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株主総会ではスカートをはく

3月決算会社の株主総会シーズンですね。
保有株の議決権はQRコードから行使して終了、当日は参加せず(昨今おみやげもないですし)、なのですが、就任先では出席しなければなりません。
株主様の権利行使のための重要な機会ですから。
リハーサルから、質疑応答の準備、会場ロジなど、準備に相当な工数がかかっていることもみなさんご存じかと思います。何も特殊な議案がなかったとしても、関係者の皆様が神経をとがらせていることは間違いありません。役員の皆様、事務局の皆様、本当にお疲れ様でございます。

リハーサル

株主総会のリハーサルというものに参加するようになって、事務方のご苦労を垣間見るようになりました。計算書類や事業報告だけでなく、当日のスライドの作成、議事シナリオの作成、役員がどの順番にならんで入場するかといった当日ロジまわりの設定等々。不規則発言があった場合どうするか、など、不測の事態に備えての対応が必要となります。
ちなみにこちらは指示通りの順番に並んで、シナリオに「起立」とか「ここで着席のまま礼をする」とかの指示に従って動いている感じです。
リハーサルが終わったら、信託銀行や弁護士さんから「ダメ出し」コメントがあります。質疑応答の内容についての突っ込み、回答内容がインサイダー情報の提供にならないように、といったご指示もありますが、
「顔が怖いのでにこやかに笑いましょう」とか「マスクは外して」とか、見た目の印象をよくするためのコメントもいただいたりなどします。
最初のころは、こういうのちゃんと練習するの新鮮だなあと思ったこともありますが、入退場の準備など何回もやりますと、正直、あんまり生産的な活動とも思えないなといった気も致します。(重要なのは理解しております)

総会当日

というのは、当然株主提案などが事前にない場合になりますが、非常勤社外役員は非執行側であり、あまり事業に関する質問が来ることはないので、そういう呑気なことを言っていられるのかもしれません。
仮に女性活躍に関する質問が来たとしても基本は執行側がご対応されますし。信託のご担当者が事前にインターネットによる議決権の行使状況を教えてくださり、そこで必要な賛成数が得られていれば、実質決まったようなものなので、当日は手続きの瑕疵なく総会を開催することに注力すればよい、ということになります。
それでも、当日株主のどなた様がお越しになるかはわからないですし、その方がどのような発言をなさるかもわかりませんので、気を引き締めなければなりませんが。
たよりがないのがよいたより、というように、有事がないことがよいのです。

女性役員としての役割

もちろん、質問があれば真摯にお答えしますが、ありがたいことに(?)多くの場合はあまり出番がなく、総会では報告事項と決議事項の説明、審議、決議の間、壇上に座っていること、役員挨拶がある場合は挨拶(たいていは「よろしくお願いいたします。」程度)を行うのが自身のミッション、ということになります。
そうなると、その場にそれらしい格好で存在する、というのが重要な役割となります。当日の服装は何を着たものか、悩みます。
男性であれば「スーツ着用」の一言でよいところを、女性役員のスーツは割と幅が広いのです。それなりのお年頃になってくると体型の悩みも出てきますし、役員なのに新入社員の制服のようなスーツもどうかと思ったり。
名前見たら女性、ってわかると思うけど、ご期待通り、スカートで行くか。とか。
色はやっぱり濃い色か、とか。
レベル低い悩みだなと思っていたのですが。

リハーサルのとき、「受付役」「株主様ご対応役」「拍手役の社員株主」として来られていた会社の女性社員の方が、目をキラキラさせて話しかけてこられました。キラキラ、は、私の気のせいかもしれませんが。
そうか。わたし、この会社の一人目の女性役員だった。
社外だし、内部で昇格することとは別だから、ハードルはあろうかと思うけれど、彼女たちにとって何らかの象徴として存在することも役割だなと改めて自覚した次第でした。それは株主様や社外のステークホルダーの皆さんに対しても同じです。社会の要請、ってやつですね。
堂々と、スカートをはいていこう。
それが私の役割であり、自覚であり、それが私の進む道、てことで。
(そういえば昔、そんな歌があった気がします)


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