにいくつか改善策を考えた。一つ目は、テストの回数を増やすことだ。一回きりではなく複数行うことでテスト一回にかかるバイアスは低くなり、一発勝負のリスクを回避することができる。もう一つは、テストに至るまでの当事者の受験過程を評価することである。生徒による勉強への姿勢、それらを数値化することは難しいことかもしれないが、もしそれが叶うならば、点数化に結びつくだけでなく、生徒への勉強の動機づけもまた同時で行うことができる。
最後に
以上に述べたのは、全て私個人の意見である。教育とは、人が人に教えるものである以上、何が正解であるかはその当人次第であるため、はっきりとは具現化できない。
大切なのは正解を出すことではなく、正解を出そうとして何が生徒にとって必要なのかを考え、導き出すその過程なのであろう。教師は教育者である以上、生涯学習者でならなければいけない。今あなたが生徒に何ができるかを考え、もがき苦しみ、少しでも良い教育者であり続けようとするその姿勢こそ、それが教育者における本来の"正解"なのかもしれない。
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